第129話 1538年 8歳 鴻之舞鉱山から金鉱を見つけるぞ
前回、長尾家は鴻之舞鉱山を開拓するため、
まずアイヌと仲良くなる作戦を始めた。
村長から森についての決まりの説明を皆で聞く。
看板とロープで禁制区域を明確にしていく。
森の伐採の前に儀式を行いカムイに感謝を行う。
森を切り開く準備が出来た。
甘粕がここでの計画を兵士に説明する。
今年の我々は11月までここに滞在する。
甘粕の連れて来ている兵士300名は徴収兵のため、冬には越後に戻さないといけない。
それまで、
最初に簡易住宅を建てるため原生林を開拓する。
次に原生林の開拓だ。来年から居住者が住むので、木を1ヶ所に集め根だけ処理する。
それから、住民が住むための共同の家を出来る限り作っておく。
来年からくる開拓民は函館から紋別まで船で連れてくる。
牛や馬は兵士が3ヶ月かけて歩いて連れてくることになる。
住民は冬を越せる家を建て、畑を耕し、
蕎麦や大根やカブ、ネギ、ゴボウ、エンドウ、ソラマメ等を栽培する。
そしてアイヌから魚や肉を購入して、
干物工場や燻製工場を作り、酒田や堺で売っていくのだ。
<金城兄弟、動く>
他方、金城兄弟は甘粕の近くにいるけども、
甘粕の言う事はどこ吹く風で勝手気ままである。
金城三男
『寒いよー早く金山見つけて帰ろうぜ』
金城長男
『まったくです。5月でこんなに寒いとはふざけてますね』
金城三男
『若様の話だとかなりデカい金山って話だから楽しみだけど、この山酷くないか?』
金城兄弟はそれぞれ自分の付き人を5人持つ。
それぞれ一人だけ残して計8人の男を山に放つ。
8人の男達は金城兄弟のため金山を探す。
そして金城兄弟は、
別々に作った簡易住宅の暖かい部屋で、
一人の付き人に色々世話されながらすごす。
甘粕と九島兄弟の七郎は、
金城兄弟の凄さを若様から聞いているので、
こういうものかと見ている。
何しろ金城兄弟は、
佐渡ヶ島で年間千貫出るか出ないかって言われてた金山から、
40万貫相当の金銀を産み出しているのだ。
生きる伝説である。
若様からは金城兄弟は丁重に扱えと厳命が出ている。
こんな実績を出されたら理解出来るというものだ。
久知本間氏と金堀衆70人は、
紋別から鴻之舞金山までの道作りだ。
<金鉱脈発見>
2ヶ月後。
金城長男と三男が砂金や植物の生え方の変化点を見つけ、
紋別に戻って来た。
金城三男
『兄貴に負けたらアイツまた勝ち誇るんだぜ、さっさと先に見つけよーぜ』
金城長男
『普通にしていれば真(三男)に負けるハズがありません。行きますよ』
金城兄弟は先を荒らそうように鴻之舞金山に向かった。
久知本間氏に着いた二人は、それぞれの方法で金鉱脈を探す。
1ヶ月もしないうちに二人は金鉱脈を見つけ、
久知本間氏に採掘方法を指示する。
金鉱脈見つけ次第、佐渡島に帰って良いと若様から言われているので、
二人はご機嫌だ。
8月の終わりに、
金城兄弟達と蝦夷地の商品を乗せた舟は佐渡島に向かった。
久知本間氏もご機嫌だ。
紋別から鴻之舞金山まで続く道も、
残り半月もあれば完成する。
先に道を完成させてから鉱山に取り掛かる。
鉱山で自分たちが住むための家を作成する。
水飲み場や生活の場を次々へと作っていく。
完成後は、
二人の兄弟から教えてもらった金鉱脈の場所を図面にしてもらっているので、
その通り掘るだけである。
金城兄弟の凄さは、
地表からこの角度で何メートル掘れば金鉱脈が続き、
これが尽きたらこっちからこの角度で何メートル掘れば金鉱脈が出てくる、
という事が分かるのである。
金城兄弟は、
まるで金山の中を透視出来るような図面が書けるのだ。
来年の春から本格始動に、
久知本間はワクワクした。
11月になり、早めの冬が蝦夷地に来た。
甘粕や久知本間達、九島七郎が舟で帰る時、
七郎目当てのアイヌの女達が涙の別れだ。
若様が九島兄弟に
「若い女達に期待させ過ぎるな」
と言っていた事を甘粕は思い出していた。
やがて舟は函館に着き、
七郎や久知本間達と今年の担当となる兵士50人は舟を降り、
蝦夷地商品を積み込み直江津に向かった。
来年の4月か5月には、
甘粕は紋別を拠点として、
千島や樺太のアイヌとの交易を成功させないといけない。
そのためには九島兄弟の力がまた必要となるのだ。
甘粕は直江と九島兄弟をどう分けるか、話し合わないといけない。
他方、直江他、金城兄弟次男、九島四郎、河原田本間氏と金堀衆50人は、
今年の5月に静狩金山のふもとにいた。
静狩金山は海まで近く2キロだ。
ふもとに金堀衆の生活する場を作り、ここから通う。
彼らの活躍は何処かで語る。
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