第128話 1538年 8歳 アイヌと仲良くなれるかな
前回。
長尾家は、蝦夷地をどう開拓していくかを示した。
蝦夷地の5月。
甘粕が金城兄弟と分家本間を連れて紋別に来ている。
紋別の奥地に鴻之舞鉱山という、金の埋蔵量が日本のベスト5に入る金山がある。
甘粕が西洋帆船を沖に泊め、小型舟を降ろして海岸まで行く。
甘粕、九島七郎、金城兄弟長男と三男と兄弟のお付き、久知本間氏と金堀衆が紋別の地に降り立つ。
甘粕達が浜に降り立つと、漁業を営むアイヌが近づいて来た。
九島七郎がアイヌ語で対応する。
七郎
『こんにちは、まずは取引したいのだけど、こういうの欲しいか?』アイヌ語
そう言って米や塩、酒、衣類を差し出す。
アイヌの男
『欲しい。何と交換するか。昨日採った魚ある。』アイヌ語
七郎
『これからの事もあるし村長と話をしたい。大きな取引だ。案内して欲しい。』アイヌ語
アイヌの男
『わかった。案内する』アイヌ語
七郎
『甘粕様、村長の所に案内してくれるそうです。兵隊さんは10人位でお願いします。後、お土産があると話が早く進みます』
甘粕は頷き、兵士に合図を送る。
七郎達はアイヌの男に付いて行き村に着いた。
200人位の規模だ。
七郎はアイヌの村長に型通りの挨拶をする。
七郎
『私達はここに定住して畑を耕し、干物や燻製工場を作り、アイヌの皆さんにも働いてもいたいのです。働いたらお金や米や塩が貰えます。どうでしょうか?』アイヌ語
村長
『取引はするが定住は認めない。
スマンがこの件は村の者と相談したい。一旦帰ってくれんか?』アイヌ語
七郎
『甘粕様、村長が帰れって言っています。帰るしかないですね』
甘粕
『そうだな。アイヌは九島に任せるよう言われている。任せるぞ七郎』
<七郎の根回し>
次の日、七郎は子供達に越後のおもちゃ(紙風船や木で出来たおもちゃ)を贈り、村長に会わずに帰った。
その次の日、七郎は村の子供達に村の中心となる女達を教えてもらった。
前日おもちゃを贈っているので、子供たちは競い合うよう教えてくれる。
教えてもらった女達に鉄鍋や塩を贈った。
鉄鍋はアイヌではとても喜ばれる。
その日も村長に会わずに帰った。
その次の日、七郎は村の女達から村の中心となる男達を教えてもらった。
前日に贈り物をしているので競い合って教えてくれる。
そして村の中心となる男たちに酒や大工道具を贈った。
その日も村長に会わずに帰った。
その次の日、七郎が村に行くと、贈り物をもらっていない子供や女、男達に囲まれた。
七郎
『これまで贈った物は見本品です。今後私達と取引してくれたら、あれより魅力的な商品と交換します。
ただ私達はここに住めないとあなたたちと取引できず、他のアイヌと取引しないといけなくて困っています。
皆さまで村長に、私達が村の近くに定住できるようにかけあうのを手伝って頂けませんか?』アイヌ語
村の女
『わかったわ、他のアイヌにあなたたちを盗られるくらいなら、あなた達が定住してくれた方が良いわ。鉄鍋は私だけでなく村の女はみんな使いたい。』アイヌ語
村の男
『そうだ、土地は俺たちの物ではなくカムイ(神様)の物だ。
村長がよそ者を入れたくない気持ちもわかるが、あんた達は別だ。
大工道具は最高だ。あれはみんなで使いたい。
俺たちで村長に言うよ。明日また来てくれ』アイヌ語
<定住許可>
次の日、七郎が村に行くと、村長が苦虫を嚙み潰した様な顔で七郎を招き入れた。
村長
『儂は、村長に就任してからこんなにみんなから責められた事はない。酷い目にあった』
七郎は謝り、酒と塩を贈った。
村長
『お前たちの定住を認める。但し次の決まりは絶対守ってくれ』
アイヌは森をただの資源ではなく、カムイが宿る領域としている。
1 シカの回廊やサケの川筋は生命線。畑に転換すると季節の循環が乱れる。そのため「伐ってよい場所か」「どこまで入るつもりか」を守る。
2 森の伐採をするならカムイへの捧げ物や火の扱い、土地の区切りについての共有する。
七郎は村長に決まりを守る事を約束した。
七郎
『私達は向こうに見える山のふもとに穴を開け石を掘りたいのだが、取ってもかまわないか。』
村長
『かまわない。それより今日は宴にしよう。』
七郎
『隊長を含め2人、3人を呼んで良いか?』
村長はこれを了承し、その夜は宴となった。
甘粕が七郎から報告を受けてホッとする。
七郎に褒美の金10貫をやる。
そして甘粕は側近3人を連れて七郎と一緒に村に行く。
甘粕は村長に礼を言い土産を渡す。
宴となった。
七郎の側にはすぐに女が群がる。
年寄りもおばさんも若い娘もいる。
先におばさん達が七郎を取り囲んでしまうので、イライラする若い娘達。
やがておばさん達のすき間を見つけて七郎に抱きつく若い娘。
負けじと七郎にキスをしたり七郎にまたがったり、若い娘に好き放題にされる七郎。
それを見て怒るおばさん達。
若い娘にすれば、男前で優しそうで珍しい物いっぱいくれてアイヌ語喋れる和人を好きにならないわけがない。
若い娘のはしゃぎに怒るおばさん達。
甘粕は九島兄弟はモテると若様から聞いていたけど、ここまでとはと驚いて見ている。
甘粕も男前なのでモテるのだが、まわり男だらけで酒勝負をする。
お互いに潰れるまで1杯づつ酒の入った杯を空けていく勝負だ。
甘粕が酒が強くて、アイヌの男から尊敬を集めている。
他の側近は言葉が通じないが、腕相撲や相撲をして楽しんでいる。
こうして夜は更けていく。
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