第120話 1537年 佐渡ヶ島に行くぞ②三姉妹と葉月
前回、佐渡の鉱山を支える金城兄弟が、
予想外にも“真面目に働く姿”を見せた。
繁華街を見に行く。
俺
『大丈夫だ、雷蔵。葉月の仕事を見るだけだ』
街に入ると、健全エリアと不健全エリアがきちんと区分されていた。
不健全エリアの入出時には身分証明が求められ、
さらに持金の二割が預かりとなる。
要は――
博打で全財産を失っても、最低限の帰り金は残る仕組みだ。
金が無く病気持ちは入れない。
ヤクザや無職も入れない。
不健全エリアに入ろうとすると雷蔵に止められた。
雷蔵
『ここは若様の見る物はありませんよ』
(俺元32歳だし大丈夫だよ、とは言えない)
俺
『雷蔵、大丈夫だ。確認するだけだ』
俺は不健全エリアに入って行く。
不健全エリアは博打場と色街に区分されている。
博打場では労働者が皆楽しんでいる様子だ。
色街では、窓から色っぽいお姉さん達が明るい笑顔を振りまいている。
案内図が大きく掲示され、
お姉さん達が出来る範囲内で店が形成されている。
これなら無理なく稼げるだろう。
お姉さん達が雷蔵や風馬、水斗を見てキャーキャー言っている。
雷蔵達は男前だから、普通に街に行っても女達がキャーキャー言う。
赤目の三人娘も騒ぎ出す。
三女
『見て見てお姉ちゃん、あの娘あんなに胸出して恥ずかしくないの』
次女
『馬鹿ね〜。胸出さないと客が来ないじゃん』
長女
『あら、出し過ぎても来ないでしょ』
三女
『お姉ちゃん達、経験無いのに知ったかしてるー』
長女と次女が三女を後ろから蹴る。
次女
『私達忍者が着る事ない服だよね~』
長女
『あら、どこかに潜入だったら着るわよ』
三女
『私が一番似合うけどねーー』
長女
『嘘つけ』
次女
『一番は私でしょ』
三女
『一番ズン胴』
蹴る次女。
今日は三人娘を叱る夜雀はいない。
後で赤目滝に聞いたら、夜雀は産休だそう。
しょうがない。
俺
『お前達うるさい』
三人娘
『は~い』
長女(小声)
『あんた達のせいで叱られたじゃないの』
三女
『お姉ちゃんの声が一番うるさかったよー』
長女の声が大きくなり、
『なんですってー』
赤目滝のげんこつが三人娘の頭に
ゴン、ゴン、ゴン。
次女
『私黙ってたのにーーーー』
小声でブツブツ。
三人娘はほっとく。
<金城様専用エリア>
地図にない一番奥。
「金城様専用 一般客入るべからず」
と書かれたデカデカ看板の奥には、
宮殿のような邸宅が建っていた。
風呂がやたら豪華だろうな……。
金城もこれなら文句を言わないハズである。
佐渡ヶ島は、機能的に運営されているようだ。
<葉月の城>
葉月咲達がいる庁舎は、
河原田本間氏の元邸宅となっている。
まず事務の小田明道に会った。
小田明道が二倍位に太って、
しかもやたら明るくなっていた。
小田と真田は幼馴染の旧友である。
真田
『小田ーーお前どうした!』
小田
『こっち来たら幸せでさ。食べ過ぎちゃった。
聞けよー、俺にも彼女が出来たんだぜ。凄くないか』
真田
『凄いけど、小田お前騙されてないか?
帳簿を見せてくれ』
小田
『真田、俺とお前は親友だけど、言っちゃいけない事もあるんだぞ。
証憑書類は1号棚、帳簿は2号棚だ』
俺
『俺も報告聞いているけど、1万貫が国の収入になっているし、
実際入金されているが本当か?』
小田
『少ないですか?』
俺
『多いよ。優秀過ぎる。
賃金を5万貫払っていて1万貫回収しているんだぜ。
事実なら凄いよ』
小田
『事実です』
真田が飛び込んできて、
『ざっくりで見ましたけど嘘はないと思います』
葉月咲は相当のやり手だ。
俺
『葉月咲を呼んでくれ』
しばらくして葉月咲が表れた。
相変わらず上品な物腰だ。
誰も彼女が博打場と売春宿の経営者とは信じないだろう。
葉月咲
『若様、この度はご婚姻おめでとうございます!』
俺
『有難う。葉月は優秀だな。ケチの付けようもない』
俺と葉月は今後の方針を話し合った。
最後に商人・津田を呼んでもらう。
津田は小田とは逆に、げっそりと細くなっていた。
俺
『津田。お前だいぶ痩せたぞ。大丈夫か?』
津田
『毎日2時間位しか寝てません。
仕事が充実過ぎて…』
俺
『どういう事だ。人が足りないなら送るぞ』
津田
『いえ若様、大丈夫です。毎日を楽しんでいます』
俺
『人間は健康じゃないと沢山の幸福を掴めないぞ。
寝るようにしとけ!』
津田
『わかりました』
津田が心配だが、佐渡ヶ島は順調だ。
――津田の後ろで、
葉月の上品な笑いが、ちょっと怖い。
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