第118話 1537年 7歳 よし、鉄鉱石を掘るぞ
前回、戦を終えた越後は論功行賞を終えた。
だが――戦の勝利は終わりではない。
この時代の日本は、たたら製鉄で砂鉄を用いて刀などを作成していた。
しかし鉄鉱石を用いれば、砂鉄よりずっと安く――桁が違うコストで鉄を作れる。
鉄の大量生産が可能になる。
高炉を用いた鉄の大量生産に成功しているのは明国だ。
明国の製鉄技術は日本より進んでいる。
だが、明国は技術流出と技術者の国外流出を厳しく防いでいる。
正式ルートでいくら金を積んでも、明国に金を吸い取られるだけ。
技術者も技術も来ない。
当たり前だ。
令和の日本で「アメリカに金を払うから半導体技術と技術者をください」と言っているようなもの。
くれるわけがない。
ではどうするか?
簡単だ。
技術者に亡命してきてもらうだけだ。
俺は李牧という倭冦の親玉に、
「佐渡ヶ島の銀をやるから明国の技術者を連れて来てくれ」
と話をしてある。
あれから連絡を取り合い、大量の銀を送り続けている。
仮に李牧に騙されていたとしても、また別の倭冦を使うだけだ。
だが、俺は李牧を信じている。
今は準備を整えて待つ。
李牧が技術者を連れて来てくれる、その時を。
李牧が明国の技術者を連れて来た時、必要なものは二つ。
鉄鉱石と石炭だ。
石炭は糸魚川にある。
鉄鉱石は、今回攻略した椎名の領地――黒部にある。
これらを掘り出さなければならない。
<美少女山師、再登場>
俺の邸宅に中山お鉱を呼び出す。
相変わらずの美少女で、これで山師とは誰も信じない。
お鉱
『若様、呼んで頂き有難うございます!何を掘りましょうか』
俺は地図を示す。
黒部の鉄鉱石――鉢岳鉱山(黒部鉱山)
糸魚川の石炭――小滝炭鉱(糸魚川市)
鉱山の場所を教える。
お鉱
『若様有難うございます!これだけ分かっていれば見つけられます』
俺
『困っている事は、掘り出す労働技術者なんだけど、お鉱だとキツいよな』
お鉱
『若様聞いて下さい。
私が長尾家にご縁が出来た事を、父上の弟子をしていた人に報告したら、
「私を手伝いたい」と言ってくれたのです。
父上のお弟子さん達を呼んでも良いですか?』
お鉱の父は既に亡くなっており、稀代の山師だった。
全ての技術をお鉱に伝え、さらに多くの弟子を育てていたという。
弟子達は師匠の娘であるお鉱を気遣ってくれているらしい。
俺
『勿論だ。
そのお弟子さんは今までどこで働いていたんだ』
お鉱
『甲斐国です。
何でも武田信虎様の命令が厳し過ぎて、嫌気が差したそうです。』
俺
『そしたら手配頼むよ。
給与とか経費とかは真田に請求してくれ。
困った事があったら、いつでも言ってきてくれ』
<事務真田の大暴走>
事務真田を呼び出す。
……が。
真田は美少女お鉱の顔ばかり見て、俺の指示を聞いていない。
上の空だ。
俺
『おい、真田。聞いているか』
真田は我に帰り、
真田
『はい若様聞いています。
お鉱さんにいっぱいお金をあげれば良いんですね!』
違うぞ真田。
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