第111話 1537年 7歳。 新津焼を拡大するぞ
前回は「人集め」のお話でした。
新津城に行く。
俺は桜に乗り、お伴は島田と水斗と守役安田だ。
島田も俺が桜に乗っているのを見て驚く。俺も気分が良い。
守役安田は俺の婚姻の用意で忙しいのだが、新津に行くと言ったら是非行きたいと言ってきた。
守役安田は新津焼のファンなのだ。
新津焼とは金や銀を使った派手皿で、茶の湯や儒教圏の人達からは酷評される。
しかし、ヨーロッパや東南アジアの人達には賞賛される――予定だ。
新津城に着くと、新津とキムと弟子が出迎えてくれた。
キム
『若様、沢山売って頂き有難うございます。さぁ汚い所ですが上がって下さい』
だからキム、それは新津のセリフだよ。
俺
『新津、大変そうだな。キムを気持ち良く働かせてくれて有難う。感謝してるぞ』
新津
『若様、分かって下さいますか〜〜。胃が痛い日々です』
俺
『新津の苦労は俺が分かっている。全部言わなくて良いぞ。
さぁ上がろうか』
<窯場と提案>
奥に進むと、キムと弟子が作った皿や花瓶が八十ほど、所狭しと並べられている。
守役安田も、ボーッと見惚れている。
俺
『手紙にも書いたが、将軍が新津焼を贈答と幕府の儀礼に用いるそうだ。
更なる数が欲しい。キム、作れそうか?』
キム
『若様に褒められてから頑張っているけど、これが限界ね。
私、毎日3時間睡眠よ』
俺
『キム、1人立ちが出来そうな弟子は何人いる?』
キム
『まだまだのまだまだだけど、3人は出来そうね』
俺
『皿の後ろに、キムや弟子が自分の名前を記入していけ。
弟子達も競争になるだろう。
良いか悪いかはキムが決めろ。
売上は、
国が6割、キム3割、新津1割。
弟子作の場合は、
国が6割、キム1割、弟子2割、新津1割。
弟子が売れば売る程、キムが儲かるぞ。
新津も儲かるぞ』
キム
『若様、分かったよ。沢山弟子独立させるよ』
俺
『品質は大事だからな。
うちにも新津焼が大好きな者がおるぞ。安田だ』
<花瓶>
キム
『嬉しいです。安田さん、この花瓶、上げるよ』
安田が花瓶を手に取り、上下左右から眺めて、凄く嬉しそうだ。
安田
『嬉しいです。神棚に飾ります』
キム
『この花瓶や皿は、床の間に合うよう作ってるよ』
――安田、顔が赤いぞ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
『面白かった!』『続きが気になる!』と思っていただけたら、
ブックマークや、評価ポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★にして
応援していただけると、とても励みになります。
皆様のブックマークと評価が、
今後の更新の大きなモチベーションになっています。
どうぞ、よろしくお願いいたします!




