第二章 堺への旅立ち —商人と忍者と、新たな縁—/第11話 1534年 4歳 十字槍と盾を作るぞ
越後の武器改革スタート!
盾と片手槍の実演で、職人たちが驚くシーンはぜひ読んでください。
夜な夜な俺は、
武具の新アイデアを図面に書きまくり、
高賃金で越後に来てくれとスカウト手紙を書き、
飛脚で全国へ発送した。
結果――
**武器職人が10組(2~5人ずつ)**も来てくれた。
越後の工房街が一気に賑やかになった。
俺の狙いはただ一つ。
“越後オリジナルの武器体系”を作り、謙信に勝つこと。
■ なぜ日本に“盾”が普及しなかったのか?
木製では弓矢・刀を防げない
戦国は槍社会 → 両手が塞がるので盾が邪魔
だが、
“盾だけを使う兵”も少数いたことはいた。
ならば――
「槍を片手で扱えるようにして、
片手に盾を持てばいいじゃないか」
これが俺の発想だった。
★ 新兵器① 自立式・鋼鉄シールド
俺が見せた図面の1つ目は「自立式盾」。
2mm厚の鋼板(90×60cm)
竹製の取り外し式スタンド2本(1m)
角度調整蝶番つき
縁を折り曲げ補強
携帯性重視で革製ハンドル
上部は四角、下部は軽量化のため三角
総重量12kg前後
これなら刀も弓も弾け、
地面に置いて“遮蔽物”としても使える。
職人たちはざわついた。
★ 新兵器② 片手十字槍(1.5m)
2つ目は、完全新概念の 「片手十字槍」。
全長1.5m
刃40cm
横枝60cm
ハンドガード20cm
石突&柄30cm
刃とガードは鋲留め
ポイントは ハンドガード。
これにより、
突き・引きの力を補助
握力の負担軽減
片手で槍を扱える
つまり、
右手:十字槍
左手:鋼鉄盾
という、西洋ファンタジーのような戦闘が可能になる。
職人
「本当に使えるのか……?」
図面だけでは伝わらない。
そこで俺は行動した。
★ 雷風水トリオによる模擬戦デモ
竹製の試作盾と十字槍を作り、
雷蔵に装備させる。
対するは風馬。竹槍を持たせた。
審判は俺。
■ 1戦目:雷蔵 vs 風馬
風馬が頭を狙って突き!
→ 雷蔵、盾で軌道を逸らす!
→ そのまま腹へ一突き!
俺
「一本!」
職人「おおおおおお!!」
■ 2戦目:雷蔵 vs 風馬+水斗
二人が前後から挟み撃ち。
戦国では“必勝パターン”。
だが雷蔵は――
後ろの水斗の槍を盾で防ぎ、
同時に十字槍を滑らせて前の風馬の小手を叩き落とす。
雷蔵 「次、来い」
水斗が連続突きを仕掛ける。
雷蔵は後退、誘い込む。
水斗が距離を詰めた瞬間――
雷蔵、前に一歩踏み込み
十字槍で水斗の足を払う!
水斗が転倒。
俺
「一本! 終了!」
★ 職人たち、熱狂
デモが終わると、
武器職人たちは 割れんばかりの拍手。
「これは使える!」
「新しい戦い方ができる!」
「越後軍、化けるぞ……!」
興奮の嵐だった。
盾と片手十字槍。
戦国の常識を覆す武器体系が、
今ここに誕生した。
俺は胸の中でガッツポーズした。
これで、謙信に対抗する“兵の型”が作れる。
越後の軍事改革は、もう始まっている。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
盾の実装、十字槍の実演、職人たちの熱狂と興奮。
越後における“武具革命”の第一歩が描けたと思います




