第106話 1537年 7歳 外交報告を受けるぞ。(後編)
前回の外交交渉の報告の続きです。
④ 畠山義総 七尾
七尾の畠山義総とは、
祖父・長尾為景以来、仲が悪い。
現在、七尾港に寄港する時は、
一回ごとに交渉して大金を払い入港している。
越後は貿易立国だ。
七尾港という戦略的に重要な港が自由に使えないのは都合が悪い。
将来七尾を攻めるとしても、
今は七尾と経済同盟を結びたい。
そこで色部には、
将軍に献上するレベルの最上級クラスの土産を持たせた。
色部には、
俺が幕府に多大な献金をし、
強い軍を持っている事を伝えさせた上で、
国交回復と経済同盟を申し込ませた。
結果は成功だ。
色部の交渉力もあるが、
あちこちで敵を撃破する奴を、
わざわざ敵にしたくないのだろう。
色部は歓待を受け、
四日間を七尾で過ごした。
色部に女官として木杉付子を付けた。
木杉の前職は、
ヤクザの賭場からバクチの金を盗む泥棒だった。
今の木杉付子は、
城や砦に強行侵入する特殊部隊・黒子の一員だ。
木杉には、
将来七尾城を攻略する事は伝えてある。
下調べをしてもらう。
色部にも、
調略する可能性がある
遊佐続光という国人とは、
特に仲良くしろと言ってある。
経済同盟を結びつつ、
七尾を攻略する準備は成功した。
<北条・武田との外交>
⑤ 北条氏康 伊豆
将来確実に敵対するが、
太平洋航路を使用する場合、
小田原湊・浦賀湊・走水湊・下田湊を使わねばならない。
色部勝長には、
越乃柿酒、石けん、蝦夷地商品、
佐渡ヶ島の金銀各一kg、新津焼を持たせ、
小田原城へ行かせた。
付き添いは木杉付子である。
北条氏康は長尾家に思う所もあったようだが、
将軍からの命令書をもらっておいたので、
すんなり経済同盟が成立した。
⑦ 武田信虎 甲斐国
板垣信方が使者に来た。
武田の重臣だ。
竹俣清綱、色部勝長に任す。
板垣信方
『この度はこのような機会を作って頂き感謝申し上げます。
これはつまらない物ですが』
贈答品は、
軍馬五頭、甲斐刀一刀、絹織物。
武田にすれば大盤振る舞いだと色部が言う。
竹俣清綱
『申し訳ござらんが、越後と甲斐は断交させて頂く』
驚愕する板垣信方。
そりゃそうだ。
板垣信方
『断交する理由を聞かせて下さらんか?』
竹俣
『断交する理由はまず、
甲州の忍びが我が国の技術を盗む為、
多数侵入している事。
加えて、武田の狙いは信州であろう。
信州には高梨という親戚がおる。
この地を攻める輩と国交は結べない』
板垣信方
『我らが何かをやってから断交ならまだ分かるが、
信州の高梨殿を我らは攻めてもおらず、
忍びを入れたという証拠もないではないか?
常識外れも甚だしい。
他の外交担当者はおらぬのか?
大体、反乱を起こした輩を外交担当とは、
我らを愚弄しておるわ』
色部
『何だとー。
我らを馬鹿にするか。
しょうもない土産持って帰れ、帰れ断交じゃ』
板垣信方
『今度会う時は戦場だ。
武田を敵に廻して後悔しろ』
竹俣清綱
『お前らみたいな山猿相手にするだけ無駄な時間じゃ』
板垣信方
『お前の所の高梨を一番最初に攻めてやるからな。
楽しみにしとけ』
板垣信方は怒って席を立った。
この頃、武田信玄は、
まだ父・信虎を追い出す計画を
板垣信方と立案している最中だ。
越後にとって甲斐国とは、
① 港を有していない
② 将来確実に敵になる
断交しておく方が得な国なのである。
逆に、越後との断交は甲斐国にとって、
① 輸出が出来なくなる経済損失
② 越後から軍事技術を盗み出す難度が上がる
③ 信州の攻略難度が上がる
越後との断交は、
武田信虎の予想外だろうし、
頭が痛いだろう。
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