第104話 1537年 7歳 反乱組に農業を任せるぞ
前回、
反乱を起こした竹俣清綱と色部勝長に、
あえて外交を任せるという決断を下した。
俺
『中条藤資の方には別の仕事を頼みたい。
こっちの部屋に来てくれ』
中条藤資を連れて来た部屋には、
事務の真田に頼んでいた農業指導員が五十名並んでいる。
真田
『若様、この度はご婚姻おめでとうございます!』
真田は俺が留守の間に事務員を更に百名程増やしていた。
俺が事務員を大量にもらっているので、増やし過ぎとは言い辛い。
俺
『真田よ、事務員を三十名程、
竹俣清綱と色部勝長に付けて手伝ってやって』
真田は
「また事務員を増やさないとな」
という顔をしているぞ。
俺
『俺は越後に混合農業を導入し、
冷害に強く百万石相当の国にしたい。
まず混合農業とは、
作物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業だ。
混合農業は冷害に強い。
家畜は、まずニワトリを飼う。
それが慣れた頃に牛を飼う。
作物は水が豊富な所は米だ。
水が豊富ではない所は小麦と大豆。
山では養蜂のための
アブラナ・大豆・ベニバナを育てる。
百万石にするため、
新田開発と農業用水も作らないといけない。
これらの総合監督に中条藤資がなる。
中条は農業指導員に農家を回らせ、
どこを治水して米とするか、
小麦とするか決めろ。
農業指導員は
ニワトリの飼育方法も指導してくれ。
農業指導員が報告した結果を、
中条藤資が越後国人衆に説明していけ』
中条
『ニワトリなんてどうするのですか。
卵くらいしか使い道がない。』
俺
『ニワトリほど役に立つ動物はいない。
肉や骨は栄養価も高い。
羽は将来、布団や服の原料となり、
糞は肥料となる。
隣の部屋に鶏の煮込みを用意させてある。
お前達も来い。
竹俣と色部も呼んでやれ』
<鶏鍋試食>
隣の大部屋に行く。
部屋には大鍋が三つある。
一つは米に味噌を入れて煮込んだ鍋。
兵士が戦場で食べる物だ。
二つ目は、
米と鶏の骨と味噌を煮込んだ鍋。
ニワトリが普及したら、
兵士に戦場で食べさせたい物だ。
三つ目は、
鶏肉と野菜と味噌を煮込んだ鍋。
ニワトリが普及したら、
家庭で食べて欲しい物だ。
まず一つ目を食べた竹俣清綱は、
竹俣
『戦場ではこんな物ですな。
生の米をかじる事もありますわい』
次に二つ目を食べた竹俣清綱は、
竹俣
『美味い。骨のクセに良い味出す。』
俺
『栄養価も高い。
ニワトリが農家に普及したら、
兵士の糧食にニワトリを加えたい。
糧食が美味しければ、
兵士もやる気出るだろ。』
色部
『全くそうだ。
若様は何で兵士の気持ちが分かるのか?』
竹俣
『バカだな色部。
若様はみんなお見通しだから、
儂らは若様に負けたんじゃろ。
ガッハッハ』
ケンカになる前に、
俺
『三つ目の鍋も食べてくれ』
皆、口々に美味しいという。
俺
『俺はニワトリを飼う事を全農家に普及させ、
皆が自然にニワトリを食べられる状態にしたい。
皆が肉食しないのは、
殺生は良くないという仏教の教えからだ。
坊主だって植物を食べている。
鶏の命も植物の命も平等だろう。
命は循環する事が自然の摂理だ』
竹俣
『儂は美味ければ何でも良い。
若様、これだけ美味しい物を食べさせて、
酒を飲まんのは自然の摂理に反するぞ』
それはお前個人のルールだぞ。
俺
『まぁ良いぞ。
酒でも飲め。
明日からキチンと働け』
<普及計画と未来布石>
俺は飯を食いながら、
中条とニワトリの普及計画について話す。
ニワトリはこの時代、
一羽二十文程で市場で売られている。
これを毎年五千羽購入し、
越後の農家に配る。
三年は食べるな、卵も売るなとして増やす。
毎年五千羽購入していけば、
三年で全ての農家に行き渡る。
一万五千羽いれば、
毎年五千羽くらい繁殖する。
これらを徴収して国人衆に配ったり、
兵士の糧食に使いたい。
次に農業指導員と話す。
転生前の父の職業は米農家だ。
当時は化学肥料が中心だが、
有機肥料も父から教えられている。
農業指導員に、
鶏糞・人糞の有機肥料への転換方法を詳しく教えていく。
収集:人糞や鶏糞を集める。
堆肥化:好気性微生物で発酵させ、温度を上げて病原菌を殺す。
熟成:水分・臭いを調整し、安全な肥料に仕上げる。
これで土壌に撒ける。
竹俣は色部と外交について喋っている。
後で彼らとも意見交換しておこう。
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