第19話(3) ???
Scene-23(屋内)?? - ?
巨大なシリンダーが立ち並ぶ大部屋には、大勢の人間が行き来していた。
仕切った強化ガラスの向こうにある管理センターで作業の様子を眺めていた白人の女性が、タブレットに目を落とした。
「最後分のサンプルはなし、と」
そこで言葉を切る。
素っ気ないベリーショート、硬い服装、冷たい声、そして実験動物を見る目――
そんな女性だ。
杭に貫かれたように直立不動になっていたザーチとウレリトが、沈黙で判決を待つ。
こちらから無茶を提案したにも関わらず、満足な結果を出せなかった。心が躍る状況ではない。
女性がふふと笑った。
「よい実験体でしたから少し残念ではあります。――次も励みなさい」
「はっ!」
「イエス、マム!」
セーフ。
安堵の表情を浮かべた二人だったが直立不動は維持。
目の前の女性とは付き合いが長い。怒らせたらどうなるかはベルギーの片田舎に駐屯させられた頃からよく知っている。
ザーチが、感慨にふけった。
目の前の女性はあのときから何も変わらない。そして自分も、相棒も――
「失礼いたします、マーム!」
二人が管理センターから退出するため一礼後に振り返った。右手を挙げるような若造の真似はしない。
「ザーチ、ウレリト」
扉から出る寸前、二人は女性から静かに名前を呼ばれた。
かつての名ではなく、今の名を――
「はい!」
「D機関……面白そうね」
<了>
お粗末様でした
しばらくはカクヨムで




