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吸血鬼のおしごと/カラスにコウモリ、オオカミと  作者: kaichi
第三章 少女と世界の真実
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第15話(1) 決起

Scene-15(屋内)D機関ビル:会議室 - 真夜中


 D機関ビルの大会議室に、摩周と戸坂社長が籠もっていた。

 広いテーブルには何台もの大型ディスプレイが並べられ、マップアプリや各種会議アプリ、付随するユーティリティー、幾つかのライブカメラ映像などが分割されて、各々ごっちゃと表示されている。

 ビル前のリアタイ映像を流してるディスプレイには、大勢の吸血鬼たちが持ち寄った車やバイクが写っていた。

 状況を確認した摩周が、後ろの戸坂へ振り返る。


「民生サービスと社内インフラ混淆の突貫ですが、十分行けます。細々とした作業は私がすべて対応いたしますので、社長はここから統括をお願いします」

「よし、やれ」


 力強い言葉とともに摩周が頷き、ヘッドセットを付けてモニター群に向き直る。


「摩周です。――本日、吸血鬼襲撃犯による誘拐が発生しています。連れ去られたのは蒼井莉子さん。先日、吸血鬼になったばかりの少女です」


 音声と文字の広域共有に既読がダーっとつく。

 摩周の声がアプリを経由して皆のスマホに配信されると、吸血鬼たちのアバターが会議アプリに続々と上がってきた。

 摩周がアナウンスを続ける。


「誘拐された蒼井さんは変異が急速に進んでいる可能性があります。一刻も早く病院へ収容するためにも、皆さんの協力が必要です」


 了解の声やメッセージがあちこちから上がった。

 D機関に所属する吸血鬼たちの結束は固い。皆で社会からの不当な圧力や風評と戦ってきた戦友たちなのだ。

 保安部の篠生が挙手したので、摩周が発言者に追加した。

 最初は雑音が酷かったが、すぐAIによってクリアになっていく。

 同時に篠生がスマホで自分たちを映した。

 後ろでは双羽とナイトランチ制服姿の女性――マオが、スマホを前に何か相談している。

 彩華も自分のスマホに齧りついている。


『警察にも伝えてるけど、彩華と莉子ちゃんのスマホが偶然繋がったみたいで。犯人は警察到着前に、車で莉子ちゃんを連れ去ったと思われます。莉子ちゃん、暴行を加えられています!』


 分かってる範囲の情報を皆と共有する。

 参加者たちから了解の声が飛ぶと、近くにいた他のバイクや車が速攻で動き始めた。

 後ろで彩華が顔を上げた。


『――篠生さん、大体掴めました。誘拐は確定、警察発表は直前でストップ。報道規制がかかったようです』

『了解、私たちも犯人が車で移動しそうなところをローラーしてくよ。璃久は私の後ろ、マオちゃん彩華よろ!』

『りょ!』


 画像が動いた。今度はドラレコで二つの映像だ。

 双羽をタンデムさせたらしい篠生バイクと、彩華を乗せたホールスタッフ(マオちゃん)のバイクが出た。

 中継を終わらせた摩周がマップアプリに切り替える。広域マップには篠生車とマオ車のマーカーが追加されていた。

 摩周の後ろにドッカと座って全体を把握していた戸坂社長が、一度深く頷いた。


「救出が最優先だ! 今回の件は何だかキナ臭い、各員は現場の何も見逃すなと伝えてくれ」

「はい、社長!」

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