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4 神様
ふっと意識が覚醒した。
気づくと雲の上のような雰囲気。
辺りを見回すと上から金色の羽?花びらみたいなのが落ちてきた。
その金色が姿をとる。
金色に光輝く人型。
顔とか眩しくて見れない。
でも優しい気持ちが伝わってくる。
ああ、神様、と自然に思えた。
「メリアージュ、思い出しましたね。
残念ながら貴女の当時の心境では、そのまま天国に還れなかったのです。
天国に行くには善行が悪行より多いことに加え、死ぬ前10年間ぐらいの心境が大事なのです。
恨み多いと天国には還れません。
ただそうなる前の貴女は心の中に神仏に対する感謝の思いを常日頃から持っておりましたし、神社仏閣に参拝してはよく感謝の祈りを捧げていました。
それに免じて、異世界でもう一度チャンスをあげることになったのです。
人を愛し、許しなさい。それが課題です。」
そう告げると、私の顔をそっと包み、ふわっと笑んで姿が消えた。
気がつくと私はベッドで布団に包まれていて、でも心は凪いでいた。神様って温かいのねと思って、有り難くて涙が溢れた。




