34 魔力制御
私は魔力を引っ込めプリプリした。
「王子殿下とキース様が、私が魔獣を使役するのが信じられないご様子だったので、魔力を解放しただけです。魔物じゃありません」
プリプリした私を見て、男性陣は顔を見合せると謝罪した。
「すまない、メリアージュ嬢。まさかここまでの魔力だとは思っていなくて、失礼した」
皆揃って頭を下げた。ちょっ、王子までやめてください。ちゃんと謝罪出来る王子は好ましいと思うけど、前世が甦る前の侯爵令嬢の意識が慌ててる。
「その、分かっていただければいいのです。謝罪を受け入れます」
うーん、この魔力、百分の一も解放してないんだけど。こんな騒ぎになるとは‥‥。
「どうやってるんだ?魔力が一切感じられないぞ」
カイゼリムが興味津々で訊いてくる。
「自分の皮膚より下に押し込めて循環させる感じですね。魔力制御のよい訓練になりますよ」
「へぇ、うん、確かに訓練に良さそうだ」
男性陣は全員試しているらしい。表面に出ている魔力が抑えられてきた。
って言うか、皆、今までどんな訓練してたの?
「皆様、今まで魔力の制御はどうされていたんですか?」
「火や水を操ったり、物を動かして的に当てたり、身体に纏って身体強化したり」
「互いの魔力をぶつけ合ったり」
「武器に纏わせたり」
みな、魔力を外に出して操るばかりで、魔力が漏れないように内に込めて循環させる訓練はしたことなかったらしい。身体強化は全身と皮膚の上に魔力を纏うイメージだったとのこと。
ここでちょっと説明をすると、この世界に前世のイメージの魔法はない。
"ファイアーボール"と唱えて、火を出す、それは出来ない。元々存在している火や水を操ることは出来るが、生み出すことは出来ない。
だから、魔法じゃなくて超能力が近いのかな?前世で超能力を使えたことがないから合っているか分からないけど。
実は前世を思い出した後、前世のイメージの魔法を修得しようと、呪文を唱えまくった。火や水を生み出そうとして試行錯誤したのは、今では遠い昔の黒歴史。実際は2年半ぐらい前だけど‥‥。
この世界で魔力について学んでいたけど、混乱しててすっかり忘れていた。‥‥いや、正直に言おう、転生チートを期待したのだ。この世界の皆が出来なくても、転生者である自分なら出来るかも知れないと思ってしまったのだ。
結局、役に立ったのは身体の中で魔力を循環させる魔力制御、魔力を使いきって寝ると魔力が増える魔力増幅だけだった。ちょっとショボいなーと思っていた。
でも男性陣にとっては画期的だったみたい。
「これなら何時でも何処でも訓練出来る!」
凄く興奮してる‥‥。




