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9 告白

「ただ、王子妃様の助けになりたいとは思っています。

実は、一生領地で過ごそうと思っていたので、学園に入るつもりはなかったんです。

ですが、思いがけない事態が起こりまして、急遽王都に来たのです。

王都で暮らすなら、学園を卒業しないと話にならない、ということで、編入試験を受けました。

幸い3学年までの履修は完璧との評価をいただけました。

面接で将来の希望を訊かれたので、王子妃様のお役に立ちたい旨を伝えたところ、取り敢えずこのグループに編入することを薦められました。

地方にいて、3学年飛ばしているので、皆様と面識がないでしょう?

お役に立つにしても人となりや能力を知っていただかなくては始まりません。

妃候補ではないので、本来別グループに入るべきなのですが、暫定的にこちらに編入させていただきました。

後日、他のグループに移ることになると思います。

今はお試し期間なんです」


「そうですのね。

編入試験で完璧なんて凄く優秀ですわね、大歓迎しますわ。優秀な方に手伝ってもらえると助かります。

では、男性陣にはお気の毒ですが、主に私たちと親交を深めましょう。

サロンに参りましょうか」



私たち女性陣はプリシラと共にサロンに移動した。

防音バッチリな優美な個室である。ファブリックには細やかな花の刺繍が刺してあり、マリーアントワネットの部屋を彷彿とさせる仕様となっている。

女性ならではの会話がある時とても重宝している。男性がいると話せない話題も多々あるのだ。


お茶と軽い菓子をセットしてもらい、人払いをする。

お茶を飲んで一息つくと、場の空気が緩んだ。


「プリシラ様、王子妃になることに強い拒絶を感じましたわ。理由をお聞きしても?

勿論無理にとは申しませんが、知ることでフォロー出来ることもあると思うんですのよ」


人の顔色を読むのも上手なマリーローズが口を切った。


暫く黙ったプリシラは、皆の顔を一人一人ゆっくり見つめた。

そして軽く頷くと、

「そうですね。信じていただけるかどうか分かりませんが、私には前世の記憶があるのです」

と真顔で告白した。


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