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第7話 ブルマ閉鎖地区

今回は番外編です。

※成人向けゲームの解説等が含まれています。


サキュリバーズは公募向け長編ではなく連載小説だから……という理由で、公募向けではまずやらないような、序盤に番外編を入れる手法を用いました。

 あなたは牢獄の中でずっと過ごします。


 外側の小さな窓から日の光が消えた後、あなたは質素を下回る食事を与えられました。


 夜も辺りは静かです。


 あなたは寝て、起きても、何もないことを知ります。

 窓から日光が入ります。

 壁に背をつけて座り、何もすることがありません。


 だからこそ、暇を潰しましょう。


「暇を潰すって、本かゲームでも出してくれるの?」

 本もゲームも出ませんが、選択肢のある物語を進めさせて頂こうと思います。


 性的表現のあるテレビゲームのことは、日本語ではアダルトゲームと呼びます。

 ご存じですか?


「やったことはないけど、知ってはいるよ」


 性的で過激な愛情を時に多く含んだ、電子的な娯楽達。それらの砕けた表現は、エロゲ、エロゲー、十八禁ゲームとなります。あなたのような、十八歳以下の美少女はプレイを禁止されています。

「いや、私は美少女じゃないからね? それと、正確には、十八歳以下の男女両方が対象だよ」

 男女……ですって?

「含みは持たせてない!」


 それで、少女が多数登場するゲームは美少女ゲームと総称されます。

 その内の、性的描写の場面がないものが、ギャルゲー、ギャルゲ、ギャルゲームです。

「三段活用みたい」


 ここからは歴史のお勉強となります。


 美少女ゲームは、あなたの世界において、一九八〇年代に誕生しています。

 一九九〇年代になると、恋愛要素と物語を主軸としたものが人気を集めました。

「これ歴史の勉強?」

 はい。美少女ゲームの歴史です。


 美少女ゲームは絵や映像、音などがついた文章を読み進め、分岐をプレイヤーに選択させるものが多数派となったのです。

 いくつもの美少女ゲームソフトが、パソコンまたはPCと呼ばれるパーソナルコンピュータ向けに販売されました。

 家庭用ゲーム機でも、パソコン向けを移植し、プレイ出来るようにしたソフトが色々とありましたね。ただ、ご家庭で楽しむため、大抵は性的な表現がひかえめになっていました。逆に、新しいヒロインの追加等の要素があって、パソコン版のファンが家庭用を買うこともあったのです。


 ゲームを時々楽しむあなたは、全年齢向けのギャルゲーを、プレイしたことがありますよね。

「そんなことまで知ってるんだ」


 もちろん、あなたは女性同士の恋愛……百合にも、ご理解があるお方だと存じています。


「まぁ、かわいい女の子は、好きだよ」


 ですから、今後ともあなたに届くこちらの声、バス子とは、末永くよろしくお願いいたします。


「……うん」


 続けましょう。


 二〇〇〇年代前半には、美少女ゲームが全盛期を迎えましたが、以降は市場が縮小を続けることになりました。この頃になると、もはや美少女ゲーム以外のゲームでも普通に美少女が登場します。

 また、それまでのパソコン向けゲームは大きな箱のパッケージが特徴でしたが、ダウンロードという通信技術の発展の恩恵が主流となりつつあります。


 そして――。


 牢獄の中で美少女ゲームを模した素晴らしい物語が今、動き出すのです!

「強引に現実と話をつなげちゃった!」


 では、物語を開始しますので、あなたは選択肢が提示されたら、その際にお選び下さい。


 スタートです!


 それは……、まだ、ブルマと呼ばれる体操着を穿いていた時代でした。

「いきなりブルマ登場!」


 下着のようにも見える密着型のブルマを身に着けたあなたは、学校の校内清掃をしています。

「えっ、そういう設定なの?」

 主人公はあなたなので、当然です。


 あなたは青いブルマを穿いていましたが、黒いブルマを穿いたかわいい黒髪の後輩を発見し、気になったのでついて行きました。

「早々にストーカーじゃん!」

 いいえ、つきまとっているのではなく、さり気なく後をつけたのです。

「それがストーカーだよ!」


 後輩は四角い箱を持っており、体育館の裏にある倉庫に入って行きました。

 あなたも続けて入ります。

「いや、掃除しなよ!」


 後輩が箱を倉庫の床に置いたところで、誰かが倉庫の扉を閉めました。あなたと後輩は閉じ込められます。


 さて、あなたはどうしますか? 三択となります。


 1.襲いかかる。

「いきなりヤバい選択肢だ!」


 2.扉をドンドン叩いて助けを呼ぶ。

 3.何もしないで待つ。


「色々おかしいけど、……2番で」


 あなたは2を選びました。あなたはドンドン扉を叩き、助けて、ここを開けてぇ~と叫びます。


 扉が開きました。


 その先は真っ暗な亜空間になっていて、あなたと後輩は吸い込まれます。


「え?」


 いやあああぁ~っ! あ~れ~っ!


「早くも終わりそうな展開だよっ!」


 あなた達は、亜空間に閉じ込められてしまいました。


 その後、家族や教職員が必死になってあなた達を捜索しますが、結局、見つかることはなく、あなた達は退学になりました。


 ゲームオーバーです。


「見つからないから退学って無慈悲過ぎる! 後輩ちゃん巻き添え食らってかわいそう!」

 ゲームオーバーですので、しかたありません。


「あとさ、初っ端からゲームオーバーって、クソゲーじゃない?」

 つまらないゲームという意味でのクソゲーならば、ノーです。ブルマ着用のかわいい女の子が登場し、画集として使えるため、クソゲーとは言えません。

「話だけなんだから、画集としては使えないでしょ」

 では、音声をお楽しみ下さい。


 いやあああぁん!

 だめぇっ! ブルマをそんなにじっと見つめてないでよぉ~っ!


「バス子さんって声は声優として通用しそう!」

 ありがとうございますにゃん。

「あざとい!」


 時を、選択肢まで戻しましょう。コンティニューです。


 1.襲いかかる。

 3.何もしないで待つ。


 どちらにしますか?


「……1番は罠だよね」


 はい。ですが、試しに選んでみるのも、自由に遊べるゲームの醍醐味です。あなたにはご注意をしますが、実際にはそのような行為をしないで下さい。


「もちろんだよ。じゃ、1でよろしく」


 うおおおおっ! あなたは後輩に襲いかかります!

「私絶対そんなことやらないよ!」


 あなたは無理やり後輩の上に乗りました。


 後輩が内側に入れていた体操着の裾を持ち上げます。


 胸部の白い下着が晒されました。


 後輩が恐怖の表情で、あなたを見上げます。


 なっ、何をするんですかぁ……。


 そう言って後輩はあなたにびくびくしますが、あなたはうっすらと笑みを浮かべ、こう言い返します。


 うふふ。そのかわいらしいブラジャーを外したら、ブルマの中に突っ込んであげる。

「変態じゃん!」


 やっ、やめて~っ!


 後輩が悲鳴を上げた時、扉が開きました。


 亜空間ではなく校庭でした。扉を開けた女子生徒がいます。


 いやぁ~ッ! あなたの行為を見て女子が叫びました。


 その後、あなたは生徒指導の先生に捕まり、退学になりました。ゲームオーバーです。

「また退学か!」


 残りの選択肢が3の何もしないで待つしかないため、あなたは何もしないで待つことにしました。

「強制選択になって選択肢の存在意義がなくなったね」


 ずっと待っていても、誰も助けには来ません。


 閉鎖された倉庫は静かで暗く、心地の良い場所ではありませんでした。

「この牢屋よりかはマシかも」


 そこで、あなたは倉庫の上のほうにあった、小さな窓に着目します。

 小窓は人が到底通れそうもない大きさでしたが、箱の上に乗れば、背の高いあなたなら届きそうです。


「そこから助けを呼ぶんだね」

 助けは呼びません。

「えっ?」


 あなたは思いついたのです。小窓から外に向かってブルマを落とせば、拾ってくれる誰かが気づいて扉を開けてくれるということを。

「その発想はあり得ないでしょ!」


 ブルマの左上の白いネームタグには、名字が書かれています。

 あなたは『はちい』、後輩は『ぶるまがわ』です。

「後輩ちゃんの名字ヤバい! 漢字はどうなってんの!」

 胸部の()、流れると書いて()、谷間の()、下半身側の(がわ)です。

「川じゃなかった!」


 あなたはどうしますか?


 1.自分のブルマを脱いで落とす。

 2.後輩の部流間側さんのブルマを奪い取って落とす。

 3.平等に両方のブルマを落とす。


「落とすの確定じゃん! でも、それなら3でいいよ」


 あなたは青いブルマを脱ぎ、後輩は黒いブルマを脱ぎました。

 白と水色のチェックのショーツが目に入ったあなたは、思わず後輩の下半身に頭を突っ込んで匂いを嗅ぎます。


「それヤバい人の行動なんだけど! 明らかに私じゃない!」


 きゃああああっ!


 後輩は泣きそうになってあなたを押しのけようとしますが、後輩の妨害に負けるようなあなたではありません。

「負けていいよ!」


 二人で攻防をしている最中、不意に倉庫の扉が開きました。


 あ。


 女子生徒が立っています。

「展開がワンパターン!」


 女子生徒は驚いた後、ごゆっくりお楽しみ下さいませ……と小声で言い、逃げ去って行きました。


 あなたは構わず、後輩に抱きつくのです。

「扉開いたんだから外出なよ!」


 あなたが後輩と楽しめたのは、数分の間だけでした。


 到着した生徒指導の先生に捕まり、ブルマを倉庫内に置いたまま、あなたは生徒指導室まで連行されます。

「下が露出したままじゃん!」

 退学になりました。

「もはや退学って言葉がブルマのネームタグよりも軽く感じるよ!」


 ゲームオーバーですので、またコンティニューで戻ります。


 1.自分のブルマを脱いで落とす。

 2.後輩の部流間側さんのブルマを奪い取って落とす。


 どちらになさいますか?


「納得はいかないけど、1番で」

 はい。


 あなたは、脱ぎます。ですが、脱ぎかけで後輩に止められました。


 先輩! ブルマを脱いで外に落とすぐらいなら、まだ窓から助けを呼んだほうがいいと思います!

「その結論を待ってたんだよ!」


 あなたは小窓から助けを呼びますが、誰も来ません。

「あんなに扉開ける生徒が来てたのにッ?」

 それは別ルートです。


 あなたは叫ぶのを諦め、倉庫内で体育座りを始めました。

 後輩も同じように座りますが、やがて様子がおかしくなりました。


 あの……先輩、その……おトイレ、行きたいです……。

「定番イベント来たーっ!」


 あなたはどうしますか?


 1.漏らしても誰にも言わないよと宣言する。

 2.安心させる言葉をかける。

 3.無視をして後輩から出来る限り離れ、被害を防ぐ。


「3はひどい! というか、私、牢屋の中のトイレですっごく困っているのにこの展開はマジあり得ない!」

 不衛生な現状に置かれているあなたの率直なご意見は無視し、あなたの選択肢を問います。早くお選びください。

「急かさないでよ。じゃあ……、2番で」


 ぽんぴん! 正解です!

「ぽんぴんってなんだそれ! いや、言いたいことは分かるけどさ!」


 あなたは後輩に近づき、優しいお声をかけます。


 だいじょうぶ。漏らしても先輩がきちんと全部飲んであげるから、心配しないで。

「どこが正解だよ! 1番よりヒドかった!」


 あなたは後輩へと必死の声かけを続けます。

 きっと助けが来てくれるから、もうちょっと我慢して。奇跡はきっと……、起きるよ!


「漏らしても云々は要らなかったじゃん!」


 先輩……。


 後輩はあなたにきらきらした瞳を向けています。


 大好きです、……先輩っ!

「くっだらない声かけだけで後輩ちゃん落ちちゃってる!」


 その後、女子生徒が扉を開け、あなた達は両手をつないでお手洗いへと向かいました。


 おめでとうございます、グッドエンドです。


「しょうもないグッドエンドだった!」


 他には何か、ご感想はありますか?


「……色々おかしかったけど、暇つぶしにはなったよ。ありがとう、バス子さん」


 どういたしまして。


 ゲームクリアのご褒美に、後輩の部流間側さんからのコメントをどうぞ。


 あっ、あの、先輩。助けてくれて、ありがとうございます。お陰で、倉庫内で恥をかかずに済みました。お礼に……はみパン、見せてあげますね。

「なんでだ!」


 あなたはご不満みたいですが、後輩は黒いブルマの端を、恥を捨てて、ちょっとだけ右手でつまみ、水色のショーツを少しだけ見せました。


 きゃんっ! 先輩のえっち!


「いや、私のせいじゃないってば!」


 声だけで実際には見られない。あなたはそのことを大層悔しがるのでした。


 以上で、最初の物語『ブルマ閉鎖地区』は終了です。


「えっ? タイトルそんなだったのッ?」


 お疲れ様でした、あなた。

美少女ゲーム風の番外編をお楽しみ頂けましたでしょうか?


途中で扉を開けに来る女子生徒が、個人的に気に入っています。

一度目、二度目、三度目の女子が同一人物かどうかは、あなたのご想像にお任せします。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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