第49話 “MアンドG”および“MGS”
今回は、番外編。ビーバー級冒険者パーティーの説明回です。
あなた様にお伝えいたします!
こちらに召喚されたあなた様の目に映る景色は、どこまでも広がる昼間の草原となっています。
今回は、あなた様への解説役のバス子が、とあるビーバー級冒険者パーティーについてご紹介をさせて頂きますね。
ビーバー級は、冒険者ギルドでの一番下に位置するランクです。年間登録費も、最もお安くなっています。
かつて存在していたビーバー級冒険者パーティー『MGS』は、Millyna、Gutty、Sterlingの頭文字を取った名称だそうです。
元々は、同郷のミリーナさんとグッティさんが組んで『MアンドG』という名称だったパーティー名を、途中で加入したスターリングさんのために名称変更したとのことでした。
つまり、この冒険者パーティーは、MアンドGからMGSになり、やがてはあなた様もご存じのサキュリバーズへと、順に名を変えていったのです。
旧MGSの構成メンバーは、三名。
まずは、リーダーのミリーナ=ザンダレーさん。
ザンダレー伯爵家のご令嬢だそうで、現在のレベルは8です。
ミリーナさんは深緑色の長い髪を左右で三つ編みにした、おとなしそうな印象の少女です。ご登場当初は、リバー様への接しかたがひどい少女でした。地味な小娘の分際で偉そうに……と、あなた様も思ったかもしれません。
その後はリバー様に恩義を感じ、予想外なことに、心を入れ替えました。現在は、サキュリバーズの副リーダーです。
ミリーナさんはとてもまじめな性格で、スカートの下にはハーフパンツを穿いています。リバー様が不意に覗かれた際、大変お気にされていましたね。名場面でした。
お次は、スターリングさん。
レベル25という高さから、MGSの副リーダーになっていました。戦闘中では、パーティーの切り込み隊長だったようです。
他のメンバーと違い、スターリングさんは最初からリバー様と打ち解けて接していたと思います。悪い人ではないのでしょうが、頭のおかしな人でもありました。
背はリバー様ほどではなくても長身で、見た目は紺色のポニーテールと重騎士風の格好が特徴です。あと、胸部はそれなりにご立派なものをお持ちでしたね。
スターリングさんは、こちらの世界ではそれなりに需要のあるブルマをミニスカートの下に穿いていました。見せてと頼めば見せてくれそうな、そんな性格の人物でしょう。
なお、スターリングさんは単身で修業に行ってしまい、現在は行方不明です。
最後に、グッティさん。
神官のような恰好をした彼女は、MアンドGの時は副リーダーでした。MアンドG時代のメンバーはお二人だけですので、リーダーと副リーダー以外には誰もいないという、切ない構成です。レベルは、ミリーナさんと同じ8らしいですね。
グッティさんはパーティーの回復役でしたが、リバー様を回復したことは一度もありませんでした。また、ことあるごとにリバー様を侮辱していた、悪質な少女と言えます。
薄い茶色のロングヘアの耳の前辺りだけを三つ編みにしたグッティさんは、どちらかと言えば、地味な見た目でしょう。それでも外見は、そこそこかわいい印象でしたが、評価点はその程度です。
モブキャラとは、固有の名の明かされない、背景に描かれる程度の人物のことを指します。あなた様には、グッティさんのことはモブキャラとご説明しても構わないレベルだと思います。
なお、グッティさんも、ミリーナさんのように地元の貴族の娘らしいです。グッティさんは故郷に帰ったので、もう彼女のことはどうでもいいでしょう。
どうでもいいですが、どうでもいいキャラクターを使い捨てにしないところが、バス子の良いところです。
じゃーん!
草原の中央、あなた様の正面に、偽グッティさんを配置しました!
動作と声はいつも通りバス子がやらせて頂きます。それと、グッティさんが常にかぶっていなかったフードをかぶらせますね。
はい、かぶらせました! ちょっと新鮮です。
「せっかくだから、アナタも、私の収納魔法の小ささを確認してくれないかしら?」
頬を染めた偽者グッティさん。膨らみのない胸部のすぐ前に、黒い円形異空間を生み出します。そしてあなた様の手を両手で引っ張り、中に押し込みます。
「ああんっ! あんまり端っこは触らないでっ! 敏感なんだからぁっ!」
中に差し込まれたにもかかわらず、手を偽グッティさんに引っ張り出された、理不尽な状況のあなた様。
「ごめんね……、失礼なことしちゃって……。でも、くすぐったかったんだもん」
恥ずかしそうに瞳を細めて偽グッティさんは言います。
偽グッティさんは収納魔法を閉じて、裾に金色の細かい模様の入ったロングスカートをつまみ上げ、お辞儀の格好……いわゆるカーテシーをしました。下着は晒していない健全かつ上品なしぐさです。
あなた様にも魅力的に思えるよう、おこないました。
「モブキャラだって、頑張ってるんだからね……っ」
なんて、グッティさんに言わせてみました。声を出しているのはバス子ですけれど。
偽グッティさんはカーテシーを終え、両手を前で重ね合わせます。
「今回はこれでおしまいです。次回はサキュリバーズのご紹介となりますので、どうぞよろしくお願いします」
サキュリバーズの名を知らないはずの少女の口からその名を出すのは、不自然でしょうね。
偽グッティさんの姿は消滅し、背景は草原から真っ白に変化しました。
グッティまさかの再登場……ではなく、偽グッティの登場でした。
次回も説明回となります。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。




