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第23話 なぜか戦闘後のダメージが大きい

今回は暴力回となります。

「グッティさん、私も回復をお願いしま」

「――なんにもしてない役立たずまで回復するわけないでしょッ!」

 不用意に近寄ったあなたは、グッティさんに膝蹴りをされました。あなたはまたも倒れてしまいます。


「なんでスライムだけじゃなくて仲間にもやられるの……っ!」


 この国、ベールカー王国では、悪しき慣習としての膝蹴りがあります。ベールカー国民はちょっと不満や気に入らないことがあるとすぐ膝蹴りで解決をしようとするため、他国からは『膝蹴り国家』と揶揄(やゆ)されることもあるのです。

「やっぱりどうしようもない国だった……」

 それにしても、まさかロングスカート姿のグッティさんも膝蹴りをしてくるなんて思いませんでした。末恐ろしいものです。


 膝蹴りにより、あなたの体力がさらに減ってしまいました。

 しかたがないので、バス子が回復アイテムをお出しましょう。

「えっ、本当? ありがとう」


 バス子フィギュアが、横になったあなたのお顔のすぐ横に登場です。スカート部分の内側から薄緑色の台座へと、小さな緑色の粒が落ちました。


 こちらをお食べ下さい。魔力で覆ってありますので、不衛生ではありません。


「グミみたい……。噛んでいいの?」

 はい。むしろグミのように味わって下さいませ。


「わあっ!」

 お口に入れた瞬間、あなたは笑顔になります。

「マジおいしい! やっばい何これ!」

 林檎(りんご)味です。

 あなたに喜んで頂けて何よりでした。


 体力を全快させたあなたはお体を起こして、バス子フィギュアを丁重に持ち上げます。一方で、あなたの愛剣は未だに草原で転がったままでした。


 ついでに、バス子も恥ずかしいですがスカートの中も味わって下さい。

「それはいいよごめん。……今の、もう一個、もらえたりする?」


 どうしましょうか……。

「ダメなの?」


 そのグミ状の回復薬は、あなたとバス子の魔力を合わせて作った、子供のような存在です。

「表現が怖いよ」

 あまりにも多く出してしまえば、魔力で作られたバス子が消滅する可能性があります。しかしながら、あなたのために犠牲になるのは構いません。


 もう一個、排出しますか?

「排出って表現も頂けないなぁ。……やっぱり、足の角から出たの?」

 あなたはフィギュアのスカートのほうを見つめます。そのまま中を見ても、全然よろしいのですよ?


「……ねえ、今、その人形のスカートの中、覗こうとしていたよね?」


 あなたの横にミリーナさんが来ていました。彼女のお声が、大変怖かったのです。


「リバー気持ち悪いッ!」

「うあっ!」

 あなたは横から膝蹴りをされました。しかも本気の蹴りです。


 あなたは倒れ、バス子フィギュアも草原に落下しました。せっかく体力を回復したのに、また減ってしまいます。


「どうした、ミリーナ」

「スターリングさん。この人、ドレスの人形を手に持って、スカートの中を覗こうとしていたの。私のスカートも覗いていたし、変態なんじゃないの?」


「そうか……」


 スターリングさんはあなたに手を差し伸べ、引き上げてくれました。

「ありがとう、スター」

「うりゃ!」

「ぎゃ!」

 あなたはスターリングさんにも膝蹴りされます。お二人よりかは威力が低く、倒れることはありませんでしたが、それでも痛かったことに変わりはないでしょう。


「なんで蹴るのっ!」

「私だけやらないと、協調性に欠けるからな!」

 スターリングさんは両手を腰に当てて、偉そうに言いました。


「じゃあ私も蹴っていい?」

「いいや、私は蹴られたくない」

「私もだよ!」

 あなたの悲痛な叫びです。


「今の膝蹴りは、ミリーナやグッティみたいに倒れるほどではなかった。つまり、私は手加減したのだ。そうだろう、リバー」

「そういう問題じゃないでしょうっ! 結局痛かったし!」


「協調性を重視する私の心だって痛いんだッ!」

「嘘つかないでよ!」

「ああ、嘘だよ! 嘘に決まってるじゃないか! そんなもんで痛くなるわけないだろ!」

「認めた! せめて最後まで隠し通してよ!」


「……そんなに怒るなよ、リバー。お前は紳士らしくするべきだ」

「私は男じゃない!」

「お前は紳士である前に、リバーだ」

「人の話聞きなよ!」

「リバーは、川。川、いい。私はかわいい」

「何言ってるんだか分かんないっ!」

「私もただごまかしたいだけで良く分かってはいない」

「――この人おかしい!」


 あなたの本音が出ました。


「おかしい、か……。ならば、私からの大サービスだ、あえてそれに応えてやろう。私の変顔には定評があるのだぞ。――あばばばば!」


 スターリングさんは目の焦点を合わせない表情で耳を両手で持ち、共鳴させるように揺らします。


 その愚かなお顔を見て、あなたはこれ以上まともに関わらないほうが良いと判断したようでした。


やっぱり、味方には攻撃されたくないですよね。


今回もお読み頂き、ありがとうございました。

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