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第22話 あなた達とスライムさん達との全面戦争です!

ついに異世界ファンタジーらしいバトルの開幕です!

 大草原に、あなた達はいます。


 首都ロンドニアの城門を出て、西に位置する町『フレイト』の近くまで行ったところで、スライムさんの一団を発見したのでした。


 良く晴れた天候で風もなく、初心者さんが戦うのにうってつけの状態です。


 あなた、ミリーナさん、スターリングさん、グッティさんが、スライムさん達と戦うことになります。


「あれがスライム?」

「ああ、そうだ」

 先頭にいらっしゃるスターリングさんがあなたに答えます。


「なんか、青や緑の女の子にしか見えないんだけど……」

「ああ。見た目はかわいいが、ナメてかかると怪我するからな、気をつけろよ」


 スライムさんは、全二種類です。

 頭上に金属製の円形探知機がついた薄い青色のほうが、『レーダースライム』さんです。薄い緑色のほうは、ライムの香りがする『ス・ライムマックス』さんとなります。

 レーダースライムさんとス・ライムマックスさんが、それぞれ六体ほどいますね。


 スライムさん達は、長い髪、お顔やお肌、それら全てが半透明の単色で、ぬるっとした質感に見えます。下半身は(すね)の辺りから下が、水溜まりのようになっています。レーダースライムさんは青い半袖、ス・ライムマックスさんは袖なしの緑の衣服を身に着け、どちらも白いミニスカートを穿いていました。なお、お腹は露出しています。


「行くぞッ! 総員、戦闘開始だ!」

 愛用らしきロングソードを持つスターリングさんが突進し、ミリーナさんが続きます。グッティさんはお二人の後方で、援護の魔法を使う体勢をとっています。


 置いていかれたあなたは、大いに戸惑っていました。


「かわいい女の子を相手に戦わないといけないの?」

 はい。お相手は、女の子ではなく魔物です。倒さないと、あなたがやられてしまいます。


「やだなぁ……」

 あなたもしかたなく……といった感じで、前線に向かいました。レーダースライムさんとス・ライムマックスさんの二体をお相手に、大剣を振るいます。


「ああっ、もうっ!」


 しかし、あなたは太い魔法剣を振ろうとするのに精一杯で、攻撃はスライムさんに命中しません。


 対する敵さんは、意外に動きが俊敏です。


「きゃっ!」


 苦戦するあなたに、ス・ライムマックスさんが体当たりを決めました!


 草原に倒れたあなたへと、レーダースライムさんが体を低くして攻撃を加えます!

「ギャッ!」

 レーダーがあなたの大切なお股へとぶつけられました! けっこう痛そうです!


 体を起こしたレーダースライムさんのお顔は薄い青色でしたが、頬の部分を赤く染めます。あなたの素敵な魔力のお味を知ってしまったのでしょう。


 倒れたままのあなたへと、レーダースライムさんは無慈悲な追撃をしたりはしませんでした。その代わりに、彼女は姿勢を正して目をつぶり、頭のレーダーをくるくると回転し始めます。

「ギッギッギッギッ……」

 低い声を出すレーダースライムさんに共鳴するかのように、残りのレーダースライムさん達も低い声を出してレーダーを回しました。


 生存するレーダースライムさんは五体、ス・ライムマックスさんが四体。

 その全てのスライムさんが、一斉にあなたへと近づいて来るではありませんか!


「きゃああああああああっ!」

 あなたは劣勢です! めちゃくちゃにされています!


 スライムさん達全員に強く押されることで、あなたは魔力を奪われます。レーダーの金属質がお肌に当たって、ダメージも受けます。あなたを囲い込むスライムさん達の感触は粘着質で、ス・ライムマックスさんの柑橘系の匂いがすごい香っています。

 あなたから魔力を吸い取るのが最優先のスライムさん達は、ミニスカートが乱れて白い下着が見えてしまっても気にしないようです。


「待ってろリバー! すぐに助けるぞッ!」

 勇ましい女騎士スターリングさんのお声が聞こえました。


 あなたは視界を阻まれて見えませんが、スターリングさんがスライムさんのお腹に埋まった『核体』と呼ばれる立方体の核のすぐ横を剣で突き刺し、圧力でダメージを与えます。


 核体は魔力を成分とする、魔物の心臓部です。一定値以上のダメージを食らうと魔物は体が維持出来なくなり、消滅して核体だけが残ります。核体は魔物を討伐した証拠になり、有用な魔力の塊でもあるので、売買もされています。


 あなたが囮になっている間に、スターリングさんは手際良くスライムさんを倒していきました。なるべく核体を傷つけないよう、器用に攻撃を加えているみたいです。

 魔法剣士のミリーナさんも、スライムさんを魔法剣で確実に仕留めていきます。


 あれだけたくさんいたスライムさんの姿は、もうどこにもありません。あるのは、草原に転がった小さな核体だけ。――あなたの尊い犠牲により、スライム軍団が全滅しました!


「私、死んでないよ? でも、とにかく助かった……」


 あなたは痛みを我慢しながら立ち上がります。


「助けてくれてありがとうございます、スターリングさんにミリーナさん」

「ありがとうじゃないわよ。アナタが倒さなくちゃ、経験値が増えないでしょうが」

 ミリーナさんは呆れ顔です。

「えっ? 私、囮になったのに増えてないんですか?」

「当然じゃない、攻撃が全然当たってなかったし、スライムに押されていただけでしょう?」

「あー、そうですよね。これはキツい……」


 スライムさんを二体ぐらい倒していれば、レベルが2に上がっていたと思います。ほんの少しだけ戦闘経験値が入っていることをステータス画面でご確認出来ますが、それ以上に重要なのは、あなたの体力が残り三十パーセントを切っていることです。


「あれ? 私の体力って1じゃなかったっけ?」


 あなたの体力の1というのは異世界における基準値で、攻撃を一発受けたらやられてしまうわけではありません。レベル1と数値の1というのは、低いというのが分かるだけの目安にしかならないのです。


「それだと、レベルの設定って要らなくない?」


 それ以前に、あなたの場合はバス子の助言がありますので、いちいちステータス画面でレベルやステータスを確認する必要もないです。

「ステータス画面全否定だ!」


 低下した体力は、ポーションや回復魔法などで回復することをお勧めします。


「ポーションなんて持ってないし、回復魔法もまだ使えないよー……。というか、私、シーフだよね? 盗賊系でも回復技を覚えられるの?」


 ご心配は無用です。あなたの所属するパーティーには、グッティさんという回復役がいます。まさに聖女のような彼女は、青い癒しの魔法でスターリングさんを回復している最中でした。


 あなたもグッティさんに体力を回復してもらいましょう。

スライムって、昔からファンタジーでよく登場する定番モンスターですよね。レーダースライムとス・ライムマックス、あなたならどちらが好みですか?


今回もお読み頂き、ありがとうございます。

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