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第20話 お尻の下で収納が開く!

収納魔法を習得したリバーです。

 魔法で開いた異空間の出入り口は、魔法の色のダークブルーではなく、黒です。スカートの内側ですので、あなたにはその色が目視出来ないでしょう。


「何かがある感じは、少し分かるんだけど……」


 では、両手のダークブルーの魔力を消すように想像して下さい。ですが、太ももの後ろに集まっている魔力の感覚は、そのまま持続を意識して下さい。


「難しいなぁ……」


 あなたの両手の光が消えても、収納魔法は継続しています。


 お次は、あなたの重い魔法剣をご収納しましょう。持ち上げるよりも、しゃがんで、太ももの裏側を近づけたほうが楽だと思います。


 あなたはスカートの後ろ側をつまんで調整しつつ、魔法剣の上でしゃがみ込みました。


「……すごくカッコ悪い」


 魔法剣が磁石に吸い込まれるようにして魔法空間の中へと入ります。


 ついでに制服を脱いで、ご収納されますか? 体操着姿でいれば、いちいち収納魔法を使うたびにスカートをかぶせる必要がなくなります。


「まあ、寒くはないし、体操着でいたほうが動きやすいもんね。というか、剣よりもそっちを先にやるべきだったんじゃないの?」

 いいえ! 後だったからこそ、スカート包みをする素晴らしいあなたが眺められたのですっ!

「そこ、興奮しないで」

 はい。ですが、あなたはこれから制服を脱ぐので、興奮を抑えるのは困難でしょうね。

「この変態め」


 あなたはバス子に監視されながら、ブレザーを脱ぎ、胸元の青いリボンを外し、ブラウスとスカートも脱ぎます。両手を使い、まるで洗濯物のごとく黒い魔法空間に入れるご様子が魅力的でした。なお、中に入れさえすれば、物の重さは感じません。便利な魔法です。


 全ての収納が終わりましたら、収納魔法を閉じて下さい。閉じようと考えれば、両足を動かすかのように、自然に出来るかと思います。


「んー、これでいいのかな?」


 あなたは収納魔法を閉じてから、後ろを振り返ってご確認されました。収納魔法の円形異空間はありません。あるのは、あなたのハーフパンツのお尻側だけです。


「……あのさー、バス子さん。一つ質問いい?」

 はい、ご質問はなんなりとどうぞ。


「私、収納魔法を使う時に、バス子さんの言う通りにして、手を後ろに回したよね? だから、お尻の下に収納魔法の入り口が出来たんじゃない?」


 はい。あなたのおっしゃる通りです。


「なら、ミリーナさんみたいに正面のほうが絶対使い勝手が良かったと思うんだけど」


 そのことに関しては、正当な理由はあります。あなたのスカート包みが見たかったからです。

「実にくだらない理由だった! 今から発生場所を変えられないのっ?」


 いいえ。一度設定をしたら、スキル等がなければ、変更は不可です。

「重要な場所をスカート包みなんて私にはどうでもいい理由で決めちゃったのはさすがにひどい!」

 もちろんそれだけではありませんよ。それではバス子が変態みたいです。

「いや、変態じゃん」


 あなたとバス子との親和性を考えれば、バス子の角の位置に近い場所のほうが、容量を大きく取れます。あの大きな魔法剣を収納させられる大きさにしたのです。


「でも、後ろだと確認しづらいよね?」

 ご心配は要りません。ステータス画面で後方確認が出来ます。

「車のバックモニター的な?」

 はい。プラス、バス子のナビゲーションでどうにかなるのです。ディドゥ・ユー・アンダースタァンド・ザット?

「急に英語で言い始めちゃったよ」

 あなたはそれをご理解して頂けましたか?

「ご丁寧に翻訳どうも」


 さて、あなたの白い半袖は、首周りと裾がダークブルーに似た色合いの紺色です。あなたから見て半袖の右下にはメーカーズ・タグがついていますが、あなたは裾を紺色のハーフパンツの内側に入れているため、タグは見えません。その代わり、同一メーカーかつ高校指定のハーフパンツの左上に同じものがついていますので、問題はないのです。

「その不要な説明が問題じゃない?」


 制服を脱いだため、防御力は少し下がりましたが、素早さと攻撃力は大幅に上昇しました!


「動きやすい格好だから素早さはともかく、攻撃力は変わるわけないでしょ」

 いいえ、体操着姿の少女を好むバス子の心へのダメージが凄まじいですよ! 大好きな女の子の体操着姿で、バス子は大興奮っ!

「やっぱりバス子さんの好みっておかしい!」


 あなたの素敵な体操着の見た目は、まさに体育の授業を受ける模範的な女子高生そのものです!


「というか、異世界なのに体操着姿で戦うとしたら、全然華やかじゃないよね」

 ならば、ブルマに穿き替えますか?

「やだよ。精神力がガクンと下がりそう」


 深緑色のブルマでしたら、いつでも出せますので、ご必要でしたらお申しつけ下さい。

「そんなものを必要とする日はほぼ来ないよ。それにさ、上が紺なのに下が深緑だったら、色の統一感がなくて変だよね?」

 どうせ紺色の半袖は戦闘中に脱ぐのですから、変ではなくなります。

「それこそが変でしょ。なんで戦闘中に脱ぐの? 私まで変態にしたいの?」


 え? 戦闘中に攻撃を受けて脱がないのですか?


「脱いでどうするのっ?」


 バス子と周辺の皆様が喜びます。


「それだけのことでバス子さんは私がやられてほしいんだ、そうなんだー」

 あなたはお言葉に嫌味を含ませていました。


 あなたには、敵さんにやられてほしくはありません。

 ですが、やられた際のお声は、ぜひともお聞きしたいです。例えば、見た目が恐怖系魔物のゴブリンさんとの戦闘中、棍棒(こんぼう)で殴られてからのあなた、いやぁああああ! ご期待いたします!


「いやぁーの叫び声は殴られる前でしょ」


 そうですね。戦闘中にゴブリンさんに殴られる直前に、いやあぁっ! 殴らないでぇっ! と、あなたは叫んで下さい。ゴブリンさんも、もしかしたら同情心からあなたを見逃してくれるかもしれません。そうしたら、すかさず笑みを浮かべて、あなたは魔法剣で背後から殴るのです。さっそく不意打ちの練習をしましょう。


「剣を振るえなきゃ、不意打ちも出来ないよ。不意打ちは卑怯だからしたくないけど」


 それでこそ、勇者様です。


 背後から不意打ちをする勇者など、法律上は問題ありませんが、勇者としてのイメージはものすごく悪化しますからね。

「ネットがあったら炎上するよ」


 お次は、剣の素振りをしましょう。実戦ではゴブリンさんを華麗に何度も攻撃し、やられかけたゴブリンさんには、お願いやめてぇもう殴られたくないよ~っ! と叫ばせるのです!


「今はいいけど、戦闘中はかわいい声でそういうこと言わないでよね。ゴブリン倒せなくなっちゃう」


 ならば、不気味な声で言うのはどうでしょう? グエエェ~、とか。


「どう喋るにしても、ゴブリンの中身がバス子さんみたいに思えてくるから、それも却下で」


 分かりました。

体操着姿になったリバーでした。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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