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第19話 初めての収納魔法

魔法練習が始まるのです。

 それでは、ミリーナさんから離れたところで練習をしましょう。姿の見えないバス子とお話をしていることが知られたら、独り言の多い美少女だと誤解されてしまいます。


「ミリーナさん、あっちで練習して来ますね」

「一人で覚えようとするのね。良い心構えだわ」

「それは違うと思いますが、とにかく行って来ます」


 あなたは剣と教科書を持って移動します。オークション会場の周囲は、公園になっています。こちらの辺りで、おこないましょうか。


 ん、どうしました?


「私はさ、美少女じゃないし、ミリーナさんも私のこと、美少女だと誤解することはないと思うよ?」

 あなたは否定するものの、美少女かどうかは個人個人の好みで異なります。あなたは巨体で体つきが平坦でも、バス子にとっては美少女だと信じています。

「巨体で体つきが平坦って言われてる時点で美少女じゃないよなぁ……」


 さっそく、魔法の基礎を練習しましょう。


「ついに魔法かー。私でも使えるようになるのかな」

 もちろんでございます。あちらのベンチに座って、ミリーナさんからお借りした教科書を軽くご一読下さい。

「了解」


 あなたは剣を芝生に置いてからベンチに座り、教科書のページをめくり始めました。


 魔法や魔力、剣術、さらには豆知識のようなものまで記述があります。ミリーナさんは冒険者学校中等部をご卒業されているのでしょう。こちらの世界では、あなたの世界における中等部卒業の学歴の方が、大半を占めています。


「……けっこう読み込まれている印象だね。書き込みもしてあるし」

 ミリーナさんはまじめそうな方ですからね。それと恐らくは、あなたよりも年下でしょうか。

 彼女のご期待に応えられるよう、最初は収納魔法のご習得をお願いします。


「私はこっちの世界からすれば、異世界人になるよね。異世界人がこっちの世界の人向けの教科書通りにやれるのかな?」

 やれますよ。ですが、バス子がいれば教科書はご不要です。

「不要って言い切っちゃった!」

 そちらの教科書をベンチに置いて下さい。

「え? いいの?」

 はい。問題なしです。


 それでは、立ち上がって下さい。あなたには、魔力を扱って頂きます。

「うん」


 魔力とは、魔法などを行使するために必要となる力です。魔力はあなたの体内にも蓄積されています。また、空気中にも微量の魔力が漂っていますし、あなたのご購入した魔法剣のように魔力の含まれた塗装がなされているものもあります。

 それらの魔力を用いることで、魔法の行使を実現させるのです。


「で、私はどんなことをすればいいのかな?」


 簡単です。不思議な力のようなものが手にのっている感じを想像して下さい。後はバス子が上手く処理をします。どうぞ!


「……こんな感じ?」


 はい、お上手です。

 両手から、若干の光が出て来ました。

 あなたの魔力の色は、ダークブルーのようですね。


「私、ブラックリバースなのに、ダークブルーなの?」

 お名前がブラックリバースでも、魔法の色がご一緒とは限りません。


 そのダークブルーの魔力を、ご利用させて頂きますね。魔力を光らせたまま、左右の手を後ろに回して下さい。


「こう?」

 はい。そのままにしていて下さいね……。


 えいっ!


 完了!


 収納魔法の円形異空間が発生いたしました!

 あなたのスカートの中の、太ももを覆うハーフパンツの後ろ側です! バス子の角よりも上の部分ですね! いやらしい!


「めんどくさいところに出来ちゃったよ!」

次回はお尻のすぐ下に物を入れることになります。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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