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男子校に入学したはずなのに、禁断の状況になりつつある件

どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!

前回のあらすじ!

マンボウ先生に呼ばれて告白なの?って感じです!

冷静に考えるんだ俺よ。そもそも先生は週にたった4時間しか接点がないし、俺が男だってことはバレていないはずだ。そう、バレていないはずだ。


の割にはやたら告白チックな言い方だったなぁ。


そうこうしているうちに放課後になっていた。嫌だなぁ。ホームルームが終わり、職員室に行くと、先生はいつの間にか先回りしていた。


「1年生の佐藤カヅキです。一ノ瀬先生はいらっしゃいますか。」


「あ、きたきた。じゃ、じゃあ、ちょっと行きましょうか。」


何故だろう。手を繋げられて一瞬ドキッとするが、必死に冷静になる。


落ち着け、俺、落ち着くんだ。先生にはバレてない、バレてない。


数分歩いてから、学校の中でも今まで来たことの無い場所に来た。たしか、ここは「旧校舎」と呼ばれていて、1年生は使うことはまず無いらしい。


「つ、着きましたよ。」


教室のひとつの前でストップし、ドアを開ける。俺がなかに入ると、先生は自分も入って鍵を閉めた。


「あ、あの、先生?」


「こ、ここなら、話している内容とか外には聞こえないですからね。」


先生がそっと言う。やばい、ドキドキしてきた。


「あ、あのですね、実はどうしてもあなたに告げないといけないことがありまして……。」


え、告白!?告白なの!?


「実は、一学期の時点で、出席日数が足りないんです。」


……。


……え?


「あ、あ、えーっとですね?正確には、出席日数がかなり少なすぎるよって言う警告が付いてるんです……。ご、ごめんなさいっ!」


なんで先生が謝っているんだろう。俺の方が申し訳ない。


「え、えっと、足りないって言うのは、どういうことですか?」


「あ、あの、出席日数が最低限も決まっているのは知っていますよね?つまり、学校のある日から、最低限の日数を引くと、休める日数というのがでてきますよね……?」


「そのぐらいはなんとなく……。」


「ご、ごめんなさいっ!なのですが、佐藤さんは既にその3分の1以上を消費しちゃっているんです。ほ、本当にごめんなさいっ!」


「い、いえ、ごめんなさいっ!」


「あ、謝らないでください、こちらこそごめんなさいっ!」


いや、こちらにこそぜひ謝らせて欲しい。


というか、間違いなく告白だったなぁ。残念なことに罪の、しかも俺がやらかしたことについての告白だったけど。


「ち、ちなみに、出席日数が足りないとどうなるんですか?」


「りゅ、りゅ、留年ですっ!」


や、やばいじゃん。高一で留年かぁ。ちょっとしたくないなぁ。しかもサボりすぎは尚更だ。バレたらミンチにされるし妹にバカにされまくる。


「バレないように留年するって出来ますかねぇ。」


「む、無理だと思います、すみませんっ!」


いや、俺の方こそ本当に本当にすみません。


「あの、とりあえず、これから休まないようにすればいいんですね?」


「そ、そういうことです、ごめんなさいぃ。」


なんで俺がこんな目にあっているんだろう……。





マンションに帰ると、珍しくカオリが俺の分まで夕飯を作ってくれていた。何か心境が変化するようなことでもあったのだろうか。


「ん、この味噌汁美味いな。俺らは朝もご飯だし、朝飯にこれを付けてもいいんじゃないか?」


「そ、そんな、カヅキ、バカかお前は!まるでプロポーズか同棲を求められているみたいじゃないか!」


「いや、俺らは間違いなく同棲状態ではあるだろう。」


「うっ、それを今言うか。」


 今日のカオリは何かおかしい。今言うも何も元からそういう状況だし、そもそも普段ならこの時点ですでに俺の体の半分以上は骨が粉になっているだろう。


「お前今日なんかおかしいぞ。熱でもあるんじゃないか?片付けはやっておくから、早く寝ろよ。」


 俺が気を利かせて言うと、


「いや、違うんだ。アオイに続いてユウキも告ったと聞いて、焦っていて……。」


 カオリにとっては残念ながら俺は難聴系主人公ではない。アオイとユウキが告ったことと、それによりなぜかカオリが焦っていることは聞き取れている。


「いや、お前が何に焦るんだよ。お前が焦る必要ないだろ。」


「そ、それはほら、その……。」


 今回は言葉にできていなかったから聞き取れていない。だが、俺は鈍感系主人公的な人間でもないのだ。そこは気持ちを汲み取ってやる。


「もしかして、俺が二人に告られることによって、あの二人のどっちかと親密になったり、自分と疎遠になるのか心配してるのか?」


 そう聞くと、カオリは赤くなったのがわかりにくい日焼けした顔をうなずかせた。こいつが顔を赤くしているのがわかるのは俺ぐらいだろう。そういう意味ではかわいい幼馴染である。


「そんなわけないだろ。俺とお前はなんだかんだ言って、ずっと幼馴染だったんだから、これからもずっと幼馴染だろ!」


 カオリは、少しむっとしたような顔をしたが、すぐに機嫌を直したかのように、


「そうだなあ、お前が三十路こえても貰い手が付かなかったらうちがもらってやるよ!」


 と居丈高に言ってくれた。


「はぁ。どうでもいいけど、それふつう男女逆じゃない?」


 本当にどうでもいいけどさ。


「仕方ない。なら、お前がウチに言え。ついでに、婚前旅行としてどこかすごいところに連れていけ!」


 何それぇ。


「お前もしかして旅行に行きたくてそんな話を振ったんじゃないよな?」


「ば、ばっかお前、ウチが二人に出し抜かれたから、旅行を勝手に予約したとか、そういうカン違いじゃないよな?」


 文法はめちゃくちゃだし、全部自分で言っている。


「まあ、別にいいけどよ。幼馴染さんはどこに行きたいってんだ?」


 こいつのことだ。相変わらず変なところに行くつもりだろう。頼むから、少林寺とか、スラム街とかじゃなくていてくれよ?


「い、い、イタリア!」


「コロッセオならとっくに試合はしていないぞ?」


 まさか観光とかじゃあるまい。


「誰が試合なんてするんだよ!普通に観光だよ!」


 普通に……観光……だとっ!?


「心の声が顔に出ているんだよ!少しでも演技しろこの野郎!」


 30トンの握力が俺に襲い掛かる。俺がよけたせいで皿が一枚消えてしまったが、命に比べれば安い買い物だろう。


「てっきり俺は少林寺とかスラム街とかで武者修行か何かかとばっかり思っていたんだが……。」


「カヅキがそっちのがいいというなら協力するぞ。」


 ぜひ一生遠慮したい。


「い、いや、それより、行くのはいつ頃なんだ?勝手に予約したとは言っていたけど、たぶん時間割に余裕があるタイミングだよな?」


 なにより俺はこれ以上学校を休めない。休んだら留年からのミンチ、妹からの嘲笑が待っている。どちらもいと堪え難し。


「あのさあ、カヅキはうちのことなんだと思ってるの?こう見えても授業とかきちんと聞くタイプだぜ?」


「よかった。」


「だから、明日から半月!」


 こいつには誰か「タイプ」とか「だから」とかいう言葉を教えてやってほしい。報酬ははずもう。


「俺、実はかくかくしかじかで学校休めないんだけど。」


 今までの経緯などもかいつまんで説明し、いけないと伝える。


「カヅキ!」


 もしかして俺のピンチをきちんと理解してくれたのか?


「そんなの知らん!」


 そうなるのは知ってた!

ここまで読んでいただきありがとうございます!いかがでしたでしょうか!

いやはや、次回はイタリアに行くんでしょうかねえ。

最近読みたい本とか、新しい本とか出てお金が足りない……。

ぼくが印税で好きな本を買えるようになるために、皆さんたくさん読んで僕の本の書籍化を目指してくださいね!(他力本願)

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