男子校に入学したはずなのに、最強の敵が○○た件
どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!
ここで重要なお知らせがあります。
毎日投稿をやめようと思います。
理由は簡単で、ネタが最近ポンポン出て来なくなったからです。
でてきたら投稿する、時間に余裕ができたら投稿する、みたいな感じにしようかなと。
逆に、話題を動画が補ってくれるYouTubeとか始めることも考えていますので、その時はまたご連絡するかもです。
そして、そろそろ作中一年が終わりますが、そこでいったんこのシリーズは閉めようかなとも考えています。
その後は、本当に気分で更新、みたいな感じにしようかと。
長い前置きでしたが、ご理解のほどよろしくお願いします!
作者の都合と収録の関係で鎧ダムを引き裂かれて掴まれたまま約20日。放置プレイにしては少し過激な気もするが、この一年数々のしごきに耐えてきた俺にとって、これはもはや過激ではないだろう。
「では、これにてさらわせてもらうよ、ごきげんよう、皆の衆。」
場面状況の説明のためにモリアーティが同じセリフを繰り返してくれる。あんたも大変だな……なーんて言ってはいられない。このままじゃさらわれる。
が、ここで誰もが想定しえない事故が起きた。シオリさんがこれでもかとばかりに装甲を積んだ鎧ダム。その関節部分は最低限の摩擦で済むように油でそれはもうギットギトになっていた。さらには、さっきぐちゃぐちゃにしたゾンビたちのかけら。これはもう、よほど体幹がよくない限り足を滑らせるだろう。
そこに何の対策もせずに上ってきて、しまいには俺という重い荷物で重心がずれたモリアーティはどうなったか。
ツルッ!
「What!?」
母国語が出るぐらいモリアーティが動揺し、そのままこけて、奴の顔面が迫ってくる。それも、思いっきり俺の顔に向かって。
止まれモリアーティ!ボーイッシュ先輩は心がきちんと女性だし、そもそも恋に落ちてはいないが、男を相手にしてラブコメの鉄板、顔面ぶつけた拍子にキスなんてやってみろ。BL判定が付いて作品が止められちまう!
そんな俺の願いもむなしく、モリアーティの顔は無事俺の顔面の上に降ってきた。もちろんと言わんばかりに、マウスの上にはマウスが。
「!?!?!?」
モリアーティが目を白黒させて飛びのく。だ、だめだ。この、落ちてきたからだの感覚は間違いなく男子の物だ。クソッ……このままBL判定が付いて打ち切りになるのかっ……読者のみんな、今までありがとう……
……あれ?まだ終わっていない?まだ何かあるのか?うっすらと目を開けると、顔を真っ赤にしたモリアーティが俺たちの前にうずくまっていた。集中力が途切れたのか、いつの間にかゾンビたちの動きが止まっている。
「……き」
は?
モリアーティが何か言ったのが聞こえたが、聞き取れない。……が、ユミコが顔を真っ青にしているあたりろくなことにはならなそうだ。
「い、今なんて言った?」
カオリが顔を引きつらせている。
「だ、だから……。」
待て待てやめろモリアーティ。顔を赤らめるな。頬に手を当てるな。浮かされたような顔でこちらを見るな。
キスをしたから好きになる、みたいな小学生レベルのオチはいらんぞ。
「しゅ、しゅき……に、なっちゃったみたいなの……カヅキ君のこと……。」
はい一行でフラグ回収お疲れ撤収!……ってわけにもいかないけどさ。
シオリさんが俺のそばにごろごろごろ……と転がってやってきた。汚いですよ、いろいろ。
「要するに、偉人の才能を何十人、何百人分と持っているから、ショタ君の遺伝子の影響も大きかったみたい……だね。」
「ってことは、今のモーリーは恋する乙女、ってこと?」
やめてくださいヒカル先輩。どう見ても乙女ではない。
「あ、あの……このままだと、この作品、打ち切りになっちゃうんだよね?」
めちゃくちゃうるんだ上目遣いでモリアーティがこちらを見てくる。いや、仲間にはしたくないが、とりあえず頷いてみるか。
「なんか、うちらにとっては別の意味でろくでもないことが起こる予感がするんだが。」
アオイがユウキの肩を借りながら鎧ダムを上ってきた。
「あらたな恋敵出現の匂いがしますわぁ。」
いつの間にかレイナやフウリさん、ルナ、セレスさん、アヤカさんも集まってきていた。マキ先生は……。
「先生からなら伝言を預かっておりますよ。『ミミコのおなかがすいてしまったらしいのでお先に失礼します。』とのことです。お詫びと言ってショットガンを置いていきましたよ。」
とセレスさん。モリアーティに向かって使う気満々なのか、くるくる回している。
「大丈夫、打ち切りにはさせないから。」
モリアーティがそういうと、体の中からバキッ!という音が聞こえた。そのあとも筋肉が引きつったり関節が変な方向に曲がったりと、映像にしたら絶対グロ注意の絵面ができてきた。最後にいないいないばあをするときのように顔を隠し、顔の方からもバキバキ音を立てる。
「こんな感じで……大丈夫かな?」
モリアーティが顔をあげると……
「いや、誰だ貴女様っ!?じゅるっ。」
男には厳しいアヤカさんがバグったかのような言葉遣いをしたのもうなづける。そこには、可愛い系の絶世の美少女がいた。遺伝子の力を操って女子になったからBLじゃないってか。苦しすぎるだろ。
「いままで……迷惑かけちゃってごめんなさい。女の子になったから、これで許して……。」
めちゃくちゃかわいい顔を男子同士のような距離感で詰めてくる。
「う……まあ、仕方ないな。」
女子嫌いは比較的克服したとはいえ、いまだに距離感近い女子とかちょっと無理な俺が押されて頷く。
「旦那様、チョロすぎ。」
「その甘さを普段からワタクシたちにも分けていただきたいですわぁ!」
なんか周りからの視線が痛い気もするけど、気のせい気のせい。
「みんなも、意地悪しちゃってごめんね……。きちんとみんなにも謝るから……。」
みんなも、なんかかわいい物を見て萌えた、みたいな顔をして照れてる。なんか一件落着みたいだな。住んでたアパートは更地になったけど。
「あ、住むところ必要だよね?今作るね。」
そういってかわいくなったモリアーティちゃんは人差し指をくるんとすると、魔法か超能力かわからんが何かの力であっという間に元の場所に高層マンションを建てた。
その後も、いろいろ動いてくれて西園寺財閥がライバル会社を吸収したり、ユウキのRTXコレクションがワイナリーみたいな部屋を一杯にしていたり、アオイのバスケのためのボールが大量に届いたりといろいろな賠償をしっかりとしてきた。
「……対策立てまくった戦いがあっという間にくだらない理由で終わっちゃったな。」
カオリがぼやく。
「お姫様を起こすだけでなく、戦いを終えるのにもキスは使われるのね。」
ルナも白けてるし。
「さ、じゃあ各々帰るか。解散!」
俺が言うと、スパンッ!と手だけ実体化したユウリに頭を叩かれた。
「その前に何か言うことあるんじゃないか?忘れてたら殺すぞ、とお姉ちゃんは言ってるみたいです。」
にこやかにフウリさんが言ってくる。
「ん……、みんな、ありがとう。」
俺が顔を赤くしていると、カオリが、「それもそうだけど、一つだけ。」と付け足した。
「うちらがカヅキのこと好きなのは、遺伝子とか関係なく、カヅキがカヅキだからだ。いいな。」
……あれ?
その場が固まる。
シオリさんがアチャー、と言って額をパシンと叩いた。
「なあ、カオリ、いま、なんて……?」
「は……?あ……。」
バシュッ!
カオリが走り去る。
「ねえこれ、どうすればいいの?私の告白よりもっと大きな発表があったじゃん。」
モリアーティが戸惑う声だけが、混乱する俺の意識に遠く聞こえてきた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ちなみに、って感じですが、タイトルの○○には「オチ」が入るってオチです。
カヅキ君との恋にオチたわけですが、果たして彼女はエンディング(一年の最後)には間に合うのかッ!?