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【幕間】作者の不出来を代わりに謝罪する私は有能な妹キャラな件

どうも皆さんおはこんにちばんは!

そしてお久しぶりです!怪物mercuryです!

テストがあったり、ゆっくり実況に手を出してみようかと目移りしそうになったりしていて、大変お待たせいたしました!

今回はカヅキ君の妹、ユイちゃんの受験にまつわるちょっとしたエピソードです。

僕が高校受験するときも、これほどひどくはなかったですよ?とだけ……。

 ということで皆さま。ユイでございます。いい加減私を長く休んだ時のリハビリ要員にするのをやめてほしいなぁ、そんなことを考えている佐藤カヅキお姉様の妹です。


 今回は作者に代わって長らくヤツがさぼっていたことを深ーくお詫びします。ついでにおさびもします。これでわびさびそろったね。


 え?兄?そんなものは知りません。バカで残念な兄なんて私にはおりません。


「おいユイ、心の声が漏れているぞ。」


 これからの本文に出てくる予定のない兄の声なんて聞こえない、何も聞こえない。今日は私の日なんだから。


 本編では大変なことになっているみたいだけど、私受験生ですしおすし。でも、「会」の活動を維持するのもあって、両立がすごく大変。会費ならみんないくらでも払ってくれるから、大量の会費を運営してお洋服を買ったり、オフ会企画して企画倒れしたり、毎日いそがしい。


「ねえYよ、そろそろ受験勉強を始めた方がいいんじゃない?そろそろまずいと思うんだけど……。」


 口うるさいこれは私のネッ友であり会員のS。とても頭がいいけど、変態なのが玉に傷。いつもお姉様をぺろぺろする妄想をしてどうのこうのと……。


 まあいい。そんなこんなで、正月も終わり、受験が近くなってきた今、学校のみんなの会話に知らない単語が混じっていることに気が付いた。


「ねえ森ちゃん、早慶の過去問やった?」


「当然だよ!河ちゃんこそ、渋幕とか学芸の過去問まで総なめしてるんでしょ?」


「うんうん、やっぱり過去問やっておくと安心感あるからね。そろそろ最後にとっておいた常楚の去年の過去問もやろうかなぁって。」


 ちょっとちょっと。学校の名前直接出しちゃまずいでしょ……って、過去問って、何?


 こんな会話は(学校の難易度こそ人によってバラバラだが)あちらこちらで聞こえる。感覚的には、あれだ。夏休み明け初日に、みんなが自分の知らない宿題の話を始めたような感覚に近い。ちなみにうちのバカ兄貴は最終日前日にこれをやって、友人の力を借りて何とか乗り切ったらしい。


 Sが言っていたんだけど、それにしてもSったら、なんで兄にもお姉様にも詳しいんだろう?もしかして、私の後をつけている私のファンとか?なるほどそうか。私ってば名探偵~!


 ということで、その日家に帰ると、さぼるとミンチにされるので手洗いうがいだけしっかりやってから、いつものパソコンを立ち上げる。


「やほお、知恵箱」


 ここにはいつもいろんな答えをくれる人たちがいる。たまにSよりも返信が早い暇人がいるぐらいだ。ここなら誰かが教えてくれるだろう。


「えーっと……。『来月受験する受験生です。今日学校に行ってみたら、みんなが過去問というものについて話していました。初めて聞く単語ですが、高校の名前が出てきていることから、受験に関係する単語だというのはわかりました。皆様知っていますでしょうか。』」


 そして、この質問を投げてから10分、ケータイを開いてみると回答が付いていた。ついでになぜかいいねが大量についていた。


「なになに……『もう一年頑張りましょう、って意味です。』……?そんなもんなのかな。でもなんかみんなの感じだと違う気がするんだよな。仕方ないから、他の回答も待ってみるか。」


 などと言って、スマホをベッドに放り投げて、どうせすぐに解答が来るから漫画を読んでちょっと待つ。……で、気が付いたらほぼ夜になっていた。


「お、また回答が付いてる。なになに……

『過去問というのはすでに過ぎ去った問いの事。今のあなたが気にすることではない……。』

って、どういうこと?中二病の話?」


 その後も、「あきらめの境地」とか「受験生の必需品」とか微妙に重要なところを教えてくれない答えばかりが続いたので、諦めて今読んでいる漫画の続きを読むことにした。あとでSにでも聞けばいいか。




「はぁ……何もあんなに怒らなくても……。」


 読んでいた漫画に夢中になって、妖怪ミンチ女が夕飯を呼ぶ声に気が付かず、おかげでミンサーを持って追いかけまわされた。あれのせいで一度警察を呼ばれているのにもかかわらず、まだ懲りないらしい。


 さて、少し遅くなっちゃったけど、Sに電話するか。


 まだビデオ通話はしたことないけど、少なくとも声はめちゃくちゃかわいいお姉さんって感じの人だ。


『もしもし?お!Yじゃん!久しぶり!今受験生じゃなかった?おねーさんのことが恋しくなって電話かけて来ちゃったかなぁ?』


 そう、この気持ち悪い話し方をするのがSだ。私との電話中も、たまに電話の向こう側で「ロリロリうふふ。」とか言ってるし。


「そうじゃないよ。今日はSに聞きたいことがあったの。」


『あーなる。何を聞きたいんだい?スリーサイズ?下着のメーカー?あ、経験人数はゼロだよ?なんのって?いやあ、そりゃあもちろん……げへへへへ。』


「違うわ落ち着いてS。私が聞きたいのは、勉強に関してよ。」


『おぅおぅ、そちらでも何でもお聞きなさいな。なんせ私は世界レベルの科学者よん。』


 とか言ってるが、たぶん冗談だろう。初めてこの話を聞いたとき、Sから始まる20歳前後の女性科学者で、世界で戦える人を探してみたけどヒットしなかったし。


「はいはい、そうですね。」


『ほんとだって。私は、命狙われないように自分の情報をネットから消してるだけだって。』


 絶対漫画の読みすぎだ。そんなことしていたら日本最大の財閥、西園寺財閥から消されちゃうって。文字通り。


『それで?聞きたいことっていうのは?』


「あー、それなんだけど、学校でみんなが話してた、過去問って何かなぁって。受験に関することなのはわかったんだけど、ネットで聞いてもみんなきちんと答えてくれなくて。」


『ふぁっ……?』


 電話の向こうでSが凍り付くのがわかった。


「なんでかたまるの?」


『えっと、確認なんだけど、ユ……Yは、来年じゃなくて今年受験するんだよね?』


「そうだけど?」


『願書って知ってるよね?』


「バカにしてるの?受験生で願書知らないとか、そんな人間いる?」


『過去問知らなくてよくそのセリフを言えたね……。』


 なんだかとてもバカにされている気がするが、仕方がないからそのまま聞いていよう……。と思ったが、しばらく向こう側が凍り付いているみたいだ。


「ちょっとS大丈夫?」


『それこっちのセリフだって!え、えっと……マキちゃーん!』


 Sが誰かに大声で話声をあげるのと同時に電話を切られてしまった。いったい何だったんだろう。





 ヤバいヤバいヤバいヤバい。


 ショタ君の妹ちゃんだから、お勉強の方はそこまで得意じゃないんだろうとは思ってはいたけど、まさかここまでとは思わなかった。


 なに!?過去問という存在を知らない受験生なんているの!?兄妹で同じ女子校に通ったら絶対面白いと思って話し始めたユイちゃんだけど、正直これは驚いた。大して頭がいいわけでもないのに過去問にも手を付けずに突っ込むのはまずい。


「何ですかシオリさん。夜遅くに研究に付き合ってほしいとか言って、こんな地下研究施設にまで呼び出して、今度は。」


「マキちゃん先生、お願いがあるんだけど、常楚の校長とアポ取らせて!」


「校長先生は忙しい方ですよ。そんなにすぐには……。」


「いいから早く!」


「は、はい……!」


そういってマキちゃんにスマホを開かせる。


「も、もしもし校長先生!?夜分遅くに失礼いたします。田中シオリという元卒業生が、校長先生とどうしても話したいと……。え?校長最重要引き継ぎ事項?緊急案件?わ、わかりました。ええ。そばにいます。今代わりますね。」


 そう言ってスマホを差し出してきたマキちゃん先生からそれを受け取り、耳に当てる。


『これは、例の件の、『なんでも百個言うことを聞く』にカウントされるんですね。』


「そうじゃなきゃ電話しないですよ。」


『まったく、先代校長のせいであなたの言うことを聞くことになるとは……。』


「約束は約束ですから。今回のお願いは一つ。『今年の受験生、佐藤ユイを合格させること』です。」


『はいはい、わかりましたよ。あなたのような悪魔からの要求をそれだけで一つ消化できるなら安いもんです。』


「あともう一個、『お願いの数を回復』で。」


 その後、散々の悪態をついてくる電話を切って、ワードを立ち上げ、ユイちゃんのための合格通知書を作り始めた。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

シオリさんと先代校長の話は、いずれ書こうと思っている(傭兵団の時もそんな話が少し出ましたが)ボーイッシュ先輩の外伝で書こうと思っています!

その時はぜひよろしくお願いします!

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