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男子校に入学したはずなのに、最終決戦中のシリアスっぽいコメディな回想の件

どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!

段々とやらないといけないレポートが溜まってきています……

今回はカヅキ君の独白が半分ぐらいを占める、重要な(大嘘)回でございます!

 ヒカル先輩がやろうとしていたアレ……。


 アレは、とてつもなく危険な技だ。俺が知っている限り、完全に扱えるのは妖怪ミンチ女、すなわち俺の母親しかいない。


 俺が小さいころ、カオリが死ぬほどけんかっ早く、そしてそのけんかに勝ってしまっていたため、そのすぐそばにいる俺はちょっとした嫌がらせや暴力の対象になりやすかった。


 もちろんカオリも守ってはくれていたが、俺はそれでも自分も強くなりたかった。


「ねえお母さん。俺にも、それの使い方教えてよ。」


 まだ母親が比較的まともだと思っていたから、母親にミートミンサー殺法、ミンチ殺法の戦い方を聞いた。


 手動サイズの小さな奴から、大きな機械で動かす業務用のやつまで。そして、それらの嵐に相手をうまく巻き込むのがミンチ殺法だ。


 さすが息子というべきか、これも血の影響なのか、俺はかなりのペースでミンチ殺法を身につけていった。


 そしてある日、ついにミンチ殺法最終奥義を教えてもらえることになった。


 技名はドレス&ダンスwithミンチ。


 当時はかっこいいと思ったが、冷静に考えて単なる中二病でしかないことから、中二のころの妖怪ミンチ女が作ったことがうかがえる。


 母親のセーラー服姿の妄想とか誰も得しないので話を進めよう。


 ドレス&ダンスwithミンチは、自分自身は業務用ミートミンサーの中に入り、刃を避けながら、外にある無数の刃を操り、相手をミンチにするというもの。周囲に味方がいる時にはやっちゃいけない、というか相手をミンチにする時点でやっちゃいけない技だ。


 最初は一つの刃を操ることから始まる。ミートミンサーの中をぐるぐる回りながら、あやとりのようにひもでつながった刃を回す。


 妖怪ミンチ女はさすが考案者、俺とユイがすぐそばにいながら、かすめることすらなく2000に及ぶ刃を回して、15000の藁人形をミンチにした。俺とユイが一体当たり一時間とちょっとをかけて二年ほどで作った藁人形を。


「これぞほんとのわらわらわら。」


 などと言いながらミンチにしていたが、当然近づけなかった。


 そして俺の番。機械の中でくるくると刃を避ける練習は十分だ。


 ちなみに、これにわざわざ入る理由は、


「敵の攻撃もこの中に入ったらミンチになるでしょっていうのは建前で、真ん中でくるくる踊っていたらかっこいいでしょ。」


 とのこと。頭わるそっ!


 そして、この技を俺がやろうとしたとき、当然と言えば当然だが失敗した。


 刃を避けるところまでは、カオリの打撃を避けるために鍛えられていたこともあり、順調にできていたのだが、そのあと、外のミートミンサーにつながるひもを持ったところで問題が起きる。


 そのひもは、ユイがふざけて俺の足に結んでいたのだ。


 すっころび、慌てて空を切った手が他のひもを引っ張り……大惨事が起きた。四方八方に飛び散る業務用ミンサーの刃、笑い転げるユイ、怒り狂うミンチ女……。


 あれは、ミンチ女の血を引いている俺ですら血反吐を吐かされるような特訓のもとになんとか手をかけた技だ。いくら運動能力がすごいとはいえ、ヒカル先輩でも一週間で習得できるものではない。


 もしあの技でモリアーティを倒せたとしても、俺も、みんなも、ヒカル先輩自身もミンチになってしまうだろう。


 そして、一応はラブコメを名乗っているこの作品だ。そんな描写を出したら、作者にヒカル先輩は過去を消されてしまう。いや、作品ごと……!


 ……そこでふと気が付いた。ヒカル先輩は、最初からそれが目的なんじゃないか、と。


 ここですべてをスプラッタにし、作者に作品、すなわち世界を一からやり直させる。そこで、作者が今度こそそんな世界にしないようにやり直させる、そういうつもりなんですね!


 でも、その世界にはきっとヒカル先輩はいられない。そう、まるで堕天使ルシファーのように……!


「ダメだヒカル先輩!先輩にアレは無理だ!」


「じゃあ誰がやるの!」


「お、俺が……。」


「私がやるわ。」


 俺らの恒例行事、イベント中に他のヒロイン乱入、その中で、今まで比較的まともだった俺の親友が声を上げた。


「何でそうなる!ユウキは一度も、練習すらしたことないだろ!」


「あるわ。いつか、カヅキの役に立ちたいと思って、練習していたの。まさか、モリアーティに使うことになるとは思わなかったけどね。」


 ユウキの目には、うっすらと涙が光っている。


「ダメだよユウキちゃん!危険すぎる!そんなこと……!」


 ヒカル先輩がゆっくりと倒れる後ろから、ユミコがヒカル先輩を支えた。


「あとはお願い。」


 巨大な象とその背中のマキ先生に声をかける。


「私はもう卒業に十分な単位もとっているから、これで卒業にして。ユウキ、覚悟を決めて、行こう。」


「はい、お師匠様。」


 二人とも、本当にやる気なのかっ!


「だ、だめだ!」


 しかし、俺の制止も一切聞かず、二人はモリアーティのところまで進んでいく。まさか、どこかにすでにミンサーが仕掛けてあるのか!?なら、すぐにそれを回収しないといけない。


 でも、そうしたらモリアーティはどうやって止めよう。


「じゃあ、どっちからやる?」


「私からやります、お師匠様。」


 そういうと、ユウキは……!


「ねえ、モリアーティのおじさま!カヅキが可愛くてさらいたくなっちゃうのはわかるけど、それなら私たちと遊んでくださらない?」


「今なら西園寺財閥の超絶美人お嬢様もハッピーセット。」


 ……え?


 モリアーティですら、キョトンとしている。


「え、えっと、私だってかわいいし、お金ならカヅキの何倍でも持ってるわよ?」


 失礼な奴だな。


 ユウキとユミコが体をくねくねさせているけど、アレはしなを作っているつもりなのか?


 ユミコに至っては顔が無表情だから、怖いなんかの宗教のようにしか見えない。


「いかがいたしましょう。」


 セバスチャンがモリアーティの横まで歩いてくる。がれきの中で立ち尽くす超人たちとエヴァモドキと、体をくねくね動かす少女……。


 絵面がシュールすぎる。


 っていうか、モリアーティが俺を狙う原因って、絶対そこじゃないと思うんだけどな。セバスチャンならともかく。


「面白い、だが、不採用だ。」


 二人が吹き飛ばされてきたので、慌ててキャッチする。っていうか、さっきの俺のA4用紙1ページ半にも及ぶ独白は何のためにあったの?


 え?俺の黒歴史をさらすため?ちくしょうクソッタレめ!


 で、モリアーティの目的は!?


「カヅキ君、君は気が付かなかったのかね。」


「……何にだよ。」


「君の周りには、明らかに偉人が多すぎると。」


 まあ、確かにおかしいなーとは思っていたけどさ。作者のご都合主義なんて今に始まったことじゃないわけだし、そんなもんじゃなかったのかよ。


「君自身は、偉人でも何でもない、少し丈夫なだけの少年だった。」


「だった……?」


 アオイが首をかしげる。


「そう、君はあることによって、ある才能に目覚めたのだよ。」


「あること?ある才能……?」


「そうだ。それはね……。」


ここまで読んでいただきありがとうございます!

最近、平均睡眠時間が3時間ぐらいの楽しい生活を送っています。

映画とか見る余裕が欲しい……。

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