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男子校に入学したはずなのに、強敵との対決に向けた特訓な件:セレスとアヤカの場合

どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!

特訓編も今日で最終回です。いやぁ長かった。

最後に回されたのはたぶん他のところに言ったらキャラ濃いけど、ウチだと薄くなりがちな二人です!

 私たち影が薄いペアは、ただいま秋葉原なる街に来ていた。


「ねえ、なんで私たち影が薄いのかな?やっぱり、百合百合さが足りないのかな?」


 アヤカさんがそう言いながら私の腕にべったりくっついてくる。冬じゃなかったら氷漬けにしてやったのに。


「たぶん、私たちが登場したのがかなり遅いからじゃないですかね?」


「でも、それを言ったらフウリちゃんも私とほぼ同時期じゃん。」


「そりゃ、私たち属性少ないネタ枠はシリアス枠には勝てませんよ……。」


 それがこの世の摂理である。この話は小説家になろうには167話として投稿される予定だが、アヤカさんの初登場が60話、私は73話である。


 ほとんどキャラたちの関係性もヒロイン枠も決まっている中、私たちがあの空気に包まれたころは本当に心が痛かった。


 私の後も、フラグが立つフラグが立っていたのに、カヅキさんのクラスの委員長はそれをへし折ってどこかに消えたし、人狼ゲームにおいてもほぼ何もしゃべらずに完封されている。


「そこでだ。私たちの衣替えでカヅキちゅわんの心を掴んじゃおう作戦だ!」


 そう。私たちはそのために来た。私は別に特別彼に恋愛感情があるわけではないけど、元の世界の残念なのに比べたら、魅力的な男性だと思っている。アヤカさんは彼を女性だと思っている。


「どうでもいいですけど、どうやって落とすんですか?」


 彼には申し訳ないが、私たち王家には勇者の血が必要だ。そして、私は元の世界の女性を差別する輩とは意地でも結婚したくない。


 たとえ王家であっても、基本的には男性に仕えるのが義務。何より我慢できないのは、夜伽にメイドが同伴すること。


 勘弁してほしい。


 え?意味が分からない?ググレカス。


 そう。これもいい言葉だ。この世界は物を尋ねられた時、ググレカスという言葉を返すだけですべての説明になるらしい。


 わからないことができたとき、いちいち図書館に行って膨大な文献をあさったり、説教が趣味のイヤミったらしい大臣に聞かなくていい。


 おっと、本題からずれていた。


「そうねぇ、やっぱりカヅキちゅわんは普段からメイドは見慣れているから、こういうのとかどうだろ?」


 アヤカさんがドン・キホーテという超大型の百貨店で指したのは、ヒモだった。


「え?これって……。」


「いいかいセレスたん。これはビキニなんだ。ビキニに見えるだろ?こうやってぐるぐるぐーる。ほら、ビキニだ。」


「いえ、ヒモにしか見えません。」


「百見は一着に如かず!まずは着てみなよ!」


 そういって、あらかじめ伝えておいた服のサイズをもとに、勝手に奢られてしまった。


「おっと!偶然私のバ先が目の前に!」


 バ先って、バイト先って意味ですよね。読者の方々に伝わりにくい表現はやめてください。私も、手元に「今どき!JK語!123版」がなかったら伝わってませんでしたよ。


 なんでもこの本、月一で新しく出るらしい。もう月刊でよくないか?とも思ったが、ツイッターでつぶやいたら「おじさん臭いだろ」勢と「リア充はツイッターから去れ」勢によるプチ炎上が起きた。ツイッター怖い。


「さてさて、入って入って……!」


 いつの間にかメイド喫茶に押し込められ、奥へと連れていかれる。


「おいアヤカ!あんた今日出勤じゃないだろ?」


 後ろから、サングラスに紫髪という変な格好の人から声をかけられた。


「いやはや。これはこれは店長!偶然近くに寄ったから私の友達に……痛い!痛いって!人間雑巾は痛いって!」


 アヤカさんが目の前で物理的に絞られていく。体丸ごと。雰囲気でわかった。この人、超能力者か。


「フンフン。あんた、魔法使いだね。やりにくそうな匂いがプンプンする。着替えに使いたいのはいいけど、客の目に触れるなよ。それと、終わったら出ていくこと。」


「ら、らじゃー!」


 こうして私は本当に着させられることになった。


「あ、そうだ。そこの魔法少女。あんたは残っていきな。」


 えぇ……アヤカさんがおびえる相手のもとに……?


「そうだよ、雇用主だからね。悪いか?」


「「いえいえっ!滅相もございませんッ!」」


 こりゃ勝てない。西園寺ユミコちゃんならまだしも、この人には絶対に無理だとわかる。


「さあ、じゃあさっさと着替えて退散しますか!」


 ……こっちの問題も残ってた。本当にこれ着るの?





「できあがりー!」


「さ、さむいです……!」


 ただいま一月上旬。故郷の世界なら春の温かさがあったものの、こちらではそれはもうしっかり雪が降っている。


「ほらアヤカ!あんたは邪魔だ!さっさと出ていく!」


 アヤカさんは猫掴みされると、更衣室の端っこにあった、「焼却炉」と書いてあるところに放り込まれ、消えていった。


 中から暖かい空気が漏れてましたけど、さすがに焚いてない……ですよね?


「それで、あんた、魔法使いだろ。ほうほう。出身は異世界。あー、500番台の世界はやっぱり魔法に強いね。」


 この人は本当に何者なんだろう。


「あんたにわかるように言うなら超能力者。それも、たぶんこの世界では最強クラスのね。」


 すごいなぁー。


「それと、ユミコの母親だ。っていうか、あんたロクな訓練してないね。いいか、魔法の訓練は、あんたの故郷でやっているのは間違いなんだよ。」


 いろいろと情報がブルドーザーみたいにはいってくる上に、各情報がインパクトマシマシ。言い方を変えるなら二郎系ラーメンもびっくりだ。


 そのうえ、私の思考に重ねて発言よりも前に話しかけてくるせいで、一時視点が私なのに私のセリフがほとんどない。


「ほら、あんたはこっち。」


 ひものような、というかヒモしか身にまとっていない私を、この人は「燃えないゴミ」と書いてあるところを開けて叩き込んだ。


「寒い寒い冷たいー!」


 中にはキンキンに冷えた滑り台。炎系の魔法を使って少しでも体を温めるが、あたりが寒すぎて効果が全然ない。


「あんたら二人が落ちた底の穴の中に、ちょうどおあつらえ向きの式神を用意しておいたよ!」


 ドスンッ!


 という音とともに暗闇の底についた。魔法で明かりを照らすと、そこにはそれはそれは大きな人形のような奴がいた。


「……ちなみに、あんたらなら大丈夫だとは思うけど、なめてかかると死ぬから、気をつけな!」


 最近こういうのばかりな気がする。王女暮らしが唯一懐かしいのはこれなんですよね……。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

さてさて、500番台の世界って何でしょうね……。僕も知りたいです。

それにしても、百合メイドスケベのアヤカさんと、異世界魔法少女姫のセレスさん、どちらもキャラが濃いと思うんですけどねぇ……。やっぱり、他のメンツがヤバいからでしょうか……?

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