表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

166/173

【幕間】マキ先生の帰省でのんびり生活

どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!

今回はがっつり露骨にパロディの回です。

元ネタは「刃牙」シリーズですね。そろそろなろうさんに怒られそうな気もしますが、めげずに頑張ります。

 どうも読者の皆さん。お元気ですか?わたくし一ノ瀬マキは、ただいま都内の実家に帰省中でございます。


 なんでも、作者がネタが思いつかないとかで、私がのんびり帰省中の様子をお伝えし、作者がネタを思いつくまでの時間稼ぎをしてほしいとのことです。


 さて、都内の実家と言いましたが、23区じゃないです。それも、どちらかというと、田舎の方……というよりかなり田舎なところです。


 お父さんは普通の主夫、お母さんは普通のサラリーマンです。この状況だけ聞くと、普通の家庭に聞こえるでしょう。ですが、一つだけ問題があるんです。


 私の家は最寄りの家から道なき道をたどって2時間、草をかき分けて枝を打ちながら歩く必要があるため、なたを持って行くか、三年の西園寺さんみたいにヘリをチャーターする必要があります。


 なんなら県境にあるらしいです。山梨との。


 近くの道路まではグーグルマップに移りますが、家そのものは森に隠れていて見えないというからどうしようもないです。


 私が常楚に通っていたころはまだ都会と呼ばれるところに住んでいたらしいんだけど、急に田舎に住みたくなって、行きついたのが富士山の樹海みたいなところとのことです。


 これじゃ田舎っていうより山の中です。いや、実際そうです。


 まあ、私の愚痴なんて聞いていてもしかたないでしょうからここらへんでやめますけど。


「はあ、あと半分ってところですか……。」


 バス停から道路と垂直に歩き始めて一時間。ようやく、半分の道のりを示す川が見えてきました。


「ユウリがいたころは……こういう道もそこまで苦じゃなかったんですけどね……。」


 年齢とは本当に残酷です。


 そしてここからは猛獣に注意しないといけないです。今まで遭遇したのだと、オオカミ、イノシシ、クマなど。


「こういう時、山田さんならあっさり走破してしまいそうですね……。」


 思い出すのは隣のクラスの山田カオリさん。彼女は陸上部のエースで、わがクラスの問題児たちの一人ながら、陸上ではオリンピックで金メダル確実と言われる実力の持ち主。


 でも、最近はイジンがどうのとかで出場できないらしいです。スポーツ選手って難しいですね……。


 そうこうしているうちに、何とか無事に4分の3の道のりを終えました。だけど、本番はここから。


「さて、行きますよ……!」


 突然ですが、皆さんは蟲毒というものをご存じでしょうか?ここから先はそのツボの中に飛び込むのと同じくらいの覚悟をした方がいいらしいです。なんでも、皆が強い生き物ばかりなので強い生き物ばかりが力を純粋に競っているのだとか。そして、ここの主であるなぜか象が歩いて木が倒れた円よりも外に出ないんです。


 そもそもなぜこんなところに象がいるんでしょうね……。


「さて、気を引き締めていきましょう。」


 と、円の中に入ろうとしたとき、明らかにゴリラよりも大きいニホンザルがこちらを見ていることに気が付いた。


 なぜか彼らは円の外から一歩も出ないのに、待ち伏せはするんですよね……。


 とりあえず視線を外してもらうためにそのまま後ろに下がります。


 ブルルルルッ!


 こ……これはイノシシの声ですね。音の低さ的にかなり大型のオスってところでしょうか。たぶん、ぎりぎり円の中に入らない、そんなサイズかと思われます。


 もちろん、私のクラスの人たちのようなヤバい人たちを除けば人間に勝てる相手ではありません。


 前門の虎後門の狼ならぬ、前門の猿後門の猪ですね。


 正直今すぐにでも気絶したいところですが、最近じゃとんでもない事態に会ってばかりなので気絶すら気楽にできなくなりました。


 気楽にするものでもないですが。


 さて、普通ならここで襲われてジエンドなのですが、私はどうやらよほどの悪運の持ち主らしいです。


 パオーーーーンッ!!


 バサバサバサバサッ!


 主です。象である主が来てしまいました。この円の周りをひたすらぐるぐる回り続ける、普通のよりも三倍は大きな象です。気が付くと、イノシシもサルも逃げてしまっていました。そりゃそうです。誰だって、自分の命は惜しいですから。


 で、逃げようとしたときに気が付いたんです。


 腰が抜けて、いつの間にか座り込んでいたことに。


 つまり、俗にいうツンデルってやつですね。ノがあるのとないのとで大違いです。残念ながらこの場にあるのは象がここを食い散らかした証拠であると、ツンデレというカタカナにノを足したツンデルという状況だけですが。


 私は残念ながら匍匐前進をするだけの筋力もないですし、象という生き物はああ見えて気配に敏感です。


 お、おわった……。


 ごめんなさい、クラスの皆さん……。ごめんなさい、佐藤先生。ごめんなさい、ユウリ……。


 目を閉じて祈っている私を巨大象は捕まえて……。


 ……あれ?


 上に乗せてくれました。意外と紳士的。


「で、これからどこへ行くんですか……?」


 私を乗せて向かうのは私の家の方角。もしかして、私を人質に……!?


 プァォォオン。


 まるでアニメか漫画の中のように、「ないない」と鼻を振っています。横の耳も少し楽し気にパタパタしてますし。こうして、象は「蟲毒」の中をずんずん進んでいきました。


「おお、マキ、そろそろつくんじゃないかと思って、ミミコを行かせて正解だったな!」


 奥の方から、お父さんがかっぽう着姿でナタを振るいながら出てきました。うーん、普通の主夫でいてほしかった……。


「え、こ、このこお父さんの象なんですか?」


 初めて知りました。森の主と知り合いなんて。今までの帰省時には出てこなかったのに。


「違う違う!こいつが動物園から脱走して、山に逃げるのを手伝ってやったらさ。ウチの周りを巡回して、肉になる生物が外に出ないようにしてくれるようになって。」


 あの……そのせいでここら辺一帯が「蟲毒」なんて地元の人たちに呼ばれているって知ってます?


「はぁ……でも、今までなんで出てこなかったんですかね?」


「ん?そりゃあれだよ。おまえ、気が弱いから、ミミコを見ると気絶しちゃうだろうって、ミミコが隠れていてくれたんだよ。」


 うそ……私、こんな大きな生き物が隠れているのに気が付いていなかったんですか。


「でもおまえ、今年……いや、去年か。去年教師になってから、随分と強くなったなぁと思って、ミミコに言い聞かせたんだよ。今なら大丈夫だからって。」


 そうだったんですか……。


 私が頭のてっぺんをなでてあげると、ミミコはもっとバサバサと耳を動かしました。


 こうやって見るとかわいいけど……たしかに、怒っていたときのフウリさんよりも強大な迫力を感じます。この子は、もっと温かい感じですけど。


「たーー!だーー!いーー!まーーーーー!!!」


 元気そうな女の人の声が降ってきたので、あわてて頭を下げると、ミミコが鼻でグルンとやって女の人をキャッチしました。はい、そうです。隠しても無駄なので白状します。これが私のお母さんです。


「やっぱり会社においてある投石機のが威力は上ねぇ。キャッチはミミコにかなわないけど!」


 どうやら、出退勤ように投石機を使っているらしいですね。そう。この人も大概です。


「お帰りなさい、お母さん。私も、今帰ってきました。」


「あらあら、マキちゃんもミミコ怖がらないでいられるのね!」


 いや、正直めちゃくちゃ怖いですけど……。


「お父さんったら、『俺を食べてもおいしくないぞぉぅ!』とか言ってたのよ。寒いったらありゃしない。」


 ちなみに、大戦中に作られたロストテクノロジー的な地下施設に二人は住んでいます。先日は富嶽とかいう巨大爆撃機の設計図を見つけたとかではしゃいでいました。それ、大丈夫なのかな……。


 はるか上空を、ジェットではないなにかが飛んでいるのを見ていると、


「お、久しぶりだな。ここら辺は飛行機も飛ばないはずなのに。」


「そういうこともあるのよ。」


 などと二人が話していました。どこまでここ田舎なんだろう……。


 こうして、私は無事に帰省できましたとさ。めでたしめでたし。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

いかがでしたか?どこがパロディかわかりましたよね?そうです。サルと象ですね。ちなみにイノシシは普通のごっつい猪です。特に何かを意識したわけではありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ