男子校に入学したはずなのに、強敵との対決に向けた特訓な件:レイナの場合
どうも皆さんおはこんにちばんは!怪物mercuryです!
最近ネタが上手く出てこないのとリアルが忙しいのとでカツカツカツカレーです。
こんな寒いギャグいうぐらいにはSAN値がピンチなので突然失踪したらすみません。
ワタクシが、お姉様のおそばに居続けるにはどうすればいいか。たぶん、ワタクシがどんなに尽くそうと、お姉様はワタクシを選んでくださらない。そんな気がする。
ならば、ワタクシはお姉様に仕え続ければいい。あのセバスチャンみたいなのはちょっとアレだけど。
ということで、目下最大の課題、モリアーティを倒すために各々特訓を始めた。それが昨日の話。
「で、なんで俺なんだ?」
私には、諸事情に寄りお父様がたくさんいる。今は、以前に別れた人も含めれば300人にも上る。
そうなると、いろんなお父様が出てくるわけだが、その中でも、軍隊格闘技ができる、ロシアの軍隊所属のお父様にご教授いただくことにした。
「だって、私もか弱い女の子ですし、戦える必要がありますわぁ!」
モリアーティのことを話してしまうと、お父様軍が出撃するという世にもおかしな事態になりかねないから、言葉は濁させてもらう。初詣の時の出撃でケガをしたお父様もいらっしゃったし。
「まあ、この前みたいな危ないことがもう起こらないとも限らないからなぁ。」
そう言って、三日間、相手を本気で殺りに行く戦闘術を習った。
いや、作者とのお約束的に間違っても相手を殺したりしたらダメなんだけど……。
三日後、
「で、僕にも何か?」
今度は、遠い遠い祖先に偉人の血を少しだけ持っている、スーパーハッカーのお父様のところに来た。なんでも、この前深層ネット第7層でのハッキング勝負に打ち勝って数億の売り上げを出したとかで、ここ数日は休暇中とのことだ。
「今の時代は女子でもネットができないといけませんわぁ!」
僕にも、と言ったということはおそらくこの前のお父様との特訓を、衛星でもハッキングしてみていたのだろう。
「嘘はよくないな。おてんとうさまとカメラの前でしたことは誰かに見られていると思った方がいいよ。」
とまあ、モリアーティのことも十分に察知している様子だ。このお父様は正直言って少し苦手だが、お姉様のためにもお願いしてみる。
「す、すみませんでしたわぁ。でも、お父様方を危険にさらしたくないだけでしたのぉ。」
「それは知っている。高度なハッキングは心理戦と同じようなものだからね。でも、君は少し僕らのことを侮りすぎじゃないか?血がつながっているか否か、それがわからなくても、僕らは君の父親だよ?」
うっ……。それを言われると弱い。このお父様は、理系だからか正論で身を包んだような性格をしている。私のような感覚派と会わないタイプだ。
「えっと……それでも……その……ですわぁ……。」
私がしどろもどろになっていると、そのお父様はふっと笑い、
「まあ、娘の成長を見守るのも父親の役目か。何か危険があったら、レイカに言っちゃうからな?」
初登場のお母様の名前をしれっと出しつつ、お父様が釘を刺してくる。
「わ、わかりましたわぁ。」
こうしてハッキングも習うことになった。わたくしはお母様が魔性の偉人ではあるけれど、特別何かの能力に優れているわけじゃない。恐らく、偉人の血があまり多く受け継がれなかったのだろう。
「それと、君が気にしているであろう、偉人の才能だけれど、恐らく君はまだ自分の能力の方向性を決められていないだけだ、心配することはない。」
偉人の能力とは、オリジナルの偉人は生まれつき才能が決まっているが、偉人の子孫は自分で決められるらしい。ただし、その才能は偉人よりも劣るが。
そして、オリジナルと同じ方向性だとより伸びるらしい。でも、ワタクシは男が苦手ですし……。
「大丈夫だ。君の能力は君の決めたい方向でいいんだよ。」
そう言われると少し安心した。
「ところで、君はどんな大人になりたいんだい?」
お父様とのハッキング大戦の最中に、向かい合っている机からお父様が声をかけてくる。
「どんな大人になりたいかを決めることで、能力の延ばす方向性も決められるんじゃないか?」
むむむ……。また難しい質問を……。
「ワタクシはお姉様のおそばにいられればそれで幸せですわぁ。」
「それは、どういう立場としてだい?君がその人のそばでしたいことは何だい?」
お、おちつくのですわぁレイナ。これはお父様がハッキング勝負でワタクシに負けないように心にゆさぶりをかけているだけですのぉ。
「君に戦闘術を教えていた彼が言っていたよ。君は頑張り屋さんなぶん、少し危なっかしいところがある。父親として心配だと。僕も同じ思いだ。」
む……。そこまで言われて手が止まる。お父様もすでに手を止めていた。
「さて、君はどうしたい?」
お父様がこちらを向いて……
ターン!
Enterキーをはじいた。お父様お手製のウイルスがこちらにどんどん流れ込んでくる。この悪魔!鬼畜!人でなし!
「せ、せっかく人が真面目に答えようと考えていたところをぉ!」
「どんなに必死になっても時は止まってくれないものだ。動きながら考え続けながら、物事を進めていくのが人生だよ。」
そんなことを言いながらも、向かいの机越しにこちらを余裕の笑みで見てくるお父様に、一瞬キーボードクラッシャーになりかけたが、すぐに理性を取り戻す。
「なめんなですわぁ!」
バチバチバチバチ!
ちょうどシオリさんがいいアイデアを思いついたときのような速度でキーボードをたたく。特にたくさん使うEのボタンがはじけ飛んだ。
「お返しは、萌え萌えキュンですわぁ!」
ワタクシの作ったウイルス、萌え萌えキュン。送り込まれると同時にパソコンが勝手に開いて、そのまま回路をショートさせ、物理的に燃え出すシステム。
「これぞお姉様への愛の体現ですわぁ!」
机の反対側ではお父様のパソコンがバチンバチン音を立てながら炎上中だ。
「なあこれ、結構いいパソコンなんだけど!」
「お父様が先日数億稼いだ話は知ってますわぁ。」
「それなら、君にプレゼントするための自作パソコンにほとんど使ったけど、それもらってもいいの?」
「ダメですわぁ……。」
頭の中を新型パソコンが支配する。
「これこれ、えっと、この家の地下三階においてあるから、好きなタイミングで持って行きな。」
地下三階……?
確か、ウチは地下二階までしかなかったが、先日お母様が冷凍室を立てたと言っていた気がする。
もしかして、動かすのにそれだけの冷却が必要なのだろうか。怖いですわぁ。
「さあ、行っておいで。じゃないとそれも燃え燃えしちゃうぞ。」
お父様に変な形でせっつかれて地下へ行く。
地下には、かつてイギリスで王宮の警備をしていたお父様がいた。
「お、レイナ。入りなさい。」
少し日本語に慣れてきてはいるものの、英語を母語とする人特有のイントネーションがある話し方で中に入れてくれる。
中には、全面に空調と業務用クーラーがあるのにむわっと熱い空気が充填されていた。
「ここがコンピューターの本体だ。使うときはノートパソコンから優先で動かせるようにしてある。」
「ありがとうございますですわぁ。」
思わず出てきた言葉がそれだけだが、ちょっとこれはやりすぎではありませんのぉ……?
でも、お姉様に貢献できる気がしてきた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ちなみに僕は理系の学生ですが、パソコンについてはドの着く素人です。
ですので、そんなウイルスあるもんか、と思ってもほっといてくださいませ!