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堕天使たちの愛  作者: 瀬川弘毅
6/13

5 模擬戦

「ふざけんな。和泉と佐伯を呼び戻せ。こんな命令、到底承服できねえよ」

 能力者の二人を連行し、戻ってきた黒服の男たち。そこに走って追いついた岸田は、男らのうちの一人に食ってかかった。

「決まりは、決まりですから」

 淡々と言い、通り過ぎようとするスーツ姿の男。彼の肩を掴み、岸田はなおも粘ろうとした。待て、と呼び止めた彼の耳元に、冷たいものが突きつけられる。

「失礼ですが、これ以上の抵抗については命令違反扱いとさせていただきます」

 いつの間にか、別の男が背後に回り込んでいた。ピストルを抜き放ったかなりの早業に、岸田は内心舌を巻いていた。彼も射撃技術には自信を持っているが、黒服たちのそれは対人戦闘に特化したものだ。遠くの敵を狙い撃つのではなく、近距離での早打ちで勝負を決める。ここでやり合うのは分が悪いと判断し、岸田は腕を離した。

「それでいい」

 黒服たちは振り返ることもせず、足早に去っていった。一人が舌打ちをしたような気がした。

 部屋に戻ると、岩崎が不安そうな顔を向けてきた。一年ほど前から、彼女とは同棲している。一緒に暮らしているユグドラシルが実の娘のように思えて仕方がないのだが、そういう話をすると岩崎は途端に真っ赤になってしまう。もっとも、ゆくゆくは彼女と籍を入れようとは思っている。岩崎友美は、岸田が呪われた過去を乗り越え、初めて愛することができた女性だった。

「あの、和泉君たちは…?」

「何もできなかったよ」

 玄関で靴を脱ぎ、岸田は弱々しく言った。

「情けないよな。俺たちはあいつらに何度も助けられてきたのに、肝心な時に恩返しができないなんて」

 帰宅した彼に気づいて、ソファでごろごろしていたユグドラシルがぱっと笑顔になり、跳ね起きる。二年の歳月が過ぎて、ユグドラシルは肉体的にも精神的にも成長した。NEXTの管理下から抜け出して健康的な食生活を送れるようになり、背格好は森川や井上と同じくらいになった。岩崎に教えられて、勉強の方もだいぶ上達している。

「あっ、おじさん。おかえり!」

 彼女にはまだ、事件のことを知らせていない。屈託のない笑顔を見るのが、かえって辛かった。

「おう、ただいま」

 疲れた笑みを返すのが精一杯だった。

 一応、ユグドラシルも能力者に分類される存在である。けれども、彼女は身寄りがないため軍の施設に寝泊まりさせてもらっているだけで、軍に所属しているわけではない。討伐隊と行動を共にしていたこともあったが、その一員として作戦に参加したことはない。ゆえに、際どいところで処分を免れたのだった。

 もし彼女にまで神原たちの手が及ぶようなことがあれば、自分が何としてでも守る。岸田は人知れず、心に誓った。


「あーあ、何でこうなってしまうんやろ」

 自室のベッドに倒れ込み、森川綾音はやけくそ気味にぼやいた。討伐隊隊長の曽我部たちは軍上層部に猛烈な抗議を行っているが、神原たちの反応はほとんどないということだった。自分たちにできることの少なさを思い知らされ、自己嫌悪に陥りそうになる。

 戦闘訓練で使った迷彩服を脱ぎ、部屋着に着替える。もぞもぞとベッドの上で動きながら、森川はいなくなってしまった二人のことを考えていた。

 討伐隊で最初に出会い、時にぶつかり合い、時に互いを認め合って切磋琢磨した和泉蓮。彼とは随分長い付き合いになる。

 そして、彼女が密かに想いを寄せている佐伯雅也。二年の間で、少しでも距離を縮められただろうか。そうだと信じたかった。

「やっぱり、あの二人がおらんと第十八班は駄目やなあ。うちだけになってしまったやん」

 そう、先ほどからぽつりぽつりと紡がれている言葉は全て独り言である。ルームメイトでありかけがえのない親友の井上渚は、一週間ほど前から討伐隊を離れ、実家に帰っている。最近ではスパイダーの出現頻度もかなり落ちてきていて、少し余裕があった。そこで彼女は意を決し、一旦家に帰って過去と向き合うという選択をしたのである。

 かなり勇気を必要とする決断だったと思われるが、渚は何てことなさそうに言ってのけたのであった。

『逃げてばかりじゃ駄目だもんね』

 入隊したばかりの頃の彼女には虚弱そうな印象があったが、共に戦う中で大きく成長したように思う。父親との確執を乗り越えた蓮に触発されたのではないか、というのが森川の見解である。

 渚に今回の事件のことを伝えるべきかどうか、森川は迷っていた。向こうも向こうで、家族と色々なことを話し合ったりと大変な時期だろう。そんなときに、さらに心配をかけるようなことをしていいのか。

「…もうちょっと、待ってみよか」

 長文のメールを送信する決心はつかず、森川は携帯を机に置いた。代わりに、シャワーを浴びようとバスルームに向かう。熱い湯を全身に浴びれば、嫌なことも少しは忘れられる気がした。


 次の召集には、前回とは別の場所を指定された。と言っても、見える景色が大きく変化したわけではない。より大型の倉庫へ移されただけだ。

 この建物も、元はNEXTが管理していたものだった。

 中を見渡すと、怜奈がもう来ていることが分かった。壁際に立ち、無表情で携帯端末をいじっている。

「やあ」

 軽く声を掛けて、村上は彼女に駆け寄った。

「あっ、村上君。この間はありがとう」

 怜奈が顔を上げ、ぱっと笑顔になる。その眩しい表情を眺めながら、村上はいつ連絡先を交換しようかと算段を立てていた。召集が不定期らしい以上、万が一深刻な事態に陥った際に連絡を取り合える相手が必要だった。少なくとも、自分ではそれが彼女を求めている第一の理由だと思っていた。

 いきなりはまずい。やはり、帰り際がベストだろう。

 今度こそ忘れないようにしなくては、と自分を戒めたとき、例によって上方から靴音が聞こえた。倉庫の二階部分、細い通路を歩いてエドワードが登場し、一階の能力者たちを見下ろす。

「よし、全員揃っているな。素晴らしい」

 満足したように何度も頷き、彼は言った。

「今日集まってもらったのは、君たちの適性検査を行うためだ。諸君らの能力がどのようなもので、また各人が今の段階で、それをどの程度駆使できているかをテストしたい。検査の結果に応じて、君たちを作戦のためのチームに振り分ける」

「その適性検査というのは、具体的にどういうことをするんですか」

 一人が遠慮がちに挙手し、質問した。よくぞ聞いてくれました、とばかりにエドワードは笑みを浮かべた。

「君たちには二人一組のペアになり、模擬戦を行ってもらう」

 模擬戦という単語が、やけに物々しい響きを伴って村上の脳裏に焼き付いた。これまでは気ままに自身の能力を使って楽しんできただけだったが、今後は戦いにそれを活かせということか。

「ルールは簡単だ。相手が降参するか、もしくは戦闘不能になるまで戦いを続ける。ただし、重度の怪我を負わせることは禁止だ。勝敗が決したのが明らかであれば、攻撃を寸止めすること」

 前回よりも広い倉庫を召集場所に選んだのも、模擬戦の実施が理由だろう。狭い場所では戦いづらい。幸いと言うべきか、ここには総勢二十名弱の能力者たちが争うのに十分なスペースが確保されていた。木箱やドラム缶のような障害物も少ない。

「…では、今から五分待とう。その間に、対戦相手を決めなさい」

 エドワードは腕時計に視線を落とし、そう告げた。彼の合図で、能力者たちが一斉に動き始める。

 何とはなしに、村上は怜奈を見た。怜奈もまた、こちらに視線を向けていた。

「俺は」

 躊躇いがちに口を開き、僅かに目を伏せる。

「できれば、君とは戦いたくない。君を傷つけたくはない」

 客観的に見れば、無責任な発言ともとれるかもしれない。では、他の誰かに彼女が傷つけられてもいいのか、という反論が予想される。しかし、それが彼の嘘のない気持ちだった。

「私も、同じこと考えてた」

 何故だかちょっぴり恥ずかしそうに、怜奈も言った。それから真剣な表情になり、声をひそめて付け加えた。

「でも、こうも思わない?適当に手を抜いて二人で戦えば、模擬戦で怪我をする危険は避けられる」

 村上も、それについては考えていた。エドワードは「重度の怪我」を負わせることは禁じているが、つまり軽傷ならば許容するということだ。彼の立案した襲撃計画を実行に移す際、支障が出ない程度の怪我は問題ないのだろう。そして、「軽傷」の定義はきわめて曖昧である。もし、例えば失明のような致命的な結果になる可能性があるのだとしたら、なるべくリスクを冒さない選択をすべきだ。

 けれども、村上はあえて茨の道を選ぶことにした。危険を覚悟しなければ得られない物があると知っていたからだ。

「いや、やめておこう」

「どうして?」

 怪訝な顔をした怜奈に、村上は小声で説明した。エドワードに聞こえないよう、細心の注意を払う。

「単に怪我をせずに戦えれば良い、という話でもないんだ。この模擬戦は俺たちの適性検査も兼ねている。本気を出さずに戦っているのをエドワードが見破れば、俺たちの評価が低くなることは避けられない」

「でも、私にはそれで特に問題ないと思えるな。多少テストの結果が悪かったとしても、チームには振り分けてもらえるんでしょう?」

 なおも納得していない様子の彼女に、根気強く説明を続ける。

「確かに、チームには振り分けてもらえるかもしれない。でも、そういう部隊は役割ごとにいくつかの小隊に分かれているのが普通だ。これはあくまで俺の推測なんだが、模擬戦で上位の成功を収めた能力者は実行部隊に、そうでない者は後方支援に回されるんじゃないだろうか。そして、前者の方が後者よりも貰える報酬も大きい」

「村上君は、作戦に参加して活躍したいって思ってるの?」

 ゆっくりとした口ぶりから察するに、怜奈はまだ覚悟を固めていないようだった。無理もない、と村上は思う。

「正直なところ、俺も少しだけ迷ってはいる。報酬に心惹かれてるのは本当だよ。でも、俺たちはエドワードに利用されているだけのような気もして…」

 そこまで話したところで、村上は不意に肩を叩かれた。振り向くと、ひょろりと背の高い男がこちらを見て、にこにこと笑っていた。赤いシャツを着た彼には、どこかで会った覚えがあった。

「おたく、まだ対戦相手決まってないの?だったらさ、俺とやろうよ」

 どこか相手に媚びるような話し方で、思い出した。確か以前の集会で、エドワードに口答えをして脅された男だ。名前は新田だったか。

 怜奈以外の相手を探そう、と考えていた矢先での登場である。タイミングが良いといえば良いが、突然のことに村上は返事をするのを一瞬躊躇ってしまった。

「それとも、そこのお嬢さんにしようかな」

 反応の鈍い彼に愛想を尽かしたのか、新田は卑しい視線を怜奈に向けた。緊張した面持ちになった彼女を見て、今度は村上が新田の肩を叩いた。自分でも上手く説明できないが、この男と怜奈を戦わせるのには強い抵抗があったのだ。

「よし、俺とやろう」

「決まりだな」

 新田はにやりと笑い、村上へと視線を戻した。他の能力者が陣取っていない空きスペースを探して、二人は歩き去っていく。

 感謝の込められた眼差しを怜奈が背中に投げかけていたことに、村上は気づいていただろうか。


「各自で開始してくれたまえ」

 約束の五分が経ち、エドワードは二階から模擬戦開始の号令をかけた。間隔を空けて対峙した二人は、相手を見やった。

「そういえば、まだちゃんと名乗っていなかったっけ」

 シャツの袖をまくりながら、思い出したように新田が言う。

「俺は新田恭一郎。よろしく頼む」

「村上蒼真だ」

 最低限のやり取りを交わしてから、両者は戦闘態勢へ入った。

「『能力解放』!」

 ほとんど同時にコマンドを叫び、異能を発動させる。彼ら二人を中心として同心円状に衝撃波が飛び、白煙が立ち込めた。

 風が煙を吹き飛ばし、能力者たちは互いの変身した姿を目にすることとなった。

 と言っても、村上の方には目立った外見の変化はない。筋肉量が全体に増加して体格が良くなってはいるが、第一世代のような獣を思わせる特徴は生じていなかった。エドワードの開発したサード・ジェネレーションは、限りなく人間に近い姿の獣人形態へ変化する。一般人の中に巧みに溶け込み、任務遂行を容易にする狙いがそれにはあった。彼は最初から、能力者をテロを起こすための道具としてしか見ていなかったのである。

 もちろん、エドワードの思惑を彼らは知らない。ただ目の前の試練に立ち向かうだけだ。

 新田が遂げた変化は、村上のものとは異なっていた。上半身はそのままで、下半身、特に脚部の筋肉が異常なほど発達している。フットワークも軽く二、三回足踏みをしてみせてから、新田は自信ありげにこちらを見た。

「俺の能力はバッタに由来する。悪いが、蹴りの何発かは決めさせてもらうぜ」

「当たるといいけどな」

 宣戦布告をあっさりと受け流し、村上は構えを取った。同時に、この戦いをどう切り抜けるか冷静に策をめぐらせてもいた。

 バッタの能力を持つということは、脚力だけでなく跳躍力も半端ではないだろう。ただ単に接近戦を挑んでは、自分に不利な展開になるのは自明だった。村上の異能は、あまり近接戦闘に適したものではない。というより、陸上では効果を発揮しづらいのだ。

 残念なことに、模擬戦の場所はこの倉庫内と定められている。外へ逃げ出して水辺に誘い込むような真似はできなかった。

 はたして、挑発に乗った新田は真っ直ぐに突っ込んできた。床を軽く蹴って跳び、空中で体を捻って回し蹴りを繰り出す。体を反らしてそれを躱すと、村上は後ろへ飛び退いた。新田のスニーカーが風を切り裂く、鋭い音が聞こえた。やはり彼のキック力は相当高い。一発でも受ければ、勝敗が決してしまうかもしれない。

 そうなる前に、何とか状況を打開しなければならないのだ。

 一旦着地するかと思われたが、バッタの能力者は木箱を踏み台にして再度跳躍した。今度は、真正面へ右足を突き出すシンプルなキック。村上は床を転がり、辛うじて回避した。

 新田は攻撃の手を緩めない。素早く体を起こした村上へ、彼は地に足を触れさせることなく追撃を放った。倉庫が小さく震えるほど強い力で壁を蹴り、勢いよく跳ぶ。両足を揃えた渾身のドロップキックが、村上へと迫った。

 新田の戦闘スタイルには、全くと言っていいほど隙がない。ジャンプを繰り返し、予測不可能な方向から次々と蹴りを放ってくる。その威力も絶大で、「あるいは第二世代のペガサスに匹敵する力ではないか」というのがエドワードの所見だった。

 これまでのところ、村上は防戦一方だ。多彩な攻撃を繰り出す新田に対し、手も足も出ていないように見えた。しかし、彼はあるチャンスを狙っていたのだ。

「ちょこまかと逃げやがって。だが、これで終わりだ」

 勝ち誇った笑い声を上げ、新田がドロップキックを放つ。対して村上は一瞬だけ視線を背後へ向け、何を思ったかそちらへ身を投げ出した。

「無駄だ!」

 宙で僅かに体の向きを変えることで、新田は攻撃方向を転じた。今度こそ、必殺の蹴りが村上の眼前へと迫る。

 間一髪のところで、村上はさっと体を伏せて屈みこんだ。次の瞬間、バッタの能力者のキックが頭上を通り過ぎる。

 新田の異能は、主に屋内での戦闘を想定して設計されている。狭い空間を自在に跳び回り、敵を翻弄することに長けた力だ。この点で、彼はペガサスと真逆の特質をそなえている。事実、ペガサスは建物内での戦闘はやや不得手としており、澤田と松木のタッグに敗北したこともあった。

 けれども、彼の方が新田より優れていた点もある。すなわち翼による姿勢制御、及び推進力の付与である。そして、推進力を増すことができるということは、減じることも可能だということだ。

 勢いを殺し切れずに、新田の繰り出した両足の先が倉庫の壁にヒットする。壁面を蛇のように這うパイプ状のものを突き破ってしまい、新田は僅かに顔をしかめた。今この瞬間、自分は大きな隙を見せていることになる。

(早く間合いを取らなければ)

 焦って足をパイプから引き抜いた直後、破損した管から水流が迸った。飛び散る水飛沫が目に入り、バッタの能力者はよろめきながら後ずさった。

 目をこすり、視界を確保し、新田はようやく状況を理解した。自分が蹴り破ってしまったのは水道管だったのだ。村上が突然妙な方向に体を投げ出そうとしたのは、新田の攻撃を意図的にそちらへ誘導するためだった。

(…だが、何故そんなことをした?時間稼ぎのつもりか?)

 疑問への答えは、すぐにもたらされた。

 水道管の破裂によって、辺り一面に水が飛び散った。その濡れた床の上を、村上が華麗に滑走する。前傾姿勢になり、スピードスケートの要領で一気に距離を詰めてくる。

 まともにやり合っても勝ち目がないことは、分かり切っていた。新田のキックを水道管に当てさせ、自身の能力を最大限に発揮できる状況をつくり出す。それが、村上の導いた勝利の方程式だった。

 目にも止まらぬ速さで、アメンボの能力者がバッタの能力者の懐へ潜り込む。村上は右拳を固く握り締め、軽く腕を引いてから一気に前へ突き出した。左の頬にストレートパンチを叩き込まれ、新田の体が大きく吹き飛ぶ。床に体を打ちつけ、彼は力なく倒れた。既に勝敗は決していた。

「おたく、水生動物の能力を持ってたのか」

 体を横たえたまま、弱々しい声で新田が問うた。

「まあ、そういうことだ」

 腕を下ろし、呼吸を整えながら村上が応じる。

「自分の握っているカードは、極力相手に見せない。喧嘩の基本だ」

 夜の街を歩いていると、怪しげな男たちに絡まれることもたまにある。そういうとき、仮にナイフを持ち合わせていたとしよう。最初から武器を取り出せば、当然相手は警戒する。丸腰だと侮り、向かってきたところで取り出すのが最も効果的だと、村上は経験から学んでいた。さすがに流血沙汰に及んだことはなく、あくまで脅しに留めたが。

 悔しそうに呻く新田をよそに、村上は変身を解除し、白い煙の中を通り抜けて歩き去った。ひとまず模擬戦で一勝を挙げることができたのは、まずまずの成果だった。



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