第三章
~第3章~
第二十三話
~記憶喪失!?~
翌朝。
窓から差し込むまぶしい日差しに目がやられて←
私は目を覚ました。
ふぁあ。
あくびをしながら目覚まし時計(電子)を見ると、八月十二日 6:02と表示されている。
八月・・八月!?
私は、昨日のことを思い返してみる。
・・・・?
モヤがかかったようになって、全く何も思い出せない。
私が覚えている最新の記憶は、美乃里とプールに行ったことぐらいだ。
そのときの日にちは、八月七日。
・・・絶対に何かがおかしい。
部屋を見回す。
私が通っている中学の制服がなく、見知らぬ制服が掛かっている。
通学鞄も同じくだった。
しかも、カレンダーを見る。
来年かかっているはずのカレンダーになっている。
そして、覚えている日付から何日間か飛んでいる。
ここから推測できることは二つ。
①私は来年の八月十二日にタイムスリップした。
②私はなんらかが原因で約1年分の記憶がなくなった。
①のほうは、現実味がないから除外。
そうすると、1年分の記憶を失ったことになる。
今日、高校に行けばわかるか。
いきたかった高校の制服であることを確認し、準備をして家を出、高校に向かう。
すると、朝、美乃里に声をかけられた。
美「おっはよー!結菜!」
私はそんな美乃里を人目につかなさそうな場所に連れて行き、今年が、何年か確認してから説明を始めた。
・・・説明中・・・
美「嘘・・・!」
美乃里もショックを受けたようだったが、やがて諦めたようにため息をつき、他の私を知っているらしい人達に説明をしてくれた。
みんな、変わらずショックを受けた表情をした。
・・・でも、そんな傷ついた顔をされても、美乃里と遊君しかわからないんだよ。
特に傷ついているような印象を受けたひとが二人いた。
春川 梓君、橘 蓮人君だ。
名前は本人から聞いた。
二人ともきいたとたん、見ているこっちが痛々しくなるほど哀しそうな顔をした。
私は、二人の大事な人だったのかな。
だけど。
わからないの。誰が誰だか。
はぁ。
もう、何も考えたくないな。
先生にも、同じように説明をして、勉強を教えてもらうことになった。
記憶なくなるわみんなに哀しそうな顔で同情されるわで、とても憂鬱な一日になってしまった。