チュートリアル
暗転、覚醒。
目を開けたらそこは、大きな時計塔の前にある巨大広場だった。
「おぉ~。」
恐らくこの広場が第一層のリスポーン地点になっているのだろう。このまま待ってたらたぶんチュートリアルとかあるだ『ポーン』ろう。
『メッセージが届きました。』
メッセージメッセージ・・・この視界の左下端にある封筒マークか。どれどれ?
『From:フィルフェ
運営のプレイヤーサポート専用AI、フィルフェと申しま
す。ようこそ、HUEへ。
ツバキ 様は、チュートリアルを利用しますか?
YES or NO 』
チュートリアルきた。このYESを押せばいいのかな?
ポチッ
『では、チュートリアルルームに移動します。』
青い光が一瞬瞬き、ローマのコロシアムのようなところにいつの間にか居た。ここでチュートリアルやるみたいだな。
『これからチュートリアルを開始します。まず視界左下端のホームボタンをタップしてください。』
封筒マークの上か。ポチッとな。
『装備フィギュアとステータスが表示されたウインドウが出ます。そのウインドウの上側にあるタグは左から今表示されている装備・ステータス画面、インベントリ、設定、ログアウトボタンと別れています。それぞれタップすれば開けます。』
インベントリ、設定、ログアウトボタンっと。りょーかい。
『インベントリを開いて、装備を装着してください。装備をタップすると〈詳細〉〈装着〉〈廃棄〉が表示されるので、〈装着〉をタップすれば装着できます。
あなたは槍術、短剣術、弓術の技能をとっているので、〈初心者の槍〉〈初心者の短剣〉〈初心者の弓〉〈初心者の矢〉×30と初心者シリーズの装備一式を贈呈します。
まず初心者の槍と初心者シリーズを装備してください。』
言われた通りに操作すると、革と布でできた鎧?と、木丸出しの茶色い柄の先にちょこっと鉄らしきものでできた正直ショボい装備が現れた。
『技能については、ステータス画面に表示されている技能を長押しすると詳細が出ます。』
長押しか、えーと、
〈槍術〉Lv1
槍を使った攻撃の与ダメージを少し増加
〈短剣術〉Lv1
短剣を使った攻撃の与ダメージを少し増加
〈弓術〉Lv1
弓を使った攻撃の与ダメージを少し増加
〈強化魔術〉Lv1
魔力20消費して筋力、耐久、敏捷を30秒間2倍する。
リキャストタイムなし
〈自動回復〉Lv1
一秒に魔力10消費して生命50回復する
〈索敵〉Lv1
半径200メートルのモンスター及びプレイヤーを察知できる。
一般プレイヤーは緑色、ギルドメンバーは水色、PKプレイヤーは橙色、一般モンスターは桃色、ネームドは赤色、階層ボスは紫色で表示される。
技能Lv差3以上の隠密を発動中のモンスター及びプレイヤーには効果が薄い。
〈隠密〉Lv1
モンスター及びプレイヤーに察知されにくくなり、Lv差3以下の索敵の効果を薄れさせる。
おぉ、完全にソロ用技能だな。あってた。
『では、戦闘チュートリアルに移行します。動かない〈ダーティゴブリン〉を出します。このモンスターを倒すのに慣れたらウインドウの〈OK〉を押してください。』
緑色のダーティゴブリンを10体くらい突いたり払ったり殴ったりして倒してOKを押す。
『では、次は動くダーティゴブリンを出します。他にもダーティウルフやダーティキャット、ダーティオーガが用意されていますので、変更したかったらおっしゃってください。終了するにはチュートリアル終了と言えば、先程の場所に戻ります。』
こんどは出てきたダーティゴブリンは動いた。汚い叫び声を上げて、手に持った棍棒を振り回しながら走ってくるダーティゴブリンの心臓を一突き。青いポリゴンになって消えた。動かないゴブリンを相手してるときに気づいたんだが、どうやら心臓を貫いたり、首をはねたり頭を潰す、つまりリアルの動物や人のやられたら死ぬことをやれば、一撃で生命を削りきれるようだ。そしてそれは恐らくプレイヤーにも適用されるはず。うーむ、一撃全損はきついなぁ。
「チュートリアル終了。」
『了解しました。チュートリアルを終了いたします。第一層都市時計塔広場に戻ります。』