tame 21 査定の視線(まなざし)
※ニア視点に戻ります
さらに数日経ってようやく落ち着いたのでカトルさんのギルドがある街をティア、ロボと訪れる。
…場所の名前は『メルカトール』、数多の冒険者、転移者が集い、それの人たちを狙って商売する人間も職人もかなりの数が集まっている……ように見える、しっかり石で舗装された道、家も二階がある家など結構近代寄りにも見える、そんな中を歩いて目指す場所は……『ギルド総本部』、事前に得た知識だと冒険者ギルド、商業ギルド、クラフターズギルドの3種、この街では3種のギルドの本部が一か所になって存在してるらしい、そのギルド全体の本部長、および冒険者ギルド長が抑止力NPCであるカトルさんだという。
「これが人の『交易拠点』って奴なんすねボス」
「だな……」
「おっきいですねぇ……」
全員で風景に圧倒されながら、ギルドを目指す、陰ながら聞こえるのは聞こえるのは
「あいつもしかして最近有名な?」
「だろ?何しに来たんだ?」
っていうものすっごい奇異なもの見ている目を向けられている、何もされなきゃいいけど……
※※※※
ギルド前に着いたが、外観からしてもはや城とか『コロシアム』に見える。一応大きさを考慮してロボにはスキル:マスコットをかけて本来の大きさからシベリアンハスキーの赤ちゃん位の大きさになってもらって俺の腕の中にいてもらう。
ギギギギギィ……
大きめの扉を開けるとさらに圧倒される。
見渡す限りの人ヒトひと……イベント会場みたいに人がごった返しになっている。一つ一つがパーティー募集の声、受けた依頼について説明する声、装備に関する声……冒険者ギルド受付近くのせいか商業、製作については一切聞こえない……この中で受付からカトルさんを探す
「ノエル!一番受付、リーナの休憩回して! シェリーは三番受付!つまりがちだから頼む!シェリー落ち込んだ顔すんな!新人のわりに良く回した、一旦先輩に任せて昼飯行ってこい! ダリアすまん倉庫側の休憩回し頼んだ! 昨日も残業だったろ、それ終わったら今日は上がれ! あぁセッテそこ依頼書一山こっちにくれ!」
……すっげえ全員の名前覚えてんの?デスクで書類に判子推してるだけに見えて受付嬢や部下に次々指示を飛ばしてる、この前地下で大暴れしてた人とは別人に見える。受付嬢も迷いなく動いてるのが全員『できる』って感じがして、ヤバさがマシマシになってる。
そしてその中を一人全体を見るように動いてるメイドさんが一人、全体補助なのかな、ん?いまカトルさんと一瞬目を合わせた……?気のせいか?とりあえず長いけど列に並ぼうとした時
「よっドラゴニア!お疲れ!」
前回の白いローブ姿と違ってギルドの制服をしっかり着ているカトルさんがこっちに手を振りながら寄ってくる、その瞬間あれだけ慌ただしかったギルドの空気が静まりかえる。
「あれが?」
「思ったより普通じゃね?」
「腕と頭の魔物がその辺のやつとは違う、周りがヤバイタイプなんだろ」
とヒソヒソ声だが回りからは言われたい放題である。
「ここじゃああれだから二階の面談室行くぞ」
「はい」
カトルさんの、今の状態に慣れないまま上に連れられて行く……
※※※※
二回の小さめの面談室に通されて座る、そしてカトルさんがその対面陣取る様に座る。
「んまぁ察してると思うけどお前のギルド登録がちょっと特殊になるから俺が対応すんだよね」
「ですよねー……」
わかってた、分かり切ってたことだった。それでどこが特殊なんだろうか
「まず一点、お前も察してる通り、他のゲームよろしくここでも冒険者ランクGからスタートして依頼こなして最高ランクがSSSなんだけども、お前の状況、ブルーティアラの実力考えるとGスタートじゃないんだよな、だから俺の一存、とウリエル救出貢献の実績でAから初めてもらう、行ける依頼もクソ多いけどお前のレベルからすると格上になるから、ランクはAっつっても実際はBから受けた方が良いかもしれねえ。」
あぁーAからっても格上になるからBから挑んだ方が良いってことは、ランクごとに推奨されてるレベルがあるか装備の問題がある感じか、一応Bから行って、ティアだよりで行けそうなのはAで行こう。
「了解っす」
俺が短く返事をするとカトルさんは続ける。
「高ランクの依頼を達成すればそれだけデカイ報酬が手に入るから金に関しては拍車架けられるな、頑張れ若人」
わっはっはと笑うカトルさんだが安全マージンを考えればそんなことはできない、ちゃんと慎重に行こう……そんなことを考えてると
コンコンコンッとノック音が三回
「失礼します、カトル様、お客様、紅茶をお持ちいたしました。」
ーーー死んだ。なぜか本能的に思った、入ってきたのは一階にいたメイドさん、近くで見るとめっちゃ美人、だけど俺と同い年かちょい上位ににも見える金髪のメイドさん。だが本能が全力で逃走を全力で推奨してくる妙な感じ、いや待て、所作の一つ一つが洗練じゃない、完璧すぎる。ティアもロボも構えるどころか降参と言わんばかりの姿勢で震えている。俺たちの結論は『勝てない』。やっぱり……
「……スゥ下でも思ったが何してんだ?」
スゥ?この人の名前?
「……だって皆大変そうだったし、でも受付嬢したら絶対皆凍るし、だから補助のメイドさんしながらみんな手伝ってらさぁ……」
不意に視線が俺に来る。
「何この子ー!?ってスッゴイじゃないこの子!?こんな子たち連れてしかも本人の洞察力もそうだし、間合いの気にし方もどちらかと言えば前衛、しかも使ってそうなのが『槍』!!そしてまだまだ伸びしろの塊!!!」
ついにスゥと呼ばれた女性は俺を抱きしめてブンブン振り回し始める、俺が新しいおもちゃに見えるのかこの人は!?そしてなんで俺が別ゲーで槍メインにしてることがバレた!?えっまって怖い怖い怖い……。
「ねぇカトルぅ!!!この子私好みに育てていいの!?ねぇいいんだよねぇ!?」
「そいつはテイマーだ、後お前に預けたくて連れてきたわけじゃねぇ!!、あードラゴニアこいつはスカハ・ダン・スカー……俺の妻の一人でダン・スカー国の元・国王、呼びづらかったらご察しの通りスカサハでも通じるから好きに呼んでやってくれ」
スカサハ、多くのゲームで名前が出るケルト神話の戦士を育てた戦士……そしてスパルタ教育者の名前だった、終わったかもしれねえ……。
「えっと……ドラゴニアです……よろしくおねがァアアァァァァババババババ……」
俺を振り回す速度が上がる!!!!!!喋れん!!!!
「えー、じゃあニア君だね!!、ニア君には師匠呼びも許しちゃう!!!!」
いや師匠はちょっと待って!?入門する気はない!!ないから!!!
「スゥ!!話の腰折れってからちょい待てや!!」
「ちぇー」
流石にカトルさんの制止が入って降ろされる、た、助かっただぁ……
「とりあえず、だ。お前は依頼で各国回って片っ端からファミリア増やせ、今はそれが課題だな」
「はい……」
説明はまだ続くーーー。
「次にプレイヤーコミュニティ、こっちのがある意味『ギルド』とか『クラン』ってお前等転移者は呼ぶな。攻略、商売、生産、配信、何目的でも構わねぇ。とりあえず入りたきゃ入ればいいっていうか、お前なら引く手数多だろうから好きに考えろ、んでこっちでは『チーム』って呼んでる。まぁレイドチーム的なもんから取ってチームになったと思ってくれていい。ただし、特に功績を上げたチームだけは例外だ。、アルファベット一文字を冠した称号が与えられる。俺の『チームA』と、ソレイユの所属、『チームK』を除いて合計24チーム、俺たちの二席だけ空席にしてある、後ただ依頼こなし続けてなられるもんじゃねえからな。」
なるほどプレイヤーコミュね、これはぁ……ソロかルーさん頼ろう。にしてもアルファベットチームはなれれば達成感高そう。
「最後に、お前がやってこなかった一般の討伐クエについて、普通にクエストターゲットのモンスターを倒せば終わりだが、攻略の手順次第で『ワールドボス』…まぁ『緊急クエのレイドボス』とかのが分かりやすいか?それの出現トリガーにもなりえる、その辺はウリエルでもやったから余裕あったら試してみろ、お前の場合予想してない収穫が待ってるかもしれねえ」
あー…ウリエルの件もイレギュラーっぽいしそういうのもあるのね、覚えとこ。これはいいこと聞いた。
「ここまでで、お前から質問はあるか?」
「いやないっす、強いて言うなら……自己解決すべき問題なんで」
俺の課題、それは前衛ファミリアの圧倒的巨大サイズの問題、ロボもでかい、大将、ミノタウロスもでかい、覚醒ティアもデカイ、これは今後を考えると大きな課題でもあると思っている。コボルト、ウェアウルフだけだと頼りないし、現状リザードマンもしっかりコミュニケーションを取らないと未知数な状態。なんだが……
「戦力的な問題抱えてそうだけど、ニア君自身が前衛はダメなの?」
スカハ様からそんな言葉聞こえた、なんでこの人心読めんだ? いや待ってテイマーって後衛…いやもっとまてこのゲームはジョブ作成も自分で行えば……あー……見えた
「…スカハ様…頼みがあります」
恐る恐る頼む、ことにしよう、今目の前にいるのは恐らく世界最高峰の槍使い、リハビリの相手をしてもらうには贅沢な相手だ。
「ん? なになにー?」
「俺と一戦交えてください、勘を取り戻したいです」
多分このゲームに来て今までで一番真剣に頼んだ気がする、
「は?」
と驚くカトルさんに対して
「うん!!いいよー!!」
と笑顔で返してくれるスカハ様だった…気を引き締めよう。




