拾弐章─再び戦島─
更新遅れてすいません。ちょっと伏線るかな。
老婆「─で、その訓練とやらで、寝ている奴を起こせと。」
健「ま、まあ、そんなとこだな。」
桜「でも、倒したとか言ってたような…」
老婆「いやいや、倒しちゃおらんよ。儂ゃ『地に倒れ伏した』と言っただけで、『倒した』とは言っておらん。」
翼「言葉のアヤってやつだね。同じ『倒した』でも、物理的に倒したのと生理的に死という形で倒したのとでは、ちょっとどころかかなり違う。」
優「屁理屈言ってるだけのような気もするけどな。」
調「でも、呼び起こすことなんてできるんですか?この十五年、ずっと寝たきりなんでしょう?」
老婆「心配いらん。起こせなかったら、先生にそう報告すりゃええじゃろ。」
明「それであの滝田が納得すれば、だがな。」
流「あれ、そういえば山瀬君は?」
宰「ほら宰、ちゃんと参加しなきゃ、ダメじゃないか。」
宰「わかってるけど、一度挨拶しておこうと…」
宰「それはいいが、終わってからにしなさい。」
宰「はーい。」
…文章にすると、一人二役やってる感じがする。
一応、父と息子の会話なので。
老婆「それにしても、あのちっちゃかった我が孫が、こんなべっぴんさんだったとはのう。」
翼「孫って誰が?」
健「そうか、お前にはまだ言ってなかったな。桜は、俺の御師匠様の孫なんだ。同時に、ふぐふぐふぐっ!何すんだよ!」
桜小声『当たり前でしょ。あたしが王女だってことは、あなたとあたしだけの秘密なんだから。』
健小声『そ、そういえばそんなことも…』
老婆「あの頃は懐かしかったのう。あ、そういえば、あの船頭の子、お前の学校に来たらしいが、元気しとるか?」
光「元気でないと言えば嘘になるわね。この前も佐渡と何か密談してたようだし。」
聡「ば、ばれてる…!」
迷「内容も、どうせ、二人で共謀して、健さんと桜さんの仲を粉々にしよう、とかじゃないんですか?」
聡「し、しかも内容まで…!」
優「あれ?そういえばおかしくないか?」
健「何がだ?」
優「だって老婆さん、俺等試験中に泊に来たと時は、『孫の布団がある』て言って、桜にそれで寝かせたんじゃなかったっけか?桜に兄弟なんていたか?」
老婆「馬鹿者、兄弟はおらんが、桜には従姉妹がおる。その従姉妹が儂に挨拶しに来たのじゃよ。」
桜「従姉妹なんていたっけ?」
光「っていうかあんた達、他の受験者が戦ってたり寝ずの番してる間、呑気に人ん家でぐっすり寝てたってわけ!?」
諸姉妹から怒りの炎が燃え上がる。
きっとかなりきつかったのだろう。
女子として、野宿する上に寝られないのは精神的に、外の寒い中で寝ずに過ごすのは体力的に。
優「そ、そ、そんなことより、ろ、老婆さん。健達の昔話、聞かせてくれよ。ひ、ひ、暇潰しにも、な、なるしよぉ。」
老婆「ほっほっほっ、それもええのう。では、話すとするか。」
『老婆が出てくる度、健の過去編を書いてしまう症候群』にかかりました。
・間違いを訂正しました。
従姉妹と再従姉妹を間違えてました。従姉妹は親違い・再従姉妹は祖父母違いでした。
桜の再従姉妹は、御師匠様の孫じゃありませんね。おばあちゃんが違うことになるから。




