拾壱章─皆でバカンスへ─
─結局健の粘りにより明日の夕飯はカレーになったが、まあそんなことはどうでもいいとして。
健「なあ、今度、GWに初合宿とかで休みとれなかった代わりに、5連休があるんだって。」
桜「そういえば先生がそんなこと言ってたわね。」
健「んでさ、今度その連休、うちの島でバカンスしねぇか?」
桜「いいねそれ。あそこ海水浴とかできそうだし。でも、ここから出てそんなバカンスしちゃっていいの?」
健「萬歳からの許可が降りたらしいぞ。望む生徒は、事前に申告すれば、出れるって。」
桜「じゃあ明日、皆も誘お!」
明「え?バカンス?戦島で?」
桜「うん、優君とかと用事があったら、別にいいんだけど」
明「何故優限定?」
桜「いいからいいから。行くの?行かないの?」
明「んじゃあ行こっかな。桜達二人を邪魔しに。」
桜「あんたらって別に…そういう意味で言ってるわけじゃ…」
明「いいっていいって。健にそっちのけがないことは承知だから。今のはジョークだと思って、聞き流してくれ。」
調「─残念ですが、あなたのことを思って、お断りさせていただきます。」
桜「でも、明ちゃんももう─」
調「そういう意味ではありません。問題は、私を連れていくと、成り行きで聡さんが着いてくることなのです。あの人は健さんと違って変態です。そっちのけありまくりなので、連れていって無人島でバカンス、なんてやってると、あなたの身の安全は、保証しかねます。」
桜「な、なるほどぉ…」
聡「ふ、無駄だよ調。もう聞いてしまったから。」
調「聡さん、ガールズトークを立ち聞きとは、感心しませんね。」
聡「いやぁ、き、聞こえてしまったというか…」
調「『聞こえてしまった』の前を、付け足して差し上げましょう。『桜さんをストーキングしてたら、聞こえてしまった』ですよね?」
聡「ぼ、僕はそんな変態染みたことは…ていない!?」
調「作戦成功です。桜さんは無事に、逃げ仰せましたとさ。」
聡「くそー!」
翼「僕はパス。一条さんと一緒に、ここでのんびり過ごすよ。」
香「右に同じです。せっかく来てもらったところ、すみません。」
桜「いや、別にいいでーす。では、失礼しまーす。」
桜心の声『この人たちが一番疲れるー。』
光「ううん。いいわ。私、迷と仕送り二分してて、結構小遣い少ないから、バイト休めないのよ。」
迷「左に同じく。」
光「ごめんね、桜ちゃん。」
桜「いいのいいの。大丈夫だから。」
流「そうですね…ちょうど山瀬君、父に会いたいと言ってたから、ちょうどいいかな。」
桜「そう!?じゃあ、待ち合わせは後で…」
聡「みぃつけた!」
流「ストーキングですか。感心しませんね。」
聡「くっ、こいつ、調と同じタイプか。」
流「成敗!」
聡「ぐはっ…」
コングラッチュレイション!ながれ は ボスの さとる を むきずで たおした
篝「ああ、いいわよ。面白いじゃない。」
一「僕も予定空いてるから、今度待ち合わせ時間、教えてよ。」
桜「おっけー。じゃあまた後で。」
─あれ?そういえば言い出しっぺ殿は何処で何を?
桜「たぁけぇるぅ(怒)」
健「な、何だよ!?」
桜「何であんた何もしてないのよ!?」
健「あぁいやぁ、放っておけば桜がなんとか…」
桜「たぁけぇるぅ…」
─そこには、『た・け・るゥ♡』等と言っていた人とはまるで違う別人がいるようだった。




