七章─揺れるバス─
─バスの中
滝田「いいかー、このバスには、行き先を隠すため、スモークガラスになっている。窓からの景色は期待できないが、とりあえず我慢してくれ。」
篝「えー。マジですか~。」
滝田「しょうがなかろう。その代わり、内装は豪華だろう?」
健「一部は絵だけどな…」
足の速さが災いし、盛大に頭を打った健が言う。
桜「まあでも、ここにいるのも海までだし、海に着けば見晴らしのいい船に…」
滝田「ちなみにこれに乗って海渡るんで、降りれるとか期待しない方がいいぞ。」
桜「え…う…そ…」
滝田「といっても、甲板とかには出れっから、心配もしないほうがいいぞ。」
桜「なんだ、『これに乗って』って、そういうことか。」
滝田「心配した?」
桜「当たり前ですよ。スモークガラスで海を渡れなんて、無茶振りじゃないですか。」
滝田「ゴメンゴメン。…もうそろそろ、海に着く頃じゃないかな。」
すると突然、体が浮いているような気分になる。
光「へ?」
そしてしばらく縦揺れ。からの横揺れ。
篝「どういうことよ!?」
滝田「ん、何だ?」
桜「『何だ?』じゃなくて、なんでこんなに揺れてるんですか?」
滝田「当たり前じゃん。だってこのまま…ふあぁ~。」
バタン。
滝田が倒れる。気付くと、他の誰もが寝ている。
誰ひとり例外なく。桜も、どうしようもない睡魔に苛まれ、眠りに落ちた。




