七章─健、色々失敗─
─日曜・合宿前日─
健「おっしゃできた!これであとはあいつに…」
桜「健ー。準備できたー?」
健「あ、それはー、まだ、そのー。」
桜「はい、これ。」ドサッ「どうせそんなことだろうと思って、ちゃんと準備しといたわよ。」
健「…ありがとな。それじゃあ、これ、つけといてくんねーか?」
そう言って、緑のチップを渡す。
桜「なによ、それ。」
健「それがあれば、障壁が絶対になる。今回は、純粋に『障壁』の強化には限界があるから、そのチップに障壁を強化するエネルギー生産装置を付けておいた。でもこれ、一度使うと時間が来ればもどっちまうから、使うタイミングは慎重に選べよ。あと、優に教わった『GPS』ってやつも付けといたから。」
GPSを聞いて教わっただけでこんな小さなものに付けてしまうとは、恐るべき技術力である。
桜「でもそれ、何処で受信するの?」
健「もちろんそのパネルで…あ!」
桜「道がわかんなくなったとき、便利かもね。」
健「間違えた…何処で受信するかまでは、考えてなかった…」
桜「ま、今回は合宿!道に迷うこともなければ、GPSであたしを探すような騒ぎは、起こんないでしょ!」
健「ま、それもそうだな。」
桜「さ、今日は寝て、明日へ備えましょ!きっと合宿中は、早寝早起きが鉄則よ!」
健「おう!」
─当日─
滝田「移動はこのバスで行う!」
皆「おおー。」
それは、超巨大で超未来的なバスであった。
滝田「中は魔法をかけたみたいな豪邸だぞー。」
ドアが開くと、レッドカーペットが降りてきた。
滝田「一応席は決めてあるが、こういう事情だから立ち歩き自由!但し、寝たい人とかいるだろうから、その人を無理矢理どかして友達のとなりに、とかはなしだぞ!」
中に入ると、そこには一面、豪華な景色が─
そしてそれをぶち壊すかのように、颯爽と中に入り、はしゃぎ回ろうとして…
滝田「そうそう、中は一部絵だから─」
健「ぐはっ!」
盛大に絵に激突する人物、約一名。




