七章─発表─
第一舞奏市立高校・『初合宿』計画、始動。
─この計画は、新一年生が先生方や共に学ぶ仲間に馴れ、団結力を高めようというもの。これは、この高校創立当初から、毎年五月頃に行われている。毎年内容は変わり、更に日程などの告知は、出発日と準備物の告知しかない。それ故、前情報は一切なしで、生徒達は数日間、先生方からのドッキリに耐え続けるのである…!
滝田「というわけで、朝の連絡は終わり!皆の者、一時間目まで暫しの間、さらばだ!」
─今日の一時間目は学活。必要なものは『メモ』の二文字。ところが、これが逆に不安だったりする。
滝田は、非常に面白い学活をする。だが、そういうときに決まって、大量のものを用意させる。
先週は『皆の出身地のお土産 なるべくデカイもの』だったのだが、これがまた大変。『デカイもの』と言われ、健などは『ちっちゃい頃御師匠様が倒した怪物』と『刻の木』の間で葛藤していたほどだ。もっといえば、『坂本龍馬像』を持ってこようとした者もいたせいで、教室は一時騒然となった。
それが今日は『メモ』の二文字…流石に今日は不安でならない。
健「オーイ桜。今日は楽だぜ。刻の木も怪物も持ってこなくていいんだからな!」
桜「何言ってんのよ。簡単だからこそ不安なんでしょ。何か深刻な発表だったらどうすんの。」
健「例えばどんな?」
桜「例えばそうね…聞き取りテストとか?」
健「そんなのだったら、楽でいいじゃん。」
─そう、こいつ、物事は知らなさすぎるくらい知らないのに、何故か頭だけは良すぎるくらい良いのである。
桜「んじゃ何だろーね。」
健「案外、『メモは念のため』とかだったりするんじゃねーか?」
桜「そうであることを祈りたい。」
滝田「はーいみんな、席に着けー。ついでにメモも、準備しとけよ。」
健「先生、今日何するんだ?」
滝田「待て、早まるな。皆が席についてからだ。」
健「ほーい。」
滝田「おし皆、席に着いたな。それでは話そう。」
滝田が大きく咳払いする。そして─
滝田「今日、此処に、『第一舞奏市高校・初合宿計画』の始動を、宣言する!!!」




