伍章─サバイバル・エピローグ─
第一舞奏市に戻ると、一人一人の目の前に、何やら紙が落ちてきた。
紙にはこう書かれてあった。
─パワーウエポン科受講資格 津田 健 殿
貴殿は、無人島で好成績を残し、なんとも質のよく頭を使ったスマートな戦いを繰り広げ生き残った。よって、パワーウエポン科受講資格を、此処に与えるものである。
健は、嬉しくて思わず飛び上がった。
健「いやったぁ!」
桜「もらっちゃったか。」
健「桜、ごめんな。迷惑だったら、辞めても別にいいんだぞ。」
桜「いいの。」
健「何で?この前はあんなに嫌がって…?」
桜「これでいいのよ。そうじゃなきゃ、守ってくれたあんたに示しがつかないでしょ。」
健「でも、ホントにいいのか?」
桜「いいのよ、あたしが辞めたら、誰があんたのパートナーやんのよ。それに…」
健「それに?」
桜「まさか、『もう守んない』なんて、言わないだろうしね。」
健「…ふん、ったりめーだ!俺が守んなきゃ、誰がオメーを守んだよ。」
─数分後…。
優「おーい。」
健「あ、優!おせーぞ!」
優「もらったか?」
健「もちろんだ。俺たちがもらえねぇわきゃねーだろ?」
優「まあ最後まで生き残ったんだし、トーゼンっちゃトーゼンか。」
桜「ところで、他の皆は?」
優「帰ったよ。翼は一匹狼体質だし、調は苦労して聡を引きずって…ププッ、やっべ、今思い出しても笑いが止まんねぇ。」
健「ま、これで一つ、楽しみが増えたな。」
優「どんな?桜とデートすることか?」
桜「ちょ、デートってそんな大層なことは…」
健「『デート』って何だ?」
優「よ、二人とも、今日もお決まりの台詞が光ってるねぇ。」
桜「と、ところで『楽しみ』って?(超赤面)」
健「もちろん、他に誰が合格したか。これに尽きる!どのぐらい強ぇんだろーなーって…」
優「ふん、お前らしいっちゃお前らしいか。」
桜「馬鹿ね、健が『デート』なんか言い出すわけないでしょ。」
健「だからいい加減『デート』が何なのか、教えてくれよー。」
優「やなこった。桜にでも聞きな。」
桜「ちょっと、なんでそんな爆弾をこっちに投げるの?」
健「なあ桜、『デート』って何だ?」
桜「もうー!」
─こうして、いつものエンジン全開で、自らの部屋へと帰る合格者達であった…。




