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伍章─翼─
桜「何で?」
健「何でって?」
桜「何で…(怒)あんた達がついてくんのよ!?」
調「もちろん。お友達になれそうだから、とかいっておきたいところなんですが、どんなに強く引っ張っても、引けそうにないので。」
沈んでいる聡。その足は、自然と健達一行へと向かっている。しかも無意識にだから、確かに引っ張っても方向転換は無理だろう。
─その頃─
健達と正反対の浜で、日本刀を片手に歩く背の高い青年、本庄翼が一人。
翼「さぁ、君達。」
彼の目の前、敗北を喫した元軍人達が、生命維持装置の中で怯えながら頷く。
翼「ばいばーい。」
彼はそう言うと、彼等を装置ごと、海の方へと蹴飛ばした。
そして、『五秒』と表示されたストップウォッチを見て呟く。
翼「ちょっと時間をかけすぎたかな。次は二秒、頑張ってみよう。」




