序章─始まりの刻─
少年は、敵まであと10メートルといったところまで迫ると、右手に持っていたナイフを投げる。
拳銃学科生徒「なんだ?この拳銃学科エリートの俺様に、楯突こうってか?今年の一年は甘いなぁ。」
そう言って、投げられたナイフを撃つ。
ナイフは弾かれ、たまの威力ゆえ少し後退する。すると、そのナイフの陰から、さっきの少年がもうひとつのナイフを持って現れた。
少年「アメーのは、そっちの方だな。」
すかさず突き出しながら走る。
拳銃学科生徒が突き出されたナイフを撃つ。
拳銃学科生徒「どっちが!」
ナイフに当たり、ナイフとそれを持つ手は後退するが、体はその下をすり抜け、
敵の前で思いきり踏み込み、その手に向かって強烈なキックを一撃。
少年「だからそっちが甘いっていったろ。」
即座に拳銃を回収し、敵の前で構え、拘束した。
拳銃学科生徒「クソー!覚えとけ!」
まもなく駆けつけた先生方が彼を退学にし、
本州に帰したという。
桜は、ただ呆然とするばかりだった。
少年「ナイフありがと。オメー、名前なんていうんだ?」
桜「あたし!?轟桜だけど。」
少年「ほう、ナイフ後援科志願の轟さんか。覚えておくよ。んじゃ、俺用があっから!」
そう言って去っていく。
桜「えっ!?あっちょっ…ああたし、ナイフ後援科じゃなくて、普通科なんだけどなぁ…」
言うチャンスをなくしてしまった轟桜であった。