参章─パワーウエポン科受講資格試験②─
参章─パワーウエポン科受講資格試験②─カー「ようこそいらっしゃいました!この『戦島』へ!」
桜「『戦闘』って…そのまんまじゃん!!!」
健「せ、戦島、だと…」
桜「ん、どうかした?」
健「あーいや、なんでもない、なんでもない!」
スピーカー「そしておかえりなさい津田健君!御師匠様がお待ちかねですよ!」
桜「『御師匠様』って…もしかして健の?」
健「あぁ、そうだよ。ったく、御師匠様ったら、何で自分の島を試験会場にしちゃうかなぁ。俺たちゃ圧倒的に有利じゃねーか。」
桜「嫌なの?」
健「そりゃお前、どうせなら正々堂々と受かりたいさ。地の利がある島じゃ、勝った気しねーっての。」
???「もう勝った気でいるらしいが、そいつぁアメーな!!!」
???が、持っていた斧をいきなり振り下ろしてきた!!!
健「桜、大丈夫か?」
桜「あたしは大丈夫だけど、健は?」
健「俺を誰だと思ってやがる!!!」
桜「決まり文句なの?」
健「あっいや、つい癖で…」
???「ゴチャゴチャ抜かしてんじゃねぇ!!たたっ殺すぞ!!!」
もう一度斧を振り上げる。
健「桜、これを使え!!!」
そう言って投げてきたのは、健が持ってきた謎の物体。
桜が受けとると、健の部屋で見たようなパネルと、障壁が現れた。
健「俺が島を出るとき、御師匠様から託された品だ!俺のパートナーとなるに相応しい人物に渡せって!!!」
桜「ありがとう…って、言いたいところだけど、あんたナイフ持ってんの!?」
健「後援科と違って、戦闘科志願者には、志願した学科の武器の携帯が、両手に持てる分だけ許される!」
桜「あっそうか…そうじゃなきゃテストになんないよね…」
健「おっしゃあ行くぜ!!!」
???「俺は斧戦闘科志願者、嶽野優。ナイフ学科志願者と戦ういわれはないが、強そうだし、戦っておいて損はなかろう。」
健「俺も斧学科と戦ういわれはないから、簡単に終わらせてもらうぜ!!!桜!」
パネル二行目
・筋弛緩ナイフ
このナイフを使うと、傷つけた部位の筋肉が平均三十分間、動かなくなる。尚、出血はない。
桜「いくよ!健!」
健「おう!」
健心の声『やはり筋弛緩か…ま、これで斧学科は倒せる!!!』
健「行くぜ!オラー!」
優「『盾斧』!!!」
優が突然振り下ろした斧が硬化し、刃を突き立てた一本のナイフは弾かれて後方へ飛んだ。
優「武器の特徴をよく見て特殊効果をつけてるのは、お互い様だ。だが、相手にも特殊効果があることを知っていた俺と、完全に忘れていたお前との差だ…!」
勝ち誇っていた優が、斧を落とす。
健「それぞれの武器に特徴があることを忘れていた、お前の負けだ。」
優「斧が…持てない!筋弛緩効果か…。だか何故?ナイフは後方に…」
健「斧と違って、ナイフは両手にたくさん持てるんでね。ルール上問題は無い筈だ。」
優「くっ、そうか…。ナイフと違って斧は重く、片手じゃ持てないものな。そこで振り下ろした後、片手だけで持って喋っている所を…!」
健「俺の勝ちだ。パートナーはいないのか?」
優「お前と違って勘違いは激しい方じゃないし、派手に拳銃蹴っ飛ばしたりしないから、そう簡単に、友達も彼女もできねーんだ!」
桜「あっいや別に、彼女なんて大層なもんじゃ…」
健「じゃあ俺等と一緒に行くか!『旅は道連れ世は情け!』御師匠様の名言だぜ!」
優「フそうだな。筋弛緩が解けるまで脱落しない自信はないし、ひ一人じゃ色々と不便だ。そうしてもらえるなら、お言葉に甘えるとしよう。」
健「んじゃ、決まりだな!」
桜「ねぇ健。」
健「ん、何だ?」
桜「さっき、スピーカーから、『御師匠様がお待ちです』って、いってなかったっけ…」
健「あー!忘れてた!やべぇ!早く行かねーと、御師匠様に叱られちまう!」
優「じゃあ、次の目的地は、その『御師匠様』のお宅で、決まりだな。」
健「ていうか、全力疾走!」
─こうして、新たな仲間を迎えた健と桜は、健の『御師匠様』の家へと、急ぐのであった─




