参章─荷物準備と昔の写真─
結局、謎の教師から渡された『腕時計』と、自分の持ち物を一つずつ持ち込みを許可されたため、一旦部屋に戻ることとなった。
桜「何持ってこーかなー。健はもう決めた?」
健「もちろん。許可が下りた時点で、心に決めてたんだ。」
桜「何々、田舎においてきた恋人の写真とか?」
健「恋人いるやつが、教わるまでその単語が分からないと思うか?」
桜「そ、そうね。気にしてたんなら、謝るわ。」
健「お前は何持ってくんだ?」
桜「まだ決まんないのよねー。寝袋と筆箱とケータイ、どれがいいと思う?」
健「そーだなー。筆箱じゃね?なかに紙入れときゃ、メモれるし。」
桜「でもメモだったら、ケータイだって…」
健「そもそも、ケータイってなんなんだ?」
桜「わかった。あなたに聞いたあたしが馬鹿だった。」
健「教えてくれよー。」
桜「機械よ機械。電波を使って、遠く離れた誰かと話したり、ゲームしたり、メモ使ったり…」
健「電波か…じゃあ、乗っ取られたら困るから、一番原始的な筆箱にしときな。御師匠様も言ってたけど、機械ほど信用ならないものはないんだから。」
桜「わかった。その御師匠様の写真、持ってくんでしょう?それを時々見て、『精進せねばな。』とか考えてたりしてー!」
健「御師匠様の写真…!」
桜「何?どうかした?まさか御師匠様が初恋の人とか?…そんなわけないよね。あんたに限って。」
健「そうだ!やっとわかった!」
桜「何が?」
健「諸迷は、会っただけでなく、昔の写真で見たんだ!」
桜「そんなわけないでしょう。迷ちゃんは年寄りじゃないわよ。ドラキュラじゃないんだから、昔と姿が変わらないなんてありえないし」
健「いや見た。絶対見た。『よく似た別人』だけどな。」
桜「じゃあ関係無いでしょ。もう時間も時間だし、行くわよ。」
健「…そうなるとかなり手強そうだな…」
桜「おーい。」
健「あ、ああ、いくか。」
次回、健と桜のパワーウエポン科受講資格試験が始まる…!




