弐章─球技の超マンネリ勧誘─
─部活見学。
それは、一年は全く知らないが、先輩達の間では『壮絶な闘い』を意味する単語であった。
─一年を取り合う闘いである。
毎年毎年、ものすごいパフォーマンスと、ものすごい勧誘の嵐が吹き荒れる。
ここで、大失敗を犯したことに、初めて気付く健と桜である。
健「しまった…迷と話してる暇なんて、なかったんだ…。」
桜「そ、そうみたいね…あは、あはははははは…」
─一年生が皆、こんな反応だから、先輩達は火を着けようと、更に頑張っちゃうのである!!!
─手始めに、サッカー部からいこう。
健と桜が、サッカー部へ向かって歩き出したとき、一つのサッカーボールが、健に向かって一直線!!
ドゴッ
健「な、なんだこりゃー!」
見ると、サッカーボールに、『拾った方はサッカー部まで届けてください』と書いてあった。
次の瞬間、健が足を振ったかと思うと、ボールが空の彼方に向かって一直線!!に飛んでいった。
チャンチャン
─さーて次いってみよう。
今度は、桜の背中に、野球ボールが一直線!
次の瞬間、健が腕を振ったかと思うと、ボールが空の彼方に向かって一直線!!に飛んでいった。
─さーて次!
健の背中に、テニスボールが一直線!!
ボールかごの脇を通った瞬間、手からボールが消えていた。
─次!!
健の胸に、バスケットボールが一直線!!
3秒後…ナイスゴール!!!
─次!!!
桜の頭に、バレーボールが…と思いきや、たけるがブロックして阻止!
─次!!!!
健の手の中に、ピンポン球が一直線!!に入った!ナイスキャッチ!
─次!!!!
バドミントンの羽根…は外れて…
─次!!!!!
─次!!!!!!
─次ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!
結局球技は全滅。
同じ細工しかしていない。マンネリかっつの。
─次、もう文化系、いっちゃおうかな。




