拾四章─最終話・エピローグ─
─快晴。
ここは、病院である。
沈んでいく神殿を、優たちの尽力によりなんとか浮かすことができた、その翌日。
傷だらけの健は、包帯をぐるぐる巻かれており、ベッドから体を起こした状態で、桜達と話している。
桜「でも、どこに健の魂が残ってたっていうの?ビデオカメラのSDカードとか、色々調べたけど、そんなもの、記録されてないって、王室のメディア係が言ってたよ。」
健「GPS付き障壁強化チップ。」
桜「え?」
健「名前だけ聞くと記憶媒体には見えないが、あれはGPS以外滝田に造ってもらったからなぁ。何かそんな細工をしてたんじゃねぇのか?」
どうやら十字架の天辺が光ったのは、そのチップが健の魂を記憶したかららしい。でも大事な場面でこけたと知れたら大笑いされるので黙っておく。
桜「だから神様とかも、『滝田め!』とか言ってたんだ。」
健「あの人、実は地球で一番の科学者だしなぁ。」
桜「そんな序列があるわけ?」
健「まぁ、大学生の頃から色々な法則を覆したり、新たな法則を発見したり、効率のよいエネルギーの循環方法とか、各舞奏市周辺の完全防護壁の発案、パワーウエポンも、元々はあの人の発明品らしいぜ。」
桜「何でそんなこと知ってんのよ?」
健「滝田が言ってたから。」
桜「それあんまり信用できないんだけど…」
桜は、未来認識の記憶を消されていた。
それは、最後の詠唱によるものではない。
未来認識詠唱の効果が切れただけ、だそうだ。
そういうことを言われると、果たして未来はどんなことになっているのか、とても興味を持ってしまう。
そして、健が殺したと思われていた守衛・血も、実は辛うじて生きているらしい。(意識を取り戻すまでに三ヶ月はかかるらしいが)暴走した健が、目測を謝って脳幹を外したせいらしい。
神襲も終了し、人々の心には既に平穏が訪れていたし、パワーウエポンを持つ人の数もめっきり減った。
琴も健と共に人間界に残されており、神襲終了儀式以降、若干性格も丸くなった。健の事を『兄さん』と呼ぶようになり、学校でもよく笑顔を見せているという。
─喋り方は以前と同じく、堅めの敬語らしいが。
ところで、何故健がボロボロで入院してるか、というと─
桜「でも、いくら意識のない妹を抱えていたからと言っても、あんた、あんなに泳ぐのが遅かったとはねぇ…」
健「木登りはしても、昔から海の方へはプリズンがいるから行けなかったしなぁ…」
桜「しかも鮫に五回も襲われるって、どういうこと?」
健「ついてねぇな、ホント。」
桜「まぁでも、鮫は血の臭いに寄ってくるっていうし、一回目は不運でも二回目以降は必然よね。」
優「いやでも、お前のお陰で他の皆は無傷だぜ。ちょっと見直しちまったよ。」
健「そんなところで見直されてもなぁ…」
聡「ところで津田よ、妹属性に目覚めてみる気はないかい?そうしたらさ─ヘブゥ!」
明「変なこと吹き込んでんじゃねぇ。健は純粋なんだぞ。お前と違ってお前と違ってお前と違ってお前と違って!」
聡「そこまで言わなくても…(泣)」
優「にしても、入ってきてみりゃ、部屋の中が水浸しな上に無数の十字架が─って、どんな状況だよ。」
健「そういえば、何かゴチャゴチャしてたなぁ…」
ブルースタイン「ついに使ってしまったか、桜よ。」
えっ─と、全員が振り向く。
全員「ブルースタイン王!?」
ブルースタイン「桜は王族属性を継いでおるからな。王族属性のみが持つ能力『感情昂眼』を使って、健訓と琴さんを守ったのだ。この能力は、『情の眼』を全属性分使用する能力。まぁ元々の戦闘欲が少ないため、誰にも何も言われないがな。」
優「じゃあ俺等、ジュースでも買ってくっかー。」
明「じゃあ桜、留守番頼むぞー。」
桜「えっちょっ…」
調「何かこうして毎日来てると、通い妻みたいでいいですね。いっそのこと、今すぐ本当の妻になってみては?」
桜「妻って別に…そんな大層なもんじゃ…」
優「ッハハハハ!それが出ると、『平穏な日常』だよなぁ!」
ガラガラガラ、と音を立ててドアがしまった。
桜「ハァ…」
健「ほんっと、」
健&桜「平和だなぁ…」
最後まで御覧頂き、有難う御座いました。
シリーズ化したので、リンク貼るの辞めました。
ですがこれからも、『ウエポンマスター』シリーズを、よろしくお願いします!!!




