拾弐章─永久の炎と不良の目論見─
宰「あ、あ、あなたは…」
菫心の声『何かが違う…?』
紀仁「おお、王女様か。どっかで見た顔だと思ったら。その特徴的な色の眼は、忘れられねぇからな。」
菫「特徴的な色…?」
紀仁「あぁそうだ。王女様の眼は昔から、きれーな桜色で有名なんだ。」
見ると、眼がきれいな桜色に変わっている。
宰「でも、さっきまでは日本人と同じ黒だったはず─」
チェリア「眼の色は、入学前に御父様に封印してもらいました。あたくしの、戦闘への欲望も同時に。」
宰「せ、戦闘への…欲望?」
チェリア「御存知の通り、あたくし、生来活動的な性格ですので。」
菫「で、で、でも、いくらなんでも、それだけで欲望なんて─」
チェリア「大丈夫です。やり過ぎることはございません。これはあくまでも─」
チェリアの片眼が一瞬、黒くなる。
桜&チェリア「護衛だから。」
流「フォーメーション・イグニッション!」
老婆「フッ…そういうことか…」
プリズン「何故だ!何故そんなに燃える!草の内部には、水が流れて─」
優「今はアルコールだ。」
プリズン「何故…」
優「青葉の蔦棒。これに酔属性の聡がセットした弾を当てる。するとどうなるか。酔属性は、酔わせる属性。つまり、当たると血中アルコール濃度などが一時的に上昇するってこと。それを草に当てると、維菅束の中のアルコールの濃度が上昇する。すると燃え易くなり、更に俺のこの斧で点火してやれば、爆発的に燃え上がる。」
翼「そしてそこに、僕が風を送り込むことにより、火は消えず、」
流「火が燃えるエネルギーにより蔦が伸び続ければ、」
翼&流「永久に燃え続けられる。」
不良1「おいあれ、あの王女様じゃないか?」
不良2「もしかして、留学サボりに来たとか?」
不良3「だとしたら、俺等が脅せば─」
不良1「エロいこと、させてもらえるかも!」
不良2「いや、よく見ろ。あれは怪我人だ。怪我人がいるから、治療しに来たってところじゃねぇか?」
不良3「じゃあ通行券でも賭けよう。そしたら乗ってくれるさ。」
不良1「いろんな意味で、な。」




