幸せの赤い竜
◇旅の途中のアミとマサ
「ボーンっまぁーでぇ溶ぉけるぅよーなー、ドブロクーみたいなーチュウをしぃてー♪」
「……何かしょっちゅう歌ってるが、アミは歌が好きなのか?」
「んー。まぁ、それなりかなぁ。
暇になると適当に口ずさみたくなっちゃう感じ。
あ。もしかして、うるさかった?
黙った方がいい?」
「いや、構わん。歩いてるだけじゃこっちも暇だしな。
それに、アミの歌は結構うめぇと思うぞ」
「そーお? ありがとー」
「しかし、不思議な響きの言葉を使うな。
……アミの故郷の歌なのか?」
「あー、うん。一応ね。
ねぇ、マサは何か歌わないの?」
「無いな。
というか、まず知ってる歌が無ぇ」
「そうなんだ。
でも、聞いてみたいなぁ、マサの歌。
何か教えるから一緒に歌わない?
ずっと一人なのも寂しいしさ、ハモッたりするのも楽しいよー。
どうせ誰も見てないんだし、このさい思い切って歌っちゃお?」
「…………歌なぁ。」
この後、実はマサが歌う時だけ無駄に美声になることが発覚して、一人脳内で興奮するアミだった。




