投稿なし短編未満の小話つめあわせ1
◇トリップ女子と青年のある日の会話
◇草食系の皮を被った肉食系女子またはミサ○系女子の乙女ゲー転生
◇ナース・ミーツ・ガール
◇ナス推理?残念、トリックが考え付きません!な、ブツ切りネタ
◇トリップ女子と青年のある日の会話
「君と出会ったあの日のことは、今でも鮮明に思い出せるよ」
「やだぁ、恥ずかしい。忘れてよぉ」
~~~~~
『日本人の怨念を舐めるなよ、小僧。
最初は視線だ。
寝ても覚めても内でも外でも、常に誰かに見られている感覚がねっとりと纏わりつき離れなくなるだろう。
やがて扉の隙間、家具の陰、棚の上、寝具の下、鏡の中の自身の背後、ありとあらゆる瞬間にありとあらゆる物の中に、お前は私の存在を垣間見るようになる。
そして声だ。
怨念こもる囁き声がゆっくりゆっくりとお前の耳に近づいてくる。
地を這うようなそれはやがて脳を侵食し、頭の中で延々と唱えられ続ける呪詛は確実にお前の精神を蝕んでいく。
当然、夢の中でも手を抜くまいぞ。
お前がひとたび眠りに落ちれば、私は明確な型を持たぬ汚泥となりジワリジワリとその身を引きずり込むだろう。
汚染された日常に疲労したお前は、ついに全ての者に私の幻影を見る。
人間、動物、植物、その他ありとあらゆるものが私にしか見えなくなる。
そして、発狂する。
だが、逃がしはしない。
その時こそ私は永遠の絶望の世界にお前を誘うだろう。
さあどうする、それでも私を見殺しにするか!!
養え!養え!養え!養えぇええええッ!!!』
『うああぁああああぁぁあああ!』
~~~~~
「お願いします、忘れて下さい」
「無理」
◇草食系の皮を被った肉食系女子またはミサ○系女子の乙女ゲー転生
「やっべー、ここ乙女ゲーの世界だわー。
マジ転生だわー。っべーわー」
「っべー、逆ハーとかマジねぇわー。
主人公乗っ取りとかイミフだわー」
「逆ハーとかありえねぇから人のいない場所に退避だわー。
これで完全勝利だわー」
「っべー。慣れねぇ校舎内だから迷ったわー。
仕方ねぇわー、あの講堂で誰かに道聞くしかねぇわー。
これは仕方ねぇわー。っべーわー」
「そぉぉおおおおおい!!」
「っべー! 転んだわー!
転んだ拍子に講堂の開かずの部屋の扉が開いたわー!
これマジ不可抗力だわー! マジ不可抗力だわー! っべーわー!」
「そういえばここ、ゲームで最初の出会いイベントが起こる場所だわー。
っべー。不可抗力なのにイケメンヒーローと出会っちゃうわー」
「あ、出会っちゃったわー。イケメンヒーロー出会っちゃったわー。
っべー、イベント始まっちゃったわー。
そんなつもり全然なかったのに、巻き込まれちゃったわー。っべーわー」
「まだ巻き返せるわー。間違った選択肢を選べば平穏な生活手に入るわー。
何千回とプレイを繰り返した私が失敗するわけねぇわー。イケるわー」
「あ、失敗したわー。記憶が曖昧になってたわー。っべーわー。
これ好感度爆上がりしたわー。っべー。失敗したわー。
転生したせいで記憶欠けてたわー。マジ怖ぇわー」
◇ナース・ミーツ・ガール
「こんにちは、ナスです」
「見れば分かります」
「突然ですが、結婚して下さい」
「なにゆえ」
「一目見て運命を感じました」
「感じてしまいましたか」
「はい。だから、結婚して下さい」
「しかし、貴方は手足こそ生えていますが普通のナスでは」
「頑張って大きくなります」
「頑張れば大きくなれるんですか」
「頑張ります」
「分かりました。
では、貴方が私の身長よりも大きくなったら結婚しましょう」
「本当ですか」
「約束します」
「ありがとうございます。頑張ります」
「頑張って下さい。
……と、いうことで八百屋さんこのナスは売らずに取っておいて貰えますか」
「いや、そこは買っていってやれよぉー!?」
◇推理?残念、トリックが考え付きません!な、ブツ切りネタ
「キャー!ナスが、ナスが死んでる!」
「むごいっ、いったい誰がこんなことを!」
「とりあえず、ナスの死体は輪切りにして鍋に入れておくぜ」
「いや、輪切りでは大きい。
イチョウ切りで頼む」
「……分かった」
「くっそぉぉ、犯人め!
絶対に俺がこの手で捕まえてやる!」
~~~~~
「皆さんに集まってもらったのは他でもありません。
ナスを殺した犯人が分かりました」
「何だって!?いったい誰が!!」
「まぁ、まずは鍋でも食べて落ち着いてください」
「分かった。ムシャムシャ、ナスうめぇ」
「食っとる場合かーッ!」
~~~~~
「……あぁ、そうだよ。俺だ。
俺がナスを殺してやったんだよ!!」
「っまさか、お前が犯人だったなんて」
「まだ信じられないわ。いったい、どうしてこんなこと……」
「アイツが、アイツが移動する度にキュッキュキュッキュ音をさせるからっ!
足を故障して引退せざるをえなかった大好きなバスケのこと、バッシュでコートを駆け回る音を、忘れたいのに思い出させるから!
だから……アイツがいなくなれば、もう苦しくなくなるかと思って、それで……」
「……そうだったのか」
「ねー。私、鍋おかわりするけど、ついでにいる人いたら注ぐよー?」
「あ、おう。頼む。ナス多めでなー」
「はーい」
「ナスが、ナスが悪いんだ。
無駄に張りがありやがるから、皮がツヤツヤしてやがるから……うぅ」
「悲しい……事件だった……」