You fight for her and pass together
自作初戦闘の回になります。楽しんでいってください^^
「・・・ここは?」
俺の体が光り出した後、気がつくと不思議な空間にいた。そこはすべてが真っ白で俺はまるで宙に浮いているようだった。
「・・・て、天国じゃないよな?」
「はい。天国じゃありません」
とっさに後ろを振り向くとそこにはひょっこりとギンが立っていた。・・・少しだけビックリした。
「じゃあ、ここは?」
「ここは剣迅くんと私の契約するための空間です。でも、これは肉体ではなく、精神だけがここにいるんですよ」
ニッコリとギンが笑って答えてくる。つーか今のこの体精神なんだ・・・
「でも、契約ってなんだ?なんか俺さっき変なの口走ったような気がしたけど・・・」
俺がそう言うとギンがふわふわとこっちに近づいてくる。
「契約とは互いの種族の思いが一つになった時に出来るものです」
思いが一つ・・・どういう事なのだろう?
「剣迅君はうちを守りたいって思ってくれたんですよね?うちもそう思っていたんです」
確かに俺はギンの事を守りたいと思っていた。そしてギンも俺の事を守りたいと思っていた。
「つまり、俺とギンが守りたいって互いに思ったから契約ができた・・・」
「大体そんな所です。剣迅君が思い出してくれて、うち嬉しいです。うちずっと一人だったから寂しくて・・・」
再びがギンがニッコリと笑って来る。確かに、今なら覚えている。ずっと探していた女の子。それが目の前にいるギンだと言う事を
「でも、契約って実際どうなるんだ?」
「契約をするとその人は契約した種族によって身体能力を引き継がれるんです。うちは一応神なので・・・」
なるほど、契約者ってそんなチート能力があったのか・・・でも、実際契約ってどうすればいいのだろう。再びギンに質問した。
「それで、どうやったら契約完了なんだ?」
そう言うとギンはなぜかもじもじする。
「え、えーと・・・・キス・・・です」
「・・・へ?」
すると余計ギンの顔が真っ赤になる。
「き、キスならどこでもいいんです。その・・・好きな所にどうぞ」
・・・このかた人生部活だけに力をいれてきたこの俺が昔一緒に遊んでくれた女の子と・・・キス・・・考えてきただけで目眩がしてきた。しかし、確かにギンは可愛い。つい頭を撫でたくなるくらい。何て言うか、愛着がわく子犬みたいな感じだ。まぁ、狐なんだけど。
「・・・分かった。腹をくくるよ」
俺はゆっくりとギンの肩に触れる。その瞬間ギンのしっぽがピーンと伸びた。
「あ、あんまり緊張するなよ・・・俺だって恥ずかしんだから」
「ご、ごめんなさい」
するとギンは一回深呼吸をして目を瞑った。
「・・・も、もう一人になんてさせないから安心しろ」
俺はギンのおでこに唇を当てる。その瞬間また意識が遠のいた。
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目を開けるとそこはさっきの異界の街に俺は立っていた。目の前には先ほどのガーゴイルの男が倒れている。しかし、ギンの姿がどこにも見当たらない
「ギン!何処だ!」
「ここですよ」
俺はその声の方向に驚く。なぜなら俺の胸の部分からギンの声が聞こえるからだ。
「ギ、ギン!?なんでそこから声が聞こえるんだよ!」
するとギンが小さく笑う。
「なぜって契約が完了したから変身したんですよ」
「ト、トランス?」
俺は異聞の体を見てみる。すると俺は学生服ではなく、巫女のような服を来ていて、腰には刀が付いてある。
「な、なんだこれ!?俺の制服は!?そしてこの刀は!?」
さすがの変化に驚きも隠せなかった。しかもなんか頭にギンみたいな耳や尻尾が生えてる・・・・
「実は変身もその契約した者によって変わるんです。因みにうちが剣迅君に似合うようにイメージしました」
まさにの無駄のない完成度で仕上げてるなおい。それぐらい変わったしたような気がする。
「そんで?この刀何?どっかで見たような気がするけど・・・」
「あ、気付きました?それは代々音風家に伝わる雷迅の刀です。名前は雷刀《亥那杜磨》」
そう言えばそんな刀昔お爺ちゃんが俺に見せてくれたな・・・まさかそれを使う日がくるとは。
「クソ。力が少しだけ浄化されちまった・・・何か変身だ」
どうやらガーゴイルが目を覚ましたようだ。起き上がり、槍を構えてくる。
「そんなの、俺に勝てるわけねぇだろ!!」
ガーゴイルはそのまま俺に向かって突っ込んでくる。しかし、それに気づいたギンが俺に話しかける。
「剣迅君!うちの目を使って!」
咄嗟に俺は目に力を入れた。その瞬間、ガーゴイルの動きが鈍くなった。
「な、なんだこれ!?あいつ急に遅くなったぞ?」
「あの人だけじゃありません。今剣迅君以外の物や人がゆっくりと動いて見えるんです。」
確かに俺は普通に歩ける。どうやらこれがギンから見える世界なのだろうか。
「一応言っておきますがこれは体が早くなってるんじゃありません。なので人体への影響は少ないです。あと基本的に視力が良くなってるんで遠くの人を見ることができます。さぁ、今のうちにあの人を倒しましょう」
俺は腰につけている刀を手に取る。鞘から抜くとその刀はまるで真っ白い光のように輝いている。その光はまさに雷にも見える。
「す、すげぇ」
驚くことを一旦やめ、俺は目の前のガーゴイルに集中する。しかし、突然相手の動きがどんどん元の早さに戻っていった。
「今の剣迅君では10秒が限界のようですね。あまり使い過ぎると目眩を起こすので注意してくださいね」
「了解!」
俺もガーゴイルに向かって走り出す。そして互いの武器が凄まじい音と共に重なり合う。しかし、ガーゴイルを見るとなぜか苦しい顔をしていた。
「くそ、なんだこの馬鹿力は!まるで強大なゴーレムを押してるみてぇだ!」
その言葉を聞いてギンが恥ずかしがっていた。もしかして案外この子力持ちなのか?
「なら押し出すまでだ!」
俺はそう言ってグッと力を入れる。すると一気にガーゴイルの体制が崩れる。
「今です!剣迅君!」
俺はそのギンの言葉を聞いて刀に力を込める。そして、昔親父に教わった奥義の構えをする。
「・・・音風一刀流奥義《落雷》!」
二階建ての家よりも高く飛び、高速で落下する。その速さはまさに落雷のようだった。
「ぐぁぁぁああああああああああ!!!」
ガーゴイルの腕を一刀両断した。切れ味抜群だなコレ。
「く、くそ!覚えてやがれ!」
そう言うと、ガーゴイルは空を飛び、何処かへと言ってしまった。
「…もう二度と来ないで欲しいがな」
力を抜いた瞬間。再び体が光だし、そこからギンがポンッと出てきた。そして俺は学生服をしっかり着ていた。
「お疲れ様です剣迅君」
「お、おう」
なんだろう。ギンが俺から抜けた瞬間体が急に重くなり始めた。別に動けないわけではないがこれはキツイ。
「変身を解いたら明日までは激しい運動は控えたほうがいいですね」
「わ、分かった」
まぁ、あんなすごい事をしたんだ。そんなデメリットがあったって仕方がない。
「それよりさっきのガーゴイル男。半魔人って契約者とは違うのか?さっき堕ちた人間と魔族って言ってたけど・・・」
「契約者は種族同士が認め合ってできるものです。しかし半魔人は半強制的に種族をねじ込んで力を手に入れる事をいいます」
聞けば聞くほど面白くないやり方だ。という事はあの人間の隣にいた奴はガーゴイルの種族だったのか>
「一度力を手に入れればその種族はもう逃げられません。絶対その人の言いなりになるんです」
なるほど。ギンが嫌う理由が分かった気がする。まるで道具のようじゃないか。そいつの言いなりになるって。
「でも、どうやって強引にねじ込むんだ?」
「それがうちにもよく分からないんです。でも、原因はさっきの人が来ていた制服の学校、ヴィーズ学園が関係していると思うんです」
原因不明か・・・なんかかわいそうだな・・・
「・・・・それより剣迅君」
ふとギンを見ると少しだけそわそわしている。
「どうしたんだ?」
「いや、そのぉ・・・・剣迅君の部屋って広いですか?」
部屋?なぜ突然俺の部屋の話になったのだろう。とりあえず答えた。
「ま、まぁ2、3人入れる位の広さだけど」
「そ、そうですか・・・」
今度は頭を抱え、あうあうと唸っている。
「ど、どうしたんだよ?」
「じ、実は契約したもの同士のやらなければならない事があって・・・・」
「な、なんだよ」
少しだけ沈黙が続き、そしてギンは言う。
「ど・・・ど・・・・同居です!!」
「・・・はい?」
一瞬何がなんだかわからくなった。
「だから、その、同居です。契約したものはその方とそばにいると言うのが役目ですから・・・」
マジかよ!契約者ってそんなこともするの!?女の子と一緒にいなきゃいけないとかなんてすて・・・ハレンチな!
「その、帰り道まで色々お話しませんか?・・・昔の話とか」
ギンが少しだけ顔をシュンとする。そういえばさっきずっと一人だったって言ってたな。
「・・・今まで一人で寂しかった分、俺、全部受け止めるから。その・・・これからよろしくな」
ギンはその言葉がものすごく嬉しかったのか涙が出ていた。
「・・・・ハイ!」
そして満面な笑みを俺に見せた。それから俺はギンと歩きながら昔の思い出話をすることにした。一緒に遊んだこと、別れた後など、俺が待ち望んでいたことがやっとできたのだ。ギンもこれを一番待ちに待っていたことなのだろう。ギンはその後俺に音風家の神社の神様だと自分で告げ、俺はそのことでさらに驚いていた。まさかこんな子が自分ん家の神様とは思わなかったからだ。神社を引き継ぎたくないって言っていたが・・・・そのことはまた今度考えることにした今はこうして長い長い学校の帰り道が刻々と過ぎていくのを楽しもうとしていた。
いかがでしたでしょうか。
戦闘シーン難しいな。もう少し勉強したほうがいいのかな?
次回は新キャラ登場です!お楽しみに