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意味のない習慣
スマホでカレンダーを開く。ここから先ずっと予定は入っていない。入っていないというか、元々事細かにスケジュールを組んでメモする習慣がないのだ。
メモするのは本当に大きな予定だけ。
けれど流れるように僕はカレンダーを開いていた。そしてそれを閉じて、玄関を出る。
駅に到着する。自宅から自転車で5分強ほどの小さな最寄駅。手に交通ICカードを携帯し、改札を抜け北側の階段を登る。
「……あ、違う」
自分の行動にとっさに声が出る。行動を切り替えて南側へと向かう。
やがて電車がやってくる。車内には多くの人が乗っていたが運良く席は空いていた。そこへ腰掛ける。息つく間もなく、背負ったリュックを下ろして中を弄る。
いや、これも違うのか。
リュックに収まっていた手を引き抜くと僕はぼんやりと前を見る。隙間時間というものの存在を噛み締めるように認識する。
電車に体が揺れる。朝の日差しが持つ温度が瞼の奥に染み入る。ポロポロと剥がれていくものと新たに知覚するものがある。
スマホを開く。どれほど利用しても綺麗なままの単語帳アプリ。まるで嘘だったんじゃないかと錯覚しそうになる。
僕はアプリをアンインストールした。




