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約500文字の毎日  作者: 端役 あるく


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13/18

触っていないのに位置が変わっている物


 夜、仕事から帰ってきた。まず玄関横の電気をつける。オレンジ色の白熱電球が辺りを照らす。


 整えられた私の靴が一足だけ。鍵を定位置のカゴに戻すと、合鍵にぶつかりカチャリと音が鳴る。


 マンションの一室を奥へと進む。何だか、部屋の中の空気が昨日とは打って変わっていた。


 私はぐったりとソファに倒れ込む。ソファはかなり大きめで私を包み込む。整えられたソファカバーに何本もの皺が走る。


 そのままスマホを開く。浮腫んだ足が嫌になって靴下を脱ぎ捨てる。3分くらい後に無音の部屋が嫌になってリモコンでテレビをつけた。


 机の上に置かれたリモコン立て兼メガネ立て。2口あるその一つにリモコンが刺さってる。リモコンをとった弾みでリモコン立てと並行に置かれたティッシュケースがずれた。


 なんか部屋が変わったな。ぐるっと部屋を見回す。棚の上の置物達は整理され隙間が空いているし、ホコリも綺麗に取り払われている。私のいない間に。


 私はガバッと起き上がる。部屋の中を駆け巡って探し回る。水垢の一つもないキッチン、右揃えの持ち手のコップ、集められたハンガー。隅々までに巡ったから、隅々にまで手が加えられているのがまざまざと分かった。


 最後に私は洗面所へと辿り着く。歯ブラシが一本だけ広々と居座る。鏡には私だけが写る。


 崩れたメイク。涙。


「あーあ、馬鹿馬鹿しい。綺麗にしていった犯人いてくれれば良かったのに」


 崩れたメイク。涙。

 相変わらず、私ばっかりが散らかしている。

 

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