番外編…お腹が減りました(その4)
さてさて時刻はもうすぐ14時50分に
なろうとしています
一行は各務の運転で
あるお店の近くに到着し
駐車場に車を止めて
ギアを操作してエンジンを切り
シートベルトを外して、
それぞれドアを開けて降りて
パタンとドアを閉める
キーを操作して鍵を閉める各務
杉咲【ここですか?】と驚いた表情を
見せている
友成【渋い…渋過ぎます
古き良き昭和のお店】と
こちらも唖然としている
大崎【口コミとかもないですね】
佐野【これぞ穴場中の穴場】
各務【夜遅くはやらないからね
20時までには閉めるから】と
暖簾をくぐってカラカラと
店のドアをスライドさせて
入っていく
幸代【いらっしゃいませ
こちらへどうぞ】と
襖を開けて視線を
一行に向けながら
案内をしている
功男【いらっしゃい】と調理しながら
視線を一行に向けている
各務【今日は職場のメンバーも
一緒なんでね】
友成【こんにちは~】
杉咲【こんにちは~】
佐野【こんにちはお世話になります】
大崎【お邪魔します】と
言ってそれぞれゆっくり
腰を下ろして座っていく
幸代【はい、おしぼりになります】と
みんなそれぞれ渡していく
各務【ありがとうございます】
大崎【ありがとうございます】
佐野【ありがとうございます】
友成【ありがとうございます】
杉咲【ありがとうございます】と
受け取って手を拭いたり
目に充てている
幸代【ウチはすき焼きしか
ないのですが牛肉か豚肉か
鶏肉かどちらになさいますか?
一人はいつものね】と
話をしながらポットから
湯呑みに温かいお茶を注いで
テーブルに運んで
それぞれに置いていく
各務【はい、それでお願いします】
幸代【皆さんは?】
佐野【豚肉のすき焼き気になるけど
う~ん、悩ませている】
幸代【全ての種類のもできますよ
各務さんはいつもそうだから】
と満面のほほ笑みで
テーブルを拭きながら
話している
佐野【そうしましたらそれで
お願いします】
友成【僕も同じですけど
大盛りでお願いします】
幸代【はい、ありがとうございます】
各務【さすがの胃袋だな】
大崎【すいません、私は牛肉と鶏肉の
ハーフでお願いします】
杉咲【私も各務さん達と同じで
お願いします】
幸代【はい、ありがとうございます
お父さん注文です】
功男【はいよ~】
幸代【トリプルが3つの1つ大盛り
牛鶏のあいがけが2つで
お願いします】
文雄【はいよ~ちょいとお待ちを~】
そう言って調理準備に
とりかかる
幸代【ご飯は一緒に、それとも雑炊?】
各務【いつもので】
佐野【一緒で】
大崎【一緒で】
友成【一緒で】
杉咲【一緒で】と異口同音に揃えて
注文する
幸代【はい、ありがとうございます
今、持ってきますからね】と
厨房に戻っていった
友成【しかし、各務さん
良く知ってますね~
かなりの穴場ですよ】
大崎【確かにテレビとかの取材や
撮影にも使えそうですね】
幸代【昔は映画やドラマのロケにも
使われたけど、今はなかなか
食べるロケは全てお断りを
させてもらってるわ
ドタキャンされるわ謝罪は
ないわ、企業として人としての
礼儀や教育が出来てないのを
受け入れる言われはないわ
もちろん有名人もね
奢り昂ぶりが過ぎるから】
各務【さすがの端的に指摘するのは
それこそ国宝級ですな
それ以降は一切お断りと
いう訳でね】
功男【それよりよ珍しいな~
あんさんが仕事中に
寄るなんて】
各務【こっちにヤボ用があって
来たんだけど、
昼を食いそこねてね】
幸代【そういう事なのね】
佐野【ところで各務さんて
そんなに頻繁に
来てるのですか?】
各務【ウチの息子夫婦がデートで
こちらへ来たらしいんだよ
非常に珍しいからってな】
幸代【今はなかなか来られない
けどね】
各務【今は社会人だし結婚して
子供もいるから仕方ないよ】
幸代【いつの間に!見た目に寄らず
手が早いのね~親に似て】
各務【親に似ては余計な一言です
好きな人がそこにいただけ
それが共に歩みたいと
思う人だけの話】
幸代【落ち着いたら来るように
伝えておいてね~
ウチも代替わりしないと
いけないからね~】
各務【息子さん夫婦が跡継ぎかい】
幸代【孫も手伝ってくれるからね】
各務【もう、高校生になりますかい】
幸代【高校野球に青春をね
頭に弱小がつくのは
ご愛嬌という事で】
大崎【そういえばお店は
何時までなんですか?】
幸代【基本は20時までですね
普段は12時からなので】
功男【みんなの分上がったよ~】
と出来上がった料理を
盛り付けている
幸代【はい!よっこらしょ】と
鍋を持ち上げて運んでいく
功男【俺も手伝うとするかね】と
同じく鍋を持ち上げて
運んでいく
幸代【はい、おまちどおさま!】と
それぞれのテーブルに
置いていく
各務【いつ来ても圧巻だね~】
大崎【これは凄い】と
目を丸くしている
幸代【はい、続いていくわよ~】と
それぞれの座っている所に
置いていく
それから各々割り箸を割ってから
手を合わせて
各務【いただきます】
大崎【いただきます】
佐野【いただきます】
友成【いただきます】
杉咲【いただきます】と言ってから
各々一口ずつ食べ始めている
各務【うまい、これよこれこれ
たまらんね~】
佐野【美味しい~頑張ったあとの
ご褒美よね~】と
箸が止まらない
杉咲【こんな美味しいものを
今度は家族や友達と絶対に
来ます】
一方の友成は一心不乱に
バクバクと食べ続けている
大崎【友成君、落ち着いて食べよう
食べ物は逃げたりしないし
取られもしないから】
幸代【落ち着いて食べなさい
お肉ならまだあるから】
大崎【しかし、本当に絶品です
肉と野菜の旨みがこんなに】
各務【見えない所に美味い物あり
今日もありつけました】
それから店内は常連さんを筆頭に
様々なお客さんが来場し
各々てんやわんやしながら
一行もたわいのない話をしてから
食べ終えてそれぞれ会計をしている
各務【ごちそうさまでした
また、来ますので】
そう言って店のドアを
ガラガラと開けて暖簾を
くぐって後にする
幸代【ありがとうございました~
またどうぞ~】
功男【ありがとうございました~
待ってるぞ~】
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物語の繋がりで
こちらもお読みいただければ幸いです
迷宮~新聞記者 津雲京介
宜しくお願いします
https://ncode.syosetu.com/n8671im/
今回の登場人物(飲食店関係者)ーーー
小松 幸代…63歳
食べ処コロンビア女将
小松 功男…65歳
食べ処コロンビア大将




