表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ありのままで 第2部

作者: 森月 龍弥

ありのままでの、第2部になります。

良かったら読んでください。

 私こと、伊川 瞳には変わった彼氏がいる。

 彼は、森田 康弘 君という。

 学校は、違ったが高校生からの知り合いだった。

 第一印象は、『変わった人』。

 スクランブル交差点で、友達たちと渡ろうと話をしていたら、急にわたり始めてクラクションを鳴らされるし、大人しそうな顔立ちのせいか、よく絡まれて喧嘩をして来る時もある。

 外の顔は、大人しく優しく、明るくてよく話を聞いてくれる。

 大人たちも、そこ騙されて仕舞うのだろう。

 小学校から高校まで、生徒なんて入っていたし、部活動もして友達じゃなくても、顔見知りが多くて、他の学校の人も会うと挨拶をして来るのには、ビックリだった。

 高校の頃、たまにバイトもしていたが、知らない女の子が彼を写真に撮っていたのには『さすがに、無いわぁ』と思った。

 そんな、森田君の彼女になるとは、初めは考えていなかった。


 転機は、私の失恋がきっかけだった。

 叶う望みは、殆どなかったけど理屈じゃなかった。

 だって、大人で先生で、私はまだ大人じゃなかったけど、想っているだけで、楽しくて心が弾んで楽しかったのに、『どおして』。


 友達は、元気のない私を見て、話を聞いてくれる。

『休みたいなぁ』

 私の気持ちは、浮かぶことなく沈んでいく。


 その頃、森田君も振られたことを話してくれた。

 それも、何度も同じ人に断られているって!「あわわわ」

 空気が余り読めないのか、人前も告白をして、手紙でも気持ちを伝えていたそうだ。

 さすがに、それは無理だぁ。

 そこまで簡単に、気持ちが変わることはない。

 無理だ、森田君、その子が少し可哀そうだと思った。が、森田君は隣で泣いていた。


 それから、暫く連絡をしなかった。


 たまたま、連絡が来て、久しぶりに会ったら、『休んでいた』。

 学校から、呼び出されていたって、『何してるの。』

『休みたい』私に、『休んでいた』森田君。

 出席日数を指摘されて、止む無く週明けから通うそうだ。


 それから、また会う機会が増えていった。

 友達と遊んでいるときは、気がまぎれるのか会話も増えていった。


 友人たちと別れて帰り道、川の横の公園で森田君はまた、『変なこと』を言い出した。

「お試しでもいいから、付き合ってみない。」

『何を言ってるの、この人』

「えっ」

「まだ、割り切れてないでしょ、僕も何だけどね。

 それでも、瞳ちゃんが、励ましてくれたことで、嬉しかったよ。」

「お試しって。」

「だから、有限でも無期限でも、付き合ってみたいなって思った。」


「そんな、直ぐには返事できない。」

「それは、仕方がないよ。返事は、急がないから考えてみてよ。」

「う ん。」

 突然の事に、私は何を言われているのかさえ、理解するのに時間がかかる。

「じゃ、またね。」


 送ってくれた、森田君を見送りながら、『どうしよう』が精一杯だった。


いつも、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ